「fracora(フラコラ)」が主催するオンラインイベント「フラコラカルチャー」。健康・美容・食事・睡眠など様々なテーマでスペシャル講師をお迎えし、日々の生活に役立つ知識をお届けしています。今回のテーマは「足と病気の関係」。
私たちが当たり前のように行っている「歩く」という動作。近年、この「歩く」ことと健康寿命の関係に注目が集まっています。そこで、足と歩行の専門家、下北沢病院の久道勝也先生をゲストに迎え、足の最先端医療についてうかがいました。
久道先生によると、足の健康と健康寿命は密接な関係があるのだとか。イベントリポート第2回では、足の健康を保つためのセルフチェックについて詳しく紹介します。聞き手は、シドニーオリンピック競歩代表の柳澤哲さんです。
※本記事は9月9日(金)に「フラコラカルチャー」で配信されたイベントを、ウートピ編集部で再編集したものです。
自分の足、観察したことありますか?
柳澤:私たちは、健康になろうとしていろいろなことを試みますよね。例えば、ジムに行って筋トレをしたり、糖質をたくさん摂らないように気をつけたり。久道先生のお話を聞くと、そういった行動よりも、歩くことのほうが健康寿命に大きく貢献しそうな気がします。それはなぜでしょうか?
久道:歩行というのは、人間の最もベーシックな移動手段です。そのため、日常生活にも取り入れやすいんですね。また、さまざまな運動の中でもケガのリスクが少ないエクササイズともいえます。
柳澤:歩くことのベースは、ずばり「足」ですよね。足の健康状態をセルフチェックする方法はあるのでしょうか?
久道:みなさん、実は自分の足ってよく見ていないものなんですよ。だから、まずは自分の足を、お風呂に入るときにしっかり見ましょう。足の裏や指の間も含めて、全部きちんと見ていきます。足というのは基本的に左右対称なので、左右の対称性についても確認したいですね。
そもそも、自分の足を見ようと思うと、それなりの柔軟性と視力が必要ですよね。足を見ようとすると、体が硬くて曲げられなかったり、目が悪くて細部がなかなか見えなかったり。足を見ることで、そういった体の不調もわかります。
タコや皮膚の状態も足の健康を知るヒントに
久道:足の裏を見たときにタコができているなら、どの位置にできているのか。タコができているということは、その部分に強く圧がかかっているわけですね。だから皮膚を硬くしてそれに対抗しようとするんですが、では、なぜそこに圧力がかかっているのか? もしかしたら靴が合っていないのかもしれないし、足の形が変形しているのかもしれません。だから、タコの位置を確認するのも、足の健康にとっては意外に大切なんです。
続いて、爪の形や皮膚の状態、毛が生えているかどうかも見ましょう。例えば指の毛が生えていなかったり、足がテカテカしていたり、あるいは赤黒いような変な色だったりするときは、もしかしたら血流障害、動脈の障害の可能性があるかもしれません。
足のむくみがとれない場合は、静脈系のトラブルが考えられます。自分の足のすねをグーッと押したとき、指の跡がついて数秒間元に戻らない場合は、静脈血のうっ滞が疑われますね。
それから、自分の靴をチェックすることも大事。長い期間履いている靴の底をひっくり返して見てみてください。難しい理屈はともかくとして、基本的に歩行は左右対称であるべきです。
だから、靴底の左と右を比べてみて、もしすり減り方が対称じゃなかったとしたら、そこには何かトラブルがうかがえる。歩行バランスが崩れている可能性があります。あるいは、足の変形も考えられますね。
靴底だけでなく、靴の中敷きも引っ張り出して見てみましょう。例えば、かかとの一部だけへたれているなら、靴の中で足が動いているのかもしれません。つまり、足と靴のサイズが合っていない可能性が見えてくるんですね。
■足のセルフチェックポイント
・足の状態に左右差がある
・足裏にタコや魚の目がある
・爪に変形がある
・血流を感じない部分がある
・脚のむくみがある
・膝裏にもやもやした血管が見える
・普段の靴が合っていない
・靴底の減りが不均等
柳澤:足の状態や左右対称性をチェックすることが、足の健康維持の第一歩ということですね。次回は、足の健康寿命を保つ方法について、さらに深く迫っていきたいと思っています。
(第3回に続く)
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