カナダのモントリオールで、家の前の階段に座っていた女性が、知らないうちにグーグルストリートビューに撮影されたことでショックを受け、グーグルを訴えていた裁判で、グーグル側に2,250ドル(約22万円)の支払いを求める判決が出たと報じられました。
職場の同僚からからかわれ退職
現地メディアなどの報道によると、訴えを起こしていた女性は2009年5月8日、自宅の前の外階段に腰かけて携帯電話のメールをチェックしていたところ、グーグルの車が通りがかり、彼女の家の画像を撮影していったということです。
ちょうど、彼女が携帯電話を覗き込んで、前かがみの姿勢になっていたため、胸の谷間がはっきりと写りこんでいたそうです。5か月後、女性はグーグルで自分が写っているストリートビューを見てショックを受けました。顔にはぼかしが入っていたにもかかわらず、気づいた職場の同僚からからかわれ、結局、仕事を辞めることになってしまったのだとか。
日本の最高裁は「個人を特定できない」と原告敗訴の判決
日本でも似たような訴訟は起きています。福岡市の女性が、下着などの洗濯物を撮影、公開されプライバシーを侵害されたとして、グーグルの日本法人に損害賠償を求めた訴訟で、今年3月、最高裁は女性側の上告を退ける決定を下し、女性の敗訴が確定しています。
一審の福岡地方裁判所は、「ベランダに写り込んでいるものが洗濯物であるかどうかは判別できず、個人を特定することはできない」として、プライバシーの侵害を認めず、二審の福岡高裁も一審を支持し、最高裁でも同様の決定が下されました。
その他にも、世界各地で訴訟が起こされており、様々な判決が出ています。今回、カナダの女性は結果的に勝訴しましたが、22万円というのは請求額のおよそ3分の1だそうです。
(リプトン和子)