“日本テレビの女子アナ内定取り消し騒動”が話題だ。アナウンサー内定者の笹崎里菜さん(22)が短期でホステスのヘルプのバイトをしていたことを理由に、日本テレビは「清廉性が求められるアナウンサーにふさわしくない」という理由で内定を取り消した。これに対して「職業差別ではないのか」という批判も相次ぐ。
もし、この騒動が職業差別に基づくものだとしたら、男子学生にホストの経験があった場合、アナウンサーの内定を取り消されるということになる。そこで、「もし、男子学生がホストをしていたら、アナウンサー内定は取り消しになるのか」という疑問を、日テレの同業他社で働く現役のテレビマンや人材コンサルタントにぶつけてみた。
男はホストを体験したぐらいでは傷はつかない
キー局勤務で報道番組の担当者はいう。
「もし、売れっ子ホストとして月に何十万円も稼いでいたという男子学生だったら、内定は取り消しになる可能性はあります。でも、それはホストが問題というよりは、女性客に沢山のお金を使わせてきたなら、トラブルのひとつやふたつもあったろうし、そういう人間を採用するのはリスクがあるからです。過去のお客さんが“あの男性アナウンサーに騙された”って訴えてきたら困りますよね。
でも、短期でホストクラブのヘルプのバイトをしていた程度なら“社会勉強になると思ってやりました”と言い訳すれば、内定取り消しにならないでしょう。実際、アナウンサーじゃないですが、お堅い出版社の週刊誌で新人男性社員をホストクラブに体験入店させる企画をやっていましたよ。新人男性社員は将来の幹部候補生のはずですが、そういう若い男性にホストをやらせてもなんら問題にならないのです。男は水商売の体験ぐらいでは傷はつかないのです」
男子もセックスが絡むと問題になる
“傷”という言葉が出たのは『週刊現代』の報道によると、日テレの人事部長が笹崎さんに対して「傷がついたアナウンサーを使える番組はない」と確かに言ったとされるからだ。笹崎さんは店では名刺も作らず、夜11時には帰り、お手伝いに徹していたとされている。そんな些細なホステス体験でも女性は「傷」といわれ、男性は問題視されないのはなぜか。
人材コンサルタント(40代女性)はいう。
「それだけ女性は性がお金になるからです。男性が性を売る仕事はそうそうありませんし、誰しもが売れるわけではありませんが、女性は70代の風俗嬢もいますし。若い美女ならお店で座っているだけでもが高い値段で性が売れます。その誘惑に負けないできたことが大切にされるんです。古い言い方をすると『身持ちの堅さ』が重視されるのです。
ただ、今後は男性も性を売る仕事が増えてきていますから気をつける必要はあるでしょうね。男もホストの体験入店ぐらいなら許されても、セックスが絡むとアウトですよ。バイト感覚でゲイ向けのAVに出て、キャリアを失った俳優もいますし」
企業の採用において、清廉性が求められるのは男女ともに変わりはないが、性という部分に関しては、男性は女性よりも少しハードルが低いようである。
(木原友見)