漢方薬を中心とした一般用医薬品と医療用医薬品を販売するクラシエ薬品株式会社は、1年間を通して季節や流行に応じた漢方情報を発信する「2022年、日本が向き合う12のくらしの不調」の初回として、「“冷えストレス”と不眠」をテーマに、睡眠の実態調査を実施しました。調査結果の一部を紹介します。
約4割が平日の睡眠時間が6時間未満
まず、「あなたの平日の平均睡眠時間はどのくらいですか?」と聞いたところ、「5時間未満」「5時間以上、6時間未満」の合計が40.5%でした。
また、「コロナ禍(2020年〜現在)で筋力が低下したと感じますか?」という質問には「そう思う」「ややそう思う」の合計が56.5%でした。
調査を行ったクラシエ薬品は運動不足による筋力低下と睡眠の関係について次のように述べました。
「特に冬場の季節では、冬の寒さが体のストレスとなり自律神経が乱されてしまうなど、冷えが快適な睡眠を妨げて『睡眠の質』を低下させる傾向にあります。また、冷えの要因の一つに挙げられるのが、運動不足による筋力低下です。調査では、二人に一人はコロナ禍での筋力低下を実感していることが分かりました。筋肉量の低下は血行不良による冷えにつながることからも、特に筋力の衰えを感じている方は注意が必要です」
冷えストレスによる不眠の経験は?
「冷え症について伺います。コロナ禍(2020年〜現在)以降の、あなたの冷え症の状況について、最も当てはまるものをお答えください。(単回答選択式)」という質問には、「冷え症になったと感じる」もしくは「冷え症が悪化した」と回答した人は合わせて約2割で、コロナ禍が冷え症に影響を与えていることが分かります。
また約4割の人が「寒さでなかなか寝付けないことがある」と回答していることからも、“冷えストレス”が睡眠の質の低下につながる可能性も考えられます。
“冷えストレス”と睡眠の関係
これらの調査結果を受けて、同社は次のように述べました。
人間が日中活動をするためには、睡眠は必要不可欠です。睡眠中の体は、日中に消費したものを回復したり、体の不具合の修復、体の構造を支える物質をつくる作業など、活動のエネルギー源を取り戻すはたらきをしています。そのため、日中の活動量が増えると、同時に睡眠も増やす必要があります。
・ストレスと睡眠障害
一日の中で変動する自律神経系と睡眠は大きく関与しているとされています。人が眠気を感じるのは、ストレス神経である“交感神経”が優位な状態から、リラックス神経である“副交感神経”が優位な状態になり、体温が下がることによって起こります。しかし、ストレスが要因となり神経同士の優位状態の切り替えがうまくいかず、夜も交感神経が活発な状態のままになると、体は「不眠」や「いくら寝ても眠気を感じる」状態に陥ってしまいます。
・“冷えストレス”がもたらす睡眠障害
特に、冬場は“心理ストレス”のほか、“冷えストレス”にも要注意です。冷えストレスは心理ストレスと同様、睡眠にも障害をおよぼすとされています。
“交感神経”が優位な状況が続くと、血管が緊張状態により収縮し、全身の血の巡りが悪くなってしまい、体は冷え、睡眠が妨げられてしまいます。さらに、良い「睡眠の質」がとれないことで、日中も自律神経系が乱れ(交感神経が優位の状態)、冷え症が起こる悪循環にはまってしまいます。そのため、特にもともと冷え症の症状がある方は、症状の放置は禁物です。自律神経のバランスを整え、良質な睡眠をとることで、全身の血の巡りを改善することが最大のポイントとなります。
調査概要
調査対象:全国の20代~70代200名(有効回答数)
調査期間:2021年12月17日~21日
調査方法:インターネットアンケート