乳がん手術を経験した女性の裸を撮影した写真集が海外で話題になっています。
リアルだが、美しい乳がん手術後の女性たちの体
その写真集は、アーティスト・写真家のKristina Hunter氏と大学教授のML Kenneth氏の2人が行っている「Woman: Redefined」というプロジェクトで、アメリカとカナダの乳がんセンターで無料配布される予定のもの。
そしてひとつひとつに写真には、乳がん手術による縫合跡や切除して乳首のない胸部を持つ女性たちの体がはっきりと写し出されています。それらはどれもリアルなものですが、痛々しさやグロテスクなものでは決してなく、私たちに勇気を与え、美しいと感じられるものばかりです。
美しさや芸術、人生についても再定義する写真たち
この写真集の作成背景についてML Kenneth氏は、自身の乳がん手術経験がきっかけだと語りました。医療的なビフォーアフター写真を見て夫とともにとても落胆してしまい、そしてその写真が引き出しにしまわれ、バインダーに保管されているのを見た時に「なぜ新しい体を恥じたり、隠したりしなければいけないのだろう」と感じたのだそう。
手術によって自分の体の自信を失い、自分自身だけでなくパートナーもショックを受け、生きる意欲を失うことはおかしいとして、女性たちが新しい体を受け入れていくためのプロジェクトを始めました。
Hunter氏とKenneth氏はこの写真集によって、乳がん手術に立ち向かう女性たちに「あなたは孤独じゃない」と希望を与え、女性の美しさ、芸術や人生についても再定義されることを望んでいます。
リアルな胸を再生させるタトゥーを施す動きも
アメリカでは、乳がん手術後の女性たちのために、乳首と乳輪のタトゥーを施す専門のタトゥーアーティストもおり、多くの女性たちから需要が高まっているといいます。また先日、オーストラリアのタトゥーアーティストが、花柄のタトゥーをした乳がん患者の乳房の写真をフェイスブックにアップしたところ、2万4,000件以上シェアされ、話題になっています。
定期的な健診によって乳がんの早期発見がいかに大切かは多く語られることですが、こうした動きは、実際の乳がん手術を経た後に、自分の体を愛おしく感じることも同じくらいとても大切なことであると教えてくれます。
参考記事:Huffington Post