筆者は航空・旅行業界で10年近く働いており、様々な国籍のお客様の多種多様な問題を解決するお手伝いをさせていただきました。旅のトラブルはたくさん経験しましたが、仲のいいカップルが「成田離婚」までに至るトラブルのほとんどは、ほんの些細なことが発端でした。
どんなに綿密にプランを練ったり、予約の再確認をしても、旅行では「必ず」何かしらのトラブルが起きます。そんなときにトラブル対処がきちんとできるかどうかで旅行の良し悪しが決まりますし、2人の関係に影響を及ぼすことにもなりかねません。 ここでは、私自身の経験や、お客様にアドバイスしている中から、旅行中のトラブルを回避するポイント5つを紹介します。
1. 旅のプランは必ず2人で立てる
2人のうち、どちらかが率先して全てを取り仕切ることは決して良策とは言えません。共同で旅程を作り、予約も2人で確認しあいながら取ることが大事です。後で問題が起こった時に「なんであんな予約したのよ!」と責任の擦り付け合いになっても取り返しがつきません。旅行はいつでも連帯責任ですから。
2. お互いの希望は尊重する
旅行先ではやりたいこと、行きたい場所が山のようにありますよね。しかし、どちらか1人だけがやりたいことがある場合は? 彼が彼女に合わせるなど一方的に譲ってしまうと、後でわだかまりが残りますのでオススメしません。
例えば、午前中は彼女の希望で美術館、午後は彼が行きたかったサッカー観戦など、各々のやりたいことを1日に1か所ずつ組み込みます。そして一度相手に従うと決めたら、行きたくなかった場所でも不貞腐れたり文句は言ったりせずに一緒に楽しむことが大事ですよ。
3. パスポートの管理は自己責任
何よりも旅行先のトラブルで面倒なのがパスポートの紛失です。まずパスポートは各々が自分の物だけを持つようにし、一緒に管理しないほうが安全です。そして事あるごとにお互いのパスポートの有無を確認し合いましょう。
相手はきちんと確認しているだろうと思い込むのは危険です。いつでも2人できちんとお互いの確認をすることで、「なんであの時調べなかったのよ!」という事態は避けられます。
4. 補償領域が広い旅行保険に必ず加入
旅行保険はどんなに短期間であっても必ず入ることをオススメします。クレジットカードに付帯の保険では補償対象が限定されてしまうので、できれば単品の旅行保険で補償領域が広いものを選んで下さい。
実際にあったケースですが、スイスで登山中のお客様が転んで足を骨折しました。救急のヘリコプターが山中まで迎えに行き大事には至りませんでしたが、帰国後に300万円も請求されてしまったそうです。保険に入っていれば自分で払わずに済んだかもしれません。また場合によってはカップルのどちらかが代理で入院手続きなどをしなければならない時があるかもしれませんので、お互いの保険の詳細は控えておきましょう。
5. 「彼は役に立たないかも」という心構え
「彼に任せておけば大丈夫」と人頼みは危険です。旅行先で問題が発生した時にどうやって彼が緊急対応するのかは未知数なのですから、「もし自分が1人きりになってしまったらどうしよう?」と想定をして、解決方法の目星を事前につけておくことが大事です。
以前、真夜中にパリで迷子になってしまったカップルから緊急の電話がありました。彼にどの辺りにいるのか聞いたのですがパニくってしまって埒が明かず、結局彼女の方が落ち着いていて優秀だと判明したというケースがありました。彼が役に立たないケースもあるわけです。
いかがでしたか? 旅行は良い思い出を作るものですので、できる限りの下準備をして、危険や問題を回避しながら存分に楽しんで下さい。