イベントが多くなり、写真を撮る機会も増える年末年始シーズン。スマホのフォルダに大量の写真を保存している人も多いのではないでしょうか。ところが、写真を撮りすぎるとかえって記憶が薄れてしまうという研究結果が明らかになったそうです。
カメラより自分の目で見た方が記憶に残る
アメリカの『サイコロジカル・サイエンス』という雑誌に発表された心理学の研究結果によると、博物館のツアー参加者を、カメラで撮影しながら見学するグループと、カメラを持たずに見学するグループに分けて調査した結果、カメラを持たないグループの方が展示物について正確に記憶していたそうです。
確かに、撮影可能な博物館やイベントなどで「撮っておかなきゃ!」という気持ちに駆られてたくさん撮ったものの、後から見返してみるとそれほど記憶に残っていなかったという経験は思い当たります。旅先なら、観光名所や美しい街の風景などのベストショットを撮ろうと、アングルやズームを変えながら同じものを何度も撮影してしまいますよね。カメラで記録に残す行為が、かえって自分自身の記憶を薄れさせてしまうとは、皮肉な結果です。
「見逃したくない」という恐怖心
何か楽しいことや大事なことを見逃してしまうことに対する恐怖心のことをFOMO=“Fear Of Missing Out”といいます。たとえばFacebookやTwitterを四六時中チェックせずにはいられないなど、あなたも身に覚えがあるのではないでしょうか?
なんでもかんでも写真で記録したがる行為もこのFOMOによるものだと考えられますが、写真に収めてもそれは心に残るわけではありません。本当に大事な、記憶に残したいシーンでは、スマホを脇において、自らの目にしっかりと焼き付けてみてはいかがでしょうか。そのほうが、あなたのその後の人生にとって、より実りある記録となるかもしれません。