『プ女子百景』著者・広く。さんインタビュー(前編)

パンツ一丁のイケメンに会える非日常―プロレス本を出版した女性が語る、プロレス女子急増のワケ

パンツ一丁のイケメンに会える非日常―プロレス本を出版した女性が語る、プロレス女子急増のワケ
「プロレス女子」急増のワケ

広く。さん(右)の著書『プ女子百景』発売記念イベントの様子。プロレス界の大スター・棚橋弘至選手(中央)と、棚橋選手の立命館大学時代のプロレス同好会の先輩・ユリオカ超特Qさん(左)と。チケットは約30分で完売。主に20~30代の女性たちがかけつけ、静かな熱気に包まれていた。

ここ数年で、プロレス会場に20~30代の女性たちの姿が急増し、話題になっている。選手の握手会や撮影会は、チケットが販売されるやいなや一瞬で完売。プロレスをしている姿が一切ない、選手のオフショットやモデルばりにポーズを取る姿が納められたファッショナブルな写真集が発売されるなど、驚きの展開を見せている。

そんな中、このプロレス人気を象徴するように誕生した1冊が、女子中学生がプロレス技をかけ合う、シュールで、マニアックなプロレス技図鑑『プ女子百景』(小学館集英社プロダクション)。昨年末に発売され、1月には重版がかかるヒットを記録しているこの本の著者であり、10年以上のプロレスファンである、という広く。さんに、プロレスが盛り上がっているワケ、そして、プロレスの魅力について、プロレスをほとんど見たことがない、初心者女性向けに語って頂きました。

プロレスと言うと、「痛そう」「怖そう」「おっさんが」という先入観がある女性が多い

――プロレス技のおもしろさがダイレクトに伝わってくる本ですね。ただ、延々と技をイラストで紹介するという、かなりマニアックな内容で、驚きました(笑)。書籍化に至った経緯を教えて下さい。

広く。:私はプロレスが好きになって、10年ちょっとで、プロレスと言うと、「痛そう」「怖そう」「おっさんが」というような先入観がある女性が多く、そういう方はプロレスとわかると一瞬で「興味がないわ」とシャットアウトしてしまうんですよね。

だから、プロレスの技そのものの魅力を伝えるために、プロレス的な要素を全部なくして、女子中学生という間逆の人物で表現して技を見せたら、ひょっとしたらおもしろがってもらえると思い、2010年からブログでイラストをアップしたり、グッズを独自に作ったりしていました。それが編集者の目に留まり、「本にしませんか?」とお誘いを頂きました。

肉体美のイケメンレスラーが増えた

――なぜ、ここ数年で急激に女性のプロレスファンが増えたのだと思いますか?

広く。:やっぱりイケメンレスラーが増えたからではないでしょうか(笑)。中でも、絶大な人気を誇る「新日本プロレス」所属の棚橋弘至選手と中邑真輔選手、このおふたりの存在は別格ですね。

棚橋選手は、プロレス界のヒーローで、オーラがすごくて、リングにいらっしゃるだけで、パッーと明るくなる。プロレスの会場に、全然お客さんが入らないところから、それを全部背負って、「俺が盛り上げる!」とずっと活動されている方です。中邑選手も、若くしてプロレス界を盛り上げなければいけないという責任を負わされ、苦悩して、苦悩して、昔はストイックな感じだったんですが、いつの間にか、くねっと動いたり、「イヤァオ!!!」と叫んだりする、怪しげなセクシー路線を確立されていました(笑)。

そのおふたりが一生懸命耕してきた畑に、いきなりドカーンと花を咲かせてくれた人物が、同じく「新日本プロレス」のオカダ・カズチカ選手です。2012年にメキシコで海外武者修行を経て凱旋帰国し、彗星のごとく現れたスターです。金の雨を降らせる男“レインメーカー”の異名を持ち、会場には女性ファンが押し寄せています。しかも、棚橋選手と中邑選手は30代ですが、オカダ選手は27歳と若い。若い年代の女性は、自分に年が近い選手の方が感情移入しやすいと思うので、それで火がついたのではないでしょうか。

――イケメンレスラーの顔はもちろん、やはり強い男、そして、肉体美に惹かれて、プロレスにハマる女性が、最近は多いと思いますか?

広く。:周りには、ペラっとした体の男性しかいないですからね(笑)。ヘビー級のレスラーは、みんな100キロを超えているし、プロレスという非日常の世界で出会える方々です。だから、プロレス観戦は、アイドルやヒーローに会いに行くような感覚です。

そもそも普通に考えたら、上半身裸でパンツ一丁の男性に会えるなんて、ずいぶん非日常だと思うんです。しかも、パンツにブーツを組み合わせるなんて、そんなバカな! みたいな。普段、なかなか見る機会がない、膝上からお尻にかけても見放題。女性に人気の飯伏幸太選手は、美尻が有名で“いぶ尻”と呼ばれ、飯伏さんのお尻ばかり、ものすごい望遠レンズのカメラでバシバシ撮ってる女性もいるほどですね。

>>【後編につづく】女の愛と欲望がリングを取り囲む! “プ女子”歴10年の著者が語り尽くした、プロレスの魅力

●広く。(ひろく。)
鳥取県東部出身。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。2010年から女子中学生らがプロレスごっこをする技図鑑のイラストを中心としたブログ『プ女子百景<プロレス女子図鑑>』を運営。新日本プロレス公式モバイルサイトにて連載中の『新日本学園・女子イラスト部』の一員としても活躍中。内藤哲也選手(新日本プロレス所属)の熱狂的なファンでもある。

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