肌老化の2大原因「酸化」と「糖化」って? 皮膚科専門医 小林智子さんが解説

肌老化の2大原因「酸化」と「糖化」って? 皮膚科専門医 小林智子さんが解説

2月21日(月)に「fracora(フラコラ)」が主催するオンラインイベント「フラコラカルチャー」が配信されました。今回のテーマは「『糖化』の原因&対策法」。

YouTubeで人気の皮膚科専門医 小林智子(こばやし・ともこ)先生に老化と関係があると言われている「糖化」の原因と予防策について、詳しく解説していただきました。全3回にわたってお届けするイベントリポート、初回は糖化・酸化ストレスに関する解説を紹介します。

※本記事は「フラコラカルチャー」で開催されたイベントを、ウートピ編集部で再編集したものです。

年齢を重ねると、肌はどうなる?

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まずは、皮膚の老化について説明します。図の左側が若い人の皮膚、右側が年齢を重ねた人の皮膚です。左側の皮膚は、一番上にある「表皮」がコンパクトにまとまっていますが、右側の皮膚はペラペラに薄くなっています。

これを「萎縮」と言い、この状態になると肌のきめ細やかさが失われてしまったり、ちりめんジワと呼ばれる浅いシワが見られやすくなったりします。

また、「表皮」の下にある「真皮」にはコラーゲンやエラスチンなど、肌の弾力性を生み出す成分が存在しています。

この成分は、25歳を過ぎたあたりから少しずつ産生量が減っていきます。そのため、若い人と年齢を重ねた人の肌の違いは一目瞭然。

若い人はコラーゲンやエラスチンの量が担保されているのに対して、年齢を重ねた人は量が減って密度が低くなっているのがわかります。

その結果、肌のはりや弾力性が失われ、シワやたるみ、シミや肌のごわつきなどのエイジングサインが見られるようになるのです。

つまり、エイジングケアにおいて重要なのは、コラーゲンやエラスチンの量を保つことだと言えます。

コラーゲン低下の原因は「酸化ストレス」

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では、どうすればコラーゲンやエラスチンの量を担保できるのでしょうか。量が減る原因の一つとしてあげられるのが、「酸化ストレス」です。

肌のなかで活性化酸素が増えると、過剰な活性化酸素がコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質にダメージを与えてしまいます。

活性化酸素の攻撃により、繊維成分が破壊されて肌の弾力性が低下し、エイジングサインの表出を加速させてしまうのです。

この「酸化ストレス」は紫外線だけでなく、さまざまな原因によってもたらされます。

例えば最近は、スマホなどのブルーライトが肌の老化に悪い影響を与えているのではないかと話題になっています。

また、大気汚染も原因の一つです。他にも、タバコやアルコール、偏った食事などの生活習慣も、「酸化ストレス」の原因になると言われています。

「酸化ストレス」と「糖化ストレス」の関係とは?

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また長年の研究により、この「酸化ストレス」が、「糖化ストレス」を加速させることがわかりました。

「酸化ストレス」と「糖化ストレス」はセットで起きるため、同時にケアすることが非常に重要になってくるのです。では、「糖化ストレス」とはどのようなものなのでしょうか?

そもそも「糖化」とは、体のなかで余った糖がタンパク質と結びついて老化物質を作りあげる現象を指します。

この老化物質を、専門用語で「AGEs(Advanced Glycation End Products)」と言います。このAGEsが体内に蓄積されると、さまざまなエイジングサインや機能不全が現れます。

例えば、規則正しく並んでいるコラーゲンの間にAGEsが入ってしまうと、コラーゲンが硬くなり、皮膚の硬化が起きてしまいます。

その結果、肌がゴワゴワして弾力性が低下し、たるみやシワの原因になります。またAGEs自体が黄色く褐色調なので、肌が黄ばんで見えたり、シミの原因になるメラニンという色素が沈着してくすみが発生したりする場合もあります。

生活習慣の見直しが美肌へのポイント

ここまでの話から、肌の老化の2大原因は、「酸化ストレス」と「糖化ストレス」だということがわかっていただけたかと思います。

「酸化ストレス」に対しては、UVケアや抗酸化成分を取り入れるのが有効です。

また「糖化ストレス」に対しては、スイーツなど糖分を多く含んでいる食品を控えたり、血糖値が上がりやすい食品を避けたりするのがおすすめです。

血糖値の上昇を穏やかにする食後の運動も、有効な手段の一つと言えるでしょう。

最近の研究では、「糖化ストレス」と睡眠が深く関係しており、睡眠不足の人はAGEsが溜まりやすいこともわかっています。

「酸化ストレス」と「糖化ストレス」を溜めないためにも、まずは食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直すことから始めてみては、いかがでしょうか?

■動画で見る方はこちら

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