東日本大震災が起きてから4年が経過しました。フランスの女性誌『LE FIGARO madame』の「どうして自然災害に女性ばかりが犠牲になるのか?」という記事に、以下のようなショッキングなこと書かれていました。
「自然災害で犠牲になる女性は、男性の14倍以上にのぼる」
以下、この記事の内容を紹介しつつ、どうしたらこの悲劇を防げるのか、そのヒントを見て行きたいと思います。
女性は逃げるよりもまず家族や子供を守ろうとする
記事によると、この「14倍」という数字が発表されたのは、先月、日本の仙台にて開催された「国連防災世界会議」の中でのことでした。さらに酷いことに、災害で死を免れた女性の中でも20%が性的暴行の被害を受けていることが国連のデータによって明らかにされました。
前ニュージーランド首相であり、国際連合開発計画の総裁であるヘレン・クラークさんは、この悲劇の理由についてこう語っています。
「これだけ自然災害で女性の死亡率が高いのには、一定の理由があります。災害に直面したとき、女性は逃げるよりもまず家族や子供を守ろうとして、家の中にとどまってしまう可能性が高いからです」
日本で事前に行われていた防災訓練に参加した人は大多数が男性
今回開催された5日間の会議の中では、「国、社会の文化によっては、女性は家を守るために家から離れることができないことがあり得る。こういう場合、どうやって女性を災害から守ればよいのか?」が議論の大きなポイントとなりました。
また、東日本大震災だけでなく、アフリカで問題になっている流行病「エボラ出血熱」もまた、多くの女性が被害者となっています。
リベリアの国際連合人口基金の代表として、また医者として働くレミさんは、エボラ出血熱の被害を女性が受けやすい理由をこう語っています。
「医療に携わる看護師、助産師等の職業に女性が多いことで、感染被害を受けやすい状況があります。彼女らはエボラ出血熱の感染を止めようと尽くしているのに、『止めよう』として働くことによって被害を受けて死亡してしまうのです」
話を日本に戻すと、「国連防災世界会議」に参加した安倍首相は、日本で事前に行われていた防災訓練に参加した人は大多数が男性だった事実も明かしており、「もっと女性が防災に関わる努力をしていたら、リスクを減らせていたはずだ」と後悔を語っています。
女性は誰が弱くて守るべきものなのかを知っている
今回の会議でパネリストとして参加した、世界銀行のレイチェル・カイト副総裁は、この会議に参加して根本的に日本が変わるべき点についてこう指摘しています。
「今回の会議に参加しているメンバーを見ても、男性が多数です。女性が少なすぎます! これは世界的に見ても異常な光景です。これこそ改善すべき点だと思います。女性は誰が弱くて守るべきものなのか、助けを必要としているのかを知っています。だからこそ、女性自身がもっと社会に参加していかなければならないのですよ」
その日一日の家族の面倒のために、防災訓練に参加しなかったことで、家族を守れないリスクが上がることを知り、また、日本の社会にもっともっと女性が関わり、参加することも未来の家族を守る大切なことになります。
将来また襲ってくるかもしれない災害に備えて、まずは訓練に参加することからでも始められると思います。「社会に関わり、新しいルールを決めて行くのは男性だけではない」という力強い後押しにも、勇気をもらえた気がします。