5月9日(月)に「fracora(フラコラ)」が主催するオンラインイベント「フラコラカルチャー」が配信されました。今回のテーマは「睡眠美容」。
皮膚科医の岩本麻奈先生をゲストに迎え、寝ている時間にキレイを磨く方法をレクチャーしていただきました。
全3回にわたってお届けするイベントリポート、3回目は最近話題の成分「CBD(カンナビジオール)」の活用法について、詳しく紹介します。
※本記事は「フラコラカルチャー」で配信されたイベントを、ウートピ編集部で再編集したものです。
「CBD(カンナビジオール)」って何?
大麻草の生理活性成分は代表的なものが二つあり、その一つがCBD(カンナビジオール)です。一言で言えば、抗酸化、抗炎症、抗不安作用に長けている成分です。
なぜ大麻草の成分が人の体に効くのか、という研究を深めているうちに、実は体のなかにも大麻草と同じような成分があることがわかりました。大麻草は栽培が禁止されていたため研究が遅れていましたが、近年世界中で症例研究論文が発表されてきております。
このCBD、実は眠りと深い関係にあります。図に示されている通り、睡眠は90分間隔でノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)を繰り返しています。
CBDには、ノンレム睡眠に長くとどまらせようとする作用があるため、CBDを含む健康食品などを上手に活用すれば、深く質の良い睡眠をとることができると言われています。
実は身近な植物だった!「大麻草」の歴史
大麻草と聞くと、麻薬のイメージを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それは、CBDと同じ大麻草の代表的生理活性物質の一つであるTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分のせいです。THCの働きはCBDと真逆で、精神を高揚させる作用をもち、世界的禁止成分であります。
実は日本には、大麻草を育ててきた長い歴史があります。戦前には約3万もの農家が大麻草を栽培していましたが、GHQ(連合国最高司令官総司令部)の指令によって大幅に規制されました。
元来日本に生息している大麻草は、THC成分が低い品種であったにも関わらず。現在は、栃木県にあるわずか30あまりの農家で大麻草が栽培されています。
また、「践祚大嘗祭(せんそだいじょうえ)」という皇室行事では麻の織物が献上されたり、神道領域でも大麻草が活躍しています。
CBDの根幹にある「エンドカンナビノイドシステム」
次に紹介するのは、CBD(カンナビジオール)に関連する体内の機構ECS「エンドカンナビノイドシステム」です。「エンド」は体内、「カンナビノイド」は大麻草の成分を指します。
もともと人間の体には、同じ体温を保とうとしたり、健康な状態に戻ろうとしたりする、恒常性に関する生体調節機能が備わっています。これを「ホメオスターシス」と言います。
この「ホメオスターシス」の中でも最も大きな機構が、「エンドカンナビノイドシステム」です。生命維持のマスターコントロールシステムと言っても過言ではないでしょう。
もしも「エンドカンナビノイドシステム」が不調になると、自律神経失調症・過敏性腸症候群・偏頭痛・老化促進など、さまざまな症状に悩まされる(カンナビノイド欠乏症)と言われています。非常に複雑な話になってしまうため、今回のレクチャーでは詳しい説明を割愛します。
役立つ食べ物とは
「エンドカンナビノイドシステム」をより理想的に機能させるには、どうすればよいのでしょうか。CBDの摂取は手っ取り早いですが、他の方法でも改善させることができます。
何より睡眠、そして適度な運動、栄養が重要です。
栄養面で特に摂取を心がけたいのが、必須脂肪酸です。必須脂肪酸の一種であるオメガ3が含まれる食品は少なく、日頃から栄養価の高い食事を摂っている日本人でも日々十分な量を摂取するには工夫が必要だと言われています。
大麻草関連で言いますと、スーパーフードとも言われるヘンプシードオイルにも理想的に含まれていると言われます。
また、黒トリュフやチョコレートに含まれるアナンダミドという成分も、「エンドカンナビノイドシステム」の助けになります。体内の恒常性を保つためにも、栄養面で気を配ってみましょう。
気になる症状がある方はクリニックへ
今回はCBD(カンナビジオール)についてご紹介しましたが、睡眠に関してはさまざまなサプリや対処法があります。
「不眠に悩んでいるが、どうしていいかわからない」「短い時間でとにかくぐっすり眠りたい」「睡眠導入剤はなるべく使いたくない」など、眠りに関する悩みをお持ちの方は、クリニックにご相談ください。
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