NHK経営委員で埼玉大名誉教授の長谷川三千子氏(67)が1月6日、産経新聞によせたコラムが物議を醸し続けている。
長谷川氏は問題のコラムの中で、日本の少子化解決策として、女性が家で子を生み育て、男性が妻と子を養うのが合理的だと主張。女性に社会進出を促す「男女雇用機会均等法」の思想は個人の生き方への干渉だと批判し、政府に対し「誤りを反省して方向を転ずべき」と求めた。
これに対し、ネット上では議論が沸騰。時間を置いた1月28日には朝日新聞がこのコラムについて長谷川氏に取材した記事を掲載し、大きな反響を呼んだ。ツイッターには5,000件近くの意見が書き込まれている。その中から賛成派・反対派のツイートを一部ピックアップして紹介しよう。
「いくらなんでも時代錯誤」反発する声が多数
全体としては、「時代錯誤」「専業主婦じゃ経済的にやっていけない」「自分を棚に上げている」など、反発するツイートが圧倒的に多い。
・女性は家庭と仕事どっち選ぶって?どっちかなんて選んでたら暮らせねーんだよ!って時代に、何を言ってるんだこの人は。
・心から疑問なんだけど、じゃあなんであなたは働き続けてるの? あなたが専業主婦だったらこういう発言の機会があったと思いますか?
・子育て主婦が「大人と話がしたい」と言っている現実を知らんのか。社会と接していたい女もいるんだよ。限定的な世界はストレスなんだよ。自分も働いているならそれぐらい気付けよ。
「よくぞ言ってくれた!」賛成する声も
意外にも、女性の立場から「よくぞ言ってくれた!」と長谷川氏に賛同する意見もあった。
・いち母親からの意見で言えば、この人が正しいのよね…子供にはね、お母さんが家にいてくれる、こんな安心なことはないの
・男女平等に働けるしそうすべきと聞かされて育ったけど、それが成立するのは産前のみ。産み育てて判った。産後は役割分担的な家庭の方が自然だし強い。よく言ってくれた。
・この先生は教授の地位とお子さんを育てることを両立したんだけど、社会の女性全般に適用したら無理ってことを自覚してる。自分が優秀なことを自覚する成功者は傲慢でもなんでもない。自覚せずに押し付ける奴の方が怖い。
過渡期だからこそ、冷静な判断とちゃんとした計画が必要
また、以下の様な冷静なコメントも。
・本質は、男が女がじゃなくて、(小さい)子供の面倒を誰が見るか、その子の面倒を見てる間の収入は如何に確保されるべきかってとこだろうに。
・女性の社会進出と出生率低下問題、今まさに過渡期だなと思う。みんな過渡期に生きているのだから、世論に惑わされず信念と自己判断で乗り切って欲しいと思う。
子どもを産むかどうかも、誰が育てるのかも、その人の意志によって多様な選択ができる時代。それぞれの人生設計や現在置かれている環境をよく考慮し、自分自身で後悔のない判断をくだしてほしいものだ。
(文=編集部)