「会社が同性パートナーを家族と認めてくれた」 喜びツイートが話題の女性を直撃

「会社が同性パートナーを家族と認めてくれた」 喜びツイートが話題の女性を直撃

会社の福利厚生は異性夫婦だけのもの?

長年連れ添ったパートナーを亡くしても、葬儀のための休暇すら取れない。相手が同性だから、というだけで……。

職場で同性パートナーの存在すら隠さざるをえない人も

戸籍上異性間でなければ、結婚が認められない日本。そのため職場でも、同性パートナーが配偶者として認められないどころか、そもそもその存在すら隠さざるをえない人も少なくありません。

冒頭のケースの他にも、「妻と戸籍上は他人なので、職場で単身者扱い。転勤で引き離された」(20代女性・福祉・営業職)「娘が海外で同性婚。しかし日本では認められないので休暇が取れず、結婚式に出てやれなかった」(50代女性・教育・専門職)といった声が聞かれます。

そんな中で今年2月、ツイッターでこちらの投稿が話題になりました。

 

同性パートナーと暮らすbiancaさんは、IT関連会社で企画広報を務めて8年。周囲の反応から上司への伝え方まで、こちらのご投稿の背景を直接伺ってみました!

社内行事に彼女を家族として連れて行けるようになった

――今回、「同性パートナーの福利厚生が認められた」とのツイートが話題になりました。具体的にどんな内容の福利厚生なのか教えて頂けますか?

biancaさん(以下、bianca):社員の家族も参加できる社内行事(社員旅行など)に、私の同性パートナーを家族として連れて行けるようになりました。彼女との関係を会社に認められたようで、何よりそれがうれしかったです。

――今回のお話をなさる前から、お勤め先には理解ある雰囲気を感じていましたか?

bianca:入社試験の最終面接で、1人暮らしかどうか聞かれ「女性のパートナーと暮らしています」と伝えたら「わかりました」と言われ、どのような意味に受け取られたのかはわかりませんが気が楽になりました。

個人的に仲良くなった人と社外でも会う機会があれば、なるべく彼女も誘って紹介し、大きな会社ではないので社内の半分以上には時間をかけてカムアウトしてきました。最初びっくりした人はいましたが、より親しくなれました。

部長は「もっと早く言ってくれればよかったのに」という反応

――同性パートナーへの福利厚生のことを、ご上司には具体的にどうお伝えになったのでしょうか。

bianca:社内行事に彼女を家族として呼んでも良いかどうか、直属の上司、信頼している役員、行事担当者、それぞれ個別に相談しました。上司と役員にはカムアウトをしていたので、2人の存在はとても心強く、後から知ったのですが直接社長にも掛け合ってくださったようです。

――今回のことがあったあとの、ご上司や同僚のみなさんの反応はいかがでしたか?

bianca
:部長会議で可決されたあと、1人1人にお礼に行くと、ある部長は「えっ? 何だっけ? ああ、あのこと? もっと早く言ってくれればよかったのに」という反応で、拍子抜けしました。

また、「パートナーのことが認められてプレッシャーもあります、もっと仕事頑張らないと」と言う私に、応援してくださっていた役員は「他の社員と同じように働けば良いだけだよ」とも言ってくれました。私のデスクに朝一で来て、「おめでとう」と言ってくれる同僚もいました。

国内外で見直し進む、同性パートナーの福利厚生

社員の同性パートナーも福利厚生の対象とする企業は、国内外で年々増えています。昨年7月には国連も、日本含む全世界の職員に対し、福利厚生の対象を職員の同性パートナーにも広げると発表しました(ロシアは反対中)。

またbiancaさんのお勤め先のように、「我が社は同性愛を差別しません」と大々的に宣伝しているわけではない企業でも、要望を受けて自然に対応してくれるということもあるでしょう。

なぜその制度は異性間のみに限られているのか。あなたに同性パートナーがいるかいないかに関わらず、そう考えることは職場をよりよくすることにつながるかもしれませんね。

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