古屋博子さんインタビュー・後編

「無駄に他人の発言に傷つかないで済む」自分の強みを知るメリット

「無駄に他人の発言に傷つかないで済む」自分の強みを知るメリット

自分の欠点ではなく才能に注目して強みにしていくためのアメリカ発のビジネス書『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』(トム・ラス著、日本経済新聞出版)が2001年の発売以来、2020年9月に100万部を突破しました。 *

出版元のギャラップ社は人の良いところを説明するための共通言語として「学習欲」や「共感性」、「戦略性」など「34の資質(才能)」を開発。オンラインでアセスメントを受けると自分の資質が分かり、その生かし方や磨き方がわかります。

コロナ禍で再び売り上げを伸ばしているという同書の翻訳者で、ギャラップ認定ストレングスコーチの古屋博子(ふるや・ひろこ)さんにお話を伺いました。

*2001年に出版された旧版『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう あなたの5つの強みを見出し、活かす』と2017年に出版された新版『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』の累計。

9784532321437

「頑張っているのに評価されないのはなぜ?」と思っている人へ

——後編では、具体的な職場の悩みにどうストレングス・ファインダーが役立つのかを伺えればと思います。「自分はすごく頑張っているのに評価されない」という悩みをよく聞くのですが、本人の評価と周りの評価が一致していないのでは? と思いまして。

古屋博子さん(以下、古屋):それに関しては二つ提案があります。一つは、自分が思っている自分をストレングス・ファインダーを使いながら深掘りしてみる。他人が見ている自分と、自分は知っているけれど他人には見せていない自分とのギャップを埋めていくイメージです。

例えば、自分はこう思っているけれど他人は違うことを言っているときに、「どうしてだろう?」と考えてみる。相手からのフィードバックをもらってもいいかもしれません。誤解やギャップが生まれているのはどの資質が関係しているのだろうか? と自分を客観視してみるのにストレングス・ファインダーを使えるかなと思います。そうすると個人攻撃をされている気にはなりません。一つ自分の資質という要素が入るだけで、「どの資質が誤解を招いているんだろう?」「足を引っ張っちゃっているんだろう?」と自分を俯瞰して見られるようになるんです。するとこれまで見えてなかった部分がクリアになるかもしれないです。

もう一つは、自分という人が分かっていると、他人から何か言われたときに、それが自分のすべてだと思わなくなるんですね。逆に自分の強みが分かっていないと相手の言うことをうのみにしてすべてを受け取ってしまってしんどくなってしまいます。

——それで自分は評価されていない、ダメなんだと思って転職してしまった人もいます。

古屋:そうですよね、「私はこんなにやっているのに」とそれが自分のすべてだと思ってしまうんですよね。でも、強みの軸がちゃんとあったり、自分のこんなところが良いところでモチベーションになっているというのが分かっていると、できない部分は自分の一つの側面でしかないと自分を相対化して見られるようになります。全体の一部と思えるので、「ではどう変えていこうか?」とか「自分を必要としてくれている人が絶対にいる」と思えるようになります。

——自分の良いところを知るってすごく大事なことなんですね。

古屋:学校の面談で1時間、自分の良いところを話してもらった記憶ってありますか? なかなかないですよね。でも、すごく大事なことなんです。持っているのに見えていないんです。

「なんでできないの?」が口癖のあなたへ

——これもあるあるだと思うのですが、例えば同じチームで働いているメンバーに「なんでこれができないの?」とイライラしちゃったり、逆に相手からそう思われていたりするのも、ストレングス・ファインダーを使って良い方向に持っていけるのでしょうか?

古屋:すごく分かりやすくなりますよ。例はたくさんあるのですが、よく言うのが「自分は仕事ができない」と思って会社を辞めようと思っている部下がいて、チームビルディングセッションをしてみたら上司の資質に「達成欲」があったんです。

達成欲って、完了したい資質なんです。毎日がゼロからスタートのように感じて1日が終わるまでに具体的に何かを達成したい。だから終わらせるまで寝ないし、週末だろうが休みだろうがおかまいなしにメールを送ってしまう。

そんな上司のせいで部下は自分は上司と比べて仕事ができないと思っていたけれど、これは上司のニーズなんだと気付いたんです。一方、上司のほうは自分とみんなは違うと気付いた。そこで週末はメールを控えるようになったり、部下も自分の上司は達成欲があるからチームの生産性が高く保たれているんだなと気付き、感謝できるようになったそうです。

別の例ですが、こんな話もあります。チームの中で花形プレイヤーがいてそれに比べて自分はと思っていたのですが、チームビルディングセッションをやったら、自分の持っている資質がチームで唯一と分かったんです。自分がいないとチームが大変なことになると分かってすごく晴れやかな顔になった方もいらっしゃいました。

——自分の強みを生かした役割があると思えるようになったんですね。

古屋:そうなんです。だから自分は毛色が違うと思ってたり、つい花形や目立っている人と比べたりしていたのが、自分の強みや役割が分かったおかげで他人に嫉妬しなくなったという方も多いです。それまではすごく張り合っていたのが張り合わなくなったとか。

これもある方の例なのですが、後輩たちが力をつけて焦りを感じていた女性がいたのですが、コーチングセッションで判明したのは、後輩たちが力をつけて伸びてきたのは彼女の姿を見ていたからだったんです。彼女の「学習欲」に刺激されて部下は伸びたんです。

——実は自分が育てていたのですね。

古屋:彼女は「ポジティブ」という資質も高くて、後輩たちが楽しく仕事ができる環境を整えていたんです。

部下と上司間でも夫婦間でも、相手の見えてなかった内面を見ようとしたり、聞こうとしたりするのが大事です。一つの共通言語として、相手の見えてない部分や表面的ではない部分に理解してみようと使うとうまくいく例が多いです。前編でもお伝えしましたが、それが分かると、自分が自分らしくあることも、他人が他人らしくあることも受け入れられるようになります。

——やっぱりセッションを受けたほうが自分のことが明確になるのでしょうか?

古屋:結果が出るのが早いとは思います。元々、アメリカでクライアントさんのパフォーマンスを伸ばすために開発されたものなので、ギャラップのコーチが一対一のコーチングをするのが前提だったんですね。その効果が大きかったので多くの人に自分の資質を知ってほしいと一般公開されたんです。もちろんコーチングセッションを受けられたらいいのですが、難しい場合はまずは自分の結果を知って自分を知る入り口に立ってほしいなと思います。

■お知らせ

6/15(火)20時から開催される「日経ビジネス ウェビナー」に古屋博子さんが登壇します!
詳しくは「日経ビジネス ウェビナー」ページをご参照ください。

(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子、写真:稲垣純也)

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