多くの職場では、そろそろ研修を終えた新入社員が配属される頃でしょうか。最近では、政府の「女性の活躍推進」ムードもあり、バリバリ働きたい若手女子も増えているようです。ある調査によれば、今年の新入社員女子が希望する「将来の年収」は、平均669万円。新卒男性の平均879万円よりは少ないものの、女性全体の年収の3倍近くとなっています。「上」を目指す女子が増えているのでしょうか。
自力で600万円以上稼ぎたい女性が約4割
無料家計簿アプリ「ドクターウォレット」を運営するBearTailが、15年4月新卒入社の社員530名を対象に「将来の希望年収」を聞いたところ、最多は「400万円以上600万円未満」(22.6%)、次いで「600万円以上800万円未満」(16%)、「200万円以上400万円未満」(12.1%)でした(調査は今年3月、ウェブアンケートで実施。参照データ)。希望年収は、男性新入社員の平均が「879万円」だったのに対し、女性は「669万円」と、210万円の差がついています。
それでも、男女ともに1位は「400万円以上600万円未満」(男性22.3%、女性23%)、男性の2位は「1,000万円以上1,200万円未満」(16.9%)、女性の2位は「600万円以上800万円未満」(17%)と高額で、女性の3位は「200万円以上400万円未満」(14.8%)です。グラフを見ると、新人女性の4割弱は、将来「600万円以上稼ぎたい」と考えていることになります。よく、「独身女性が結婚相手に求める年収は600万円以上」というデータが話題になりますが、男性に依存するのではなく、“自力で”600万円以上稼ごうという新卒女子が、約4割もいるというのは、心強い結果ではないでしょうか。

「将来の希望年収」。BearTailサイトより転載。男女で大きな差がないのが伺える
女性正社員の平均賃金は年間256万円
一方、女性全体の平均年収は、まだまだ低いのが現状です。厚生労働省の「平成26年賃金構造基本統計調査」によると、女性正社員の平均賃金は、年間256万円。この場合の「賃金」には、時間外勤務手当や休日出勤手当などは含まれませんが、女性正社員の平均は「年収300万円以下」なのです。BearTailの調査では、新人女子の希望する将来の平均年収が「669万円」でしたから、この2倍以上の年収を希望していることになります。
政府は盛んに「女性が輝く社会へ」とうたっていますが、女性には未だに「ガラスの天井」があると言われます。結婚、出産などのライフイベントと仕事の両立、キャリアアップを阻む男女差別……20代のうちは、がむしゃらに働いていても、30代を目前にして「専業主婦願望」が芽生える女性もいます。
勝間和代の「インディなオンナ」になりえるか?
経済評論家の勝間和代さんは、以前、著書『インディでいこう!』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)で、自立したオンナの条件として、次の3つをあげていました。
・年収600万円以上であること
・素敵なパートナーがいること
・年を取るほど素敵になっていくこと
勝間さんの「インディな生き方」は、「女性がそんなに稼ぐのは無理!」とか、「都会のバリキャリしか視野に入れていない」などの批判も浴びましたが、経済的な自立を願い、日々の仕事を頑張るのは、決して悪いことではありません。
「年収600万円以上」だけが人生の到達点ではないけれど、とにかく働き続けること。地道に頑張っていれば、きっと数年後には、自分の“強み”が見えてくるはず……そう思うのですが、いかがでしょうか。