「箸が転がっただけでイラッ」その症状、更年期かも

「箸が転がっただけでイラッ」その症状、更年期かも
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4月9日(土)に「fracora(フラコラ)」が主催するオンラインイベント「フラコラカルチャー」が配信されました。今回のテーマは「HAPPY更年期のススメ」。

更年期トータルケアインストラクターの、永田京子(ながた・きょうこ)さんに、約9割の女性が心身に不調を感じるという更年期の原因と予防策について、詳しく解説していただきました。

全3回にわたってお届けするイベントリポート、初回は更年期におけるホルモンバランスの変化について、詳しく紹介します。

※本記事は「フラコラカルチャー」で開催されたイベントを、ウートピ編集部で再編集したものです。

ネガティブなイメージの更年期、実際は……?

思春期の女性に対して「箸が転んでも笑うお年頃」とよく言いますが、「箸が転がってもイラッとするお年頃」といえば更年期といわれます。「失礼な!」と思われるかもしれませんが、講演会でこの話をすると皆さんが大きくうなずかれます。

今回の「フラコラカルチャー」では、そんな更年期に私たちの体のなかでどんな変化が起こるのか、そして具体的にどういう対策をしていけばいいのかということを解説します。

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まずは、性ホルモンの変化のグラフをご覧ください。赤色で書かれているのが、女性の体内における性ホルモンの変化。青色で書かれているのが、男性の体内における性ホルモンの変化です。

女性の場合、10代前半から20代にかけて、性ホルモンの分泌量が急激に増えていきます。

お肌にハリとツヤがある思春期の時期です。その後、個人差はありますが20代は順調に分泌され、35歳頃から徐々に低下し、45歳頃から坂道を転げ落ちるように急低下。そして更年期に入り、55歳以降はほぼゼロになってしまいます。

つまり女性の場合、人生の前半は女性ホルモンが豊富に分泌されていますが、後半はゼロに近い状態になるということです。

※性ホルモンの変化には個人差があります

女性より男性のほうが「女性ホルモン」が多くなる60代

実は男性も副腎という組織から一定量の女性ホルモンが分泌されています。そのため、60歳以降しばらくの間は、女性より男性のほうが女性ホルモンの分泌量が多くなります。

講座でこのような話をしたら、「先生!だからおじいちゃんになると、おばあちゃんらしくなって、おばあちゃんになると、おじいちゃんらしくなるのね」と前方の席に座っていた人がおっしゃっていました。

その真意はさておき、体内のホルモンの変化だけに着目すると、逆転現象が起きるということは間違いありません。

更年期の時期は、閉経の前後10年

更年期は「閉経の前後5年ずつ」のことを指します。日本人の平均の閉経の時期はおおよそ50歳過ぎなので、50歳で閉経した場合は45歳から55歳が更年期となります。

私の母親も閉経の前後に更年期症状がありましたが、当時は「更年期」を知る機会がありませんでした。

目が乾くという症状が現れ眼科を受診。そこで処方されたのは、目薬と錠剤でした。

しかし錠剤を飲もうとしても、喉にくっついてしまい飲み込めません。

そこで今度は耳鼻科へ行きました。

症状を説明したところ、また新しい錠剤が処方されました。

次に肌の乾燥が気になり始めて皮膚科へ行き、また別の症状で他の診療科を受診。

次々に新しい薬を処方され、錠剤がどんどん増えていってしまいました。

更年期世代の「ドクターショッピング」とは

実は、母のこれらの粘膜にでていた不調の原因は、更年期の女性ホルモン低下の影響によるものだったのです。

そのため、病院へ行くなら婦人科へ行くべきだった、ということがわかりました。

この一連の行動は、「ドクターショッピング」と呼ばれ、更年期世代のドクターショッピングだけでも、年間600億円以上が使われているという試算があります。

更年期障害について理解するということは、過剰医療費、過剰検査費、過剰投薬費を抑えることにもつながるのです。

不調が続いたときは、医療機関の受診を

意外に知られていませんが、更年期には正しい対処法や効果的な薬があります。

つらい症状が続いたら婦人科へ行き、医師に相談してみましょう。

場合によっては、「更年期症状だと思ったら別の病気が隠れていた」というケースもあります。

「理由はわからないけれど不調が続いている」「生活習慣を整えても、セルフメンテナンスを実践してもなかなか改善しない」というときこそ、注意が必要です。

医療機関へ行って相談してみる、という行動が大切な選択肢の一つであることを、ぜひ覚えておいてください。

「HAPPY更年期のススメ」イベントリポート、第2回は4月15日(金)公開予定です。

■動画で見る方はこちら

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