世界中から一生に一度はその絶景を見ようと観光客が大挙して押し寄せるお祭りが、タイ北部の都市チェンマイで11月に開かれます。しかし、そのお祭りのために、現地空港発着の100便以上のフライトがキャンセルされると発表されました。
熱気球「コムロイ」を放つ美しい夜空を目当てに外国人観光客が急増
そのお祭りは、毎年陰暦12月(新暦10月~11月頃)の満月の夜、タイ全国で行われる「ロイクラトン」です。川の恵みへの感謝の気持ちを表し、自らに宿る穢れを濯ぐため、ロウソク、線香、花などで飾られたクラトン(灯篭)を川に流します。
特に、チェンマイでは川に流すだけでなく、「コムロイ」と呼ばれる熱気球を夜空に放つのが特徴的で、その光景が美しいと評判を集め、近年、外国人観光客が急増しています。
毎年火事が発生、バンコクでは打ち上げ禁止
今年は11月5~7日の日程で行われるのですが、現地英字紙『バンコクポスト』によると、期間中は多数のコムロイが上空に飛ばされるため、18時以降キャンセルになるフライトが112便(国内線96便、国際線16便)に及び、さらに別の50便がスケジュール変更されているそうです。それにより、国際線、国内線あわせて旅客数が約1万9,000人減少するとみられています。
昨年は、1,419個のコムロイがチェンマイ空港エリアに落ちたそうですが、毎年、街中に落ちたり、樹木や家屋に引っかかったりして火事が発生するため、首都バンコクや近郊の工業地帯などではコムロイの販売や打ち上げが禁止されています。
(リプトン和子)