おすすめの自己投資は? 1時間を週1回、1年間続けた先に見える風景

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「なーに考えてるの?」
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コラムニストの桐谷ヨウさんによる連載「なーに考えてるの?」。ヨウさんがA to Z形式で日頃考えていることや気づいたこと、感じたことを読者とシェアして一緒に考えていきます。第35回目のテーマは「I=Investment(投資)」です。

もっとも利回りの良い投資は…

こんな俗説を聞いたことがあるでしょうか?

「もっとも利回りの良い投資は、自己投資である」

おいおい、あやしい自己啓発界隈のうさんくさいセールストークなんじゃねーか? と思ってしまうのだけど、あながちまちがっているとはいえない話なんですね。

いわゆる投資のための金融商品を見てみると、5%のリターンで上出来というイメージです。あっ、たいしてくわしくない私の感覚なので流してもらえると幸いです。10%を超えてくるとそれなりにリスクがともなってくる商品だなという印象で、ましてや倍にしようとするとそれこそ丁半博打(ばくち)のような世界をくぐり抜けなくてはいけなくなる。それは投資ではなく、ただのギャンブルである。

そういう意味でいうと、仕事においてなんらかの経験を自分への投資として血肉化するとする。場合によっては、自腹を切ってスクールに通う必要もあるかもしれない。お金を使わなくても、遊びたい時間を費やさなくてはいけないかもしれない。それが自己投資というものである。

そうやって手に入れたいくつかの「たくさんの人が持っているわけではない経験値」を掛け合わせて、それをほしがっている企業がいたとしたら、オファー金額はけっこうなものになるだろう。そういう意味では、数十%のリターンというのは、たやすくあり得る。

かなり有名な考え方ですが、藤原和博さんが唱える「3つのキャリアを掛け算して100万分の1の人材」というのは分かりやすい話です。1つのキャリアで突き抜けるのはかなり厳しいですが、1万人にひとりを3つ掛け合わせると、100万分の1の存在になれる……という話です。

たしかに自分も直近の転職では、人材のレアさ(すごさではない)が評価された気がしています。システムのことがそれなりにくわしく分かるコンサルタントであること、特定の領域を深掘りした経験があること、大手とベンチャーの両方を経験していること、職種をまたがった役割を担って部下を持って計数管理をしていたこと。狙ったわけではないですが、気づくとそれなりに面白い人材になっていたようです。

おすすめの自己投資とは?

さて、実のところ俺はキャリア論に興味がないので、自己投資というテーマで語りたいのは、「どんな自己投資がおすすめか?」です。

これは本当にむずかしい。興味があることをやってみるしかないというのが俺の回答なんだけど、多くの人は無駄な時間を費やしたくないから、「ハズレ」にならない自己投資をしたいと思うんだろうな。

一時期、よく引用されたスティーブ・ジョブスの”Connecting the dos”も、最初から意味とか価値がある点をつくろうとして、点と点をつくる(そしてつなげる)という話ではないんですよね。そのときはよく分からないけどハマっていたこと、夢中になったことが、あとになって振り返ると思わぬところで結果的につながっていったというだけで。

そう、本当に自分の興味や関心、それが自覚できないのであれば心がワクワクすることをとにかくやってみればいいのである。どういうふうにそれがつながっていくかは分からない。だからとにかく、始めてみれば良いんだと思う。

それでもヒントを挙げるとすれば、「身につけると有用なスキルか、そうでもないか」「習得に時間がかかるか、短期間で可能か」というマトリックスで考えると良いかもしれない。この記事を参考にしてみてほしい。

そりゃ、「習得にそんなに時間がかからなくて、身につけると有用なスキル」を獲得するのが良いに決まっています。もし迷っているのであれば、対象をこの尺度で捉えなおしてみると良いのではないでしょうか。

その際には「時間がかかる」をどれくらいの時間感覚で捉えるかによって変わってきます。例えば友人もコロナ禍で習い事に取り組んでいるらしく(個人的にコロナ禍は習い事がベストな時間の使い方と思っている!)、その内容はフランス語と運転免許証の講習でした。めっちゃ良いっすよね。

これらは身につけるとまちがいなく有用なスキルです。ですが、数年は平気でかかる語学ほどではないにしても、運転免許証もすぐには取得できるものではないでしょう。少なくとも数カ月から半年は要します。何かを習得するにあたってはこれくらいのスパンを最低でも見込んだほうがいいかな? と思います。

週1回に1時間、1年間続けてみる

俺の感覚では、未知のものに対して50時間くらい真面目に時間を費やせば、他人から「うまいね!」と言われるレベルには達します。週1回に1時間だけ練習して、1年間で到達する練習時間の蓄積です。自分にセンスがなかったとしても、100時間を投入すれば、まぁ素人をけむに巻くくらいのレベルにはなれてると思います。

いまは絶好のチャンスです。こんなにも習い事をするのに適しているタイミングはないでしょう。俺は格闘技とボイトレを始めました。まったく有用とはいえないスキルで、習得に時間がかかります。キックボクシングとブラジリアン柔術は来年の10月でそれぞれ50時間、ボイトレは再来年の12月で50時間、その頃にどうなっているのか楽しみで仕方がないです。みなさんも何かを仕込む期間にしてみてはいかがでしょうか。数年後に大化けするかもしれませんよ。

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