「ビル・ゲイツ」、21世紀に生きる現代人なら、誰もが彼の名を知っているでしょう。言わずと知れたマイクロソフト社の創業者です。ビル・ゲイツは、実業家としての顔だけでなく、ほかにも様々な活動を行っています。そのうちの一つ、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(メリンダは妻の名)が、次世代コンドームの開発に10万ドル(日本円で約1,000万円)の出資を行いました。
コンドーム開発への出資は性感染症予防目的
財団の目的は、エイズを発症させるヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染予防です。セックスにおけるコンドーム装着は、HIVのみならず様々な性感染症感染を予防することができます。にも関わらず、快感が損なわれるという理由で、コンドーム未装着でセックスに臨む男女は非常に多い現状です。同財団は、何も着けていないかのような性的快感を保持したまま、なおかつ破れにくい次世代コンドームを目指しています。
性感染症予防はまず検査を受けることから
ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団がコンドーム開発に出資したということは、世界的にも性感染症予防への意識が強まっている証しと言えるでしょう。これを機に、性感染症予防への関心が高まることが予想されます。
とは言え、いきなり婦人科を受診することに対して抵抗感を持つ女性もいるでしょう。
そこでオススメしたいのが、郵送検査サービスです。今回、筆者が利用したのは、「STDチェッカー タイプP」という女性用の検査キット。知らないうちに感染し、自覚症状がないこともある「クラミジア」及び「淋菌」の感染を手軽に調べることができるセットです。お値段は9,200円+消費税。決して安くはないですが、感染に気付かず過ごし後々取り返しのつかないことにならないよう、セックスを楽しむ成人女性にとっては必要経費と考えて良いでしょう。
検査キットとはバレずに受け取れる
さっそく検査キットを体験してみました。まず、検査キットの送り状には、クラミジアだの淋菌だの、性感染症を連想させる文字は一切なく、「日用品」と記されています。まさか宅配便のお兄さんも、このダンボールが性感染症の検査キットとは気付かないでしょう。アダルトグッズの通販と同じ感覚ですね。バイブレーターや電マを購入する際も、「極太なんちゃら」だなんて書かれてある送り状が届くことはありえないですから。
名前も住所も電話番号も必要ナシ!
梱包を解き、いきなり検査……ではなく、まず申込書を書きます。住所・氏名・電話番号を記載する欄は一切なく、自分で決めたIDとパスワード、そして性別・生年月日・採取日だけを書き込みます。シンプルイズベストですね! 検査結果は、返送後にインターネットで確認するシステムです。その際に、IDとパスワードが必要というわけ。現代的です!
うがい液の採取
申込書を書き終えたら、いよいよ検査です。まずはうがい液の採取から。水道水ではなく、専用のうがい液でうがいするのですが、食塩水に近いような味でした。付属の紙コップにペッとして、紙コップから返送用の容器に移します。不器用な筆者でもラクラクできたので、誰でもカンタンにできるでしょう。学生時代の理科の実験のような感覚で、ちょっと楽しかったですよ。
長い綿棒で膣内の検査
続いて、膣分泌液を採取します。耳かきの綿棒の倍くらいある長~い綿棒(カルポーター)を膣に挿入し、グリグリ回転させて膣分泌液を拭います。感覚的には、タンポンを使用する際の挿入感に似ているような……いや、タンポンよりもだいぶ細いので、どなたにとっても挿れやすいと思いますよ。もちろん痛みも一切ナシです。
以上で検査は終了、返送用の封筒に入れて、ポストから投函します。わずか10分程度でしたが、性感染症予防を身近に感じることができました。郵送検査サービスを受けることで、婦人科での直接検査に対するハードルも、だいぶ下がることと思います。
「婦人科を受診したい……でも躊躇している」という人は、まず郵送検査サービスでエンジンをかけてみては。検査内容によってかかる日数は異なりますが、結果が判明するまで、注文からおよそ1週間。もちろん陽性反応が出たらすぐに婦人科へ。陰性でも今後の予防を考えるきっかにしてはいかがでしょうか。
取材協力 STD研究所