リンパケアで在宅勤務こりを改善/第1回

歯が痛いのは肩こりのせい? あごを脱力してほぐす方法は?【専門家が教える】

歯が痛いのは肩こりのせい? あごを脱力してほぐす方法は?【専門家が教える】

むし歯じゃないのに歯が痛い…肩やあごのこりが原因かも

「歯が痛いので歯科を受診したけれど、歯は悪くない。あごや顔、肩のこりが原因と言われた」という読者の悩みが届きました。

取材協力・監修:江上一郎氏。歯学博士。専門は口腔衛生・歯科口腔外科。江上歯科(歯科、歯科口腔外科、口臭外来、予防歯科、小児歯科)院長。日本歯科医師会会員。日本口腔衛生学会永年会員。日本口臭学会口臭認定医。日本糖尿病協会会員。大阪市学校歯科医会北区大淀支部長。日本学校歯科医会歯科校医永年勤続表彰。「口腔は全身の健康の玄関」「口腔ケアのカギは唾液」を掲げ、歯科検診などの地域医療、歯科教室など自治体や学校、自院、各種メディアで口腔ケア啓発イベントを多数開催、多方面で活動中。 著書に『すべての不調は口から始まる』(集英社)。江上歯科:大阪市北区中津3-6-6

取材協力・監修:江上一郎氏。歯学博士。専門は口腔衛生・歯科口腔外科。江上歯科(歯科、歯科口腔外科、口臭外来、予防歯科、小児歯科)院長。日本歯科医師会会員。日本口腔衛生学会永年会員。日本口臭学会口臭認定医。日本糖尿病協会会員。大阪市学校歯科医会北区大淀支部長。日本学校歯科医会歯科校医永年勤続表彰。「口腔は全身の健康の玄関」「口腔ケアのカギは唾液」を掲げ、歯科検診などの地域医療、歯科教室など自治体や学校、自院、各種メディアで口腔ケア啓発イベントを多数開催、多方面で活動中。 著書に『すべての不調は口から始まる』(集英社)。江上歯科:大阪市北区中津3-6-6

『すべての不調は口から始まる』(集英社新書)の著者で江上歯科(大阪市北区)の江上一郎院長(歯学博士)に尋ねると、「歯痛の中には、歯が原因ではない場合があります。そのひとつが、筋肉や筋膜の緊張による『筋・筋膜性歯痛』です」と話し、こう説明を続けます。

「歯の検査、診察をして判断しますが、『新型コロナ禍でリモートワークが半年間続き、1日の大半をパソコン作業に費やしている。歯痛のうえに肩こりと腰痛がひどく、あごの動きも悪い』『歯も耳の中も痛い』『歯とこめかみがずきずきする』と訴える人もいます。

とくに、噛(か)むために必要な筋肉の咀嚼(そしゃく)筋のこりや緊張、ストレスなどで無意識に歯を食いしばっていると、むし歯や歯根の病気でなくても歯がずきずきと痛むことはよくあります。咀嚼筋とは、食事や会話などで下顎の骨(下顎骨・かがくこつ)の動きに関わる筋肉の総称です。咬筋(こうきん)、側頭筋(そくとうきん)などがあります。

これらの筋肉と筋膜の緊張が原因である場合、歯は1本だけではなく複数が痛む、また、ときによって痛む歯が変わるということもあります」

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筆者も同じことを歯科で言われたことがあり、鎮痛剤でだましだまし過ごしていたところ、「鎮痛剤はそのときだけ痛みを解消しますが、やがてまた同じ痛みが出て慢性的に悩まされることになりかねません。かなりつらいと思います。

思いあたる場合は口腔外科を受診しましょう。咀嚼筋や肩、背中の筋肉の過度な緊張を改善する必要があります。治療には、薬の服用やマウスピースの使用、理学療法であるあごと口腔、首、肩などのストレッチや軽い運動、姿勢矯正、低周波や超音波治療、温熱療法などがあります。また、患者さんご自身が、食いしばりを避ける、姿勢を正す、パソコンやスマホに集中しすぎない、軽い運動やストレッチをするなども重要です」と江上医師。

あごと口の周囲のこりに着目してリンパ液の巡りを促す

そこで、こうした痛みを自分でケアする方法のひとつとして、江上歯科口腔ケア研究室室長で「さとう式リンパケア」のインストラクターでもある江上浩子さんに、あごや顔、肩から腰、足まで全身のこりの改善法を連載にて教えてもらいましょう。今回は、実践にあたっての目的やタイミング、またあごのこりをゆるめる基本ケアを聞きました。

はじめに江上さんは、リンパケアについて次のように説明をします。

「さとう式は、歯科医の佐藤青児氏が顎(がく)関節症の治療の過程で考案されました。咀嚼筋などに着目し、体液のひとつである間質液(組織液、細胞間液)の循環を促してこりを改善する方法です。間質液とは、ケガの傷口や、やけどのときにできる水ぶくれの透明な液体を思い起こすとわかりやすいでしょう。血液中の液体成分である血しょうが毛細血管から染み出し、細胞と細胞の間を巡る無色かやや黄色みを帯びた体液のことで、リンパ管を通るリンパ液とほぼ同じ成分です。

リンパ液と聞くとリンパ管内を通る液体をイメージするかもしれませんが、私たちは間質液のほうを重要視しているので、こちらをリンパ間質液と呼んで区別しています」

次に、ケアのポイントとして、
「肩や背中の筋肉は咀嚼筋からつながっています。つまり、痛みの原因となるこりを改善するカギは、あご、口、耳の下、こめかみの周囲にある咀嚼筋やその筋膜の緊張の緩和にあります。まずはあごを脱力し、次に硬くて老廃物が流れにくくなった筋肉をそっと揺らして微振動を与え、口から肩の周囲をはじめ、全身を巡る間質液の循環を促します」と江上さん。

下あごをゆらして脱力する「あごこりケア」

リンパケアには複数の方法があるとのことですが、「今回はまず、『あごの力をぬく』という感覚を体験してもらいましょう。いつ行ってもいいのですが、パソコンやスマホの操作の合間、歯磨きのついでに、バスタイム、寝る前、食後、ストレスフルなとき、またあごや肩こりが原因で歯が痛むときなどには意識をして次のことをしてみてください」(江上さん)

<あごゆらゆら> あごと耳の下、口の周囲の咀嚼筋をゆるめる

(1)奥歯が噛(か)み合わないように、下あごの力をゆるめます。よだれが出るぐらいのイメージで、下あごを重力にまかせてだらんと下げるように力をぬきましょう。唇は合わせたままでも、少し開いてもかまいません。

(2)下あごの力をぬいたまま、下あごを軽く前に突き出し、次に後ろに引っ込めます。前後往復4回。決して力を入れてはいけません。

200913_あごゆらゆら前後

(3)下あごの力をぬいたままで軽く前に突き出してから、左右に動かします。往復4回。

200913_あごゆらゆら左右

(4)(2)(3)を1セットとして、3セットをくり返す。

「いかがでしたか。患者さんの中には、これができない人もいらっしゃいます。このあごゆらゆらがスムーズにできない、違和感を覚える場合は、『食いしばっているかも』『肩こりの原因はあご?』『歯痛の原因はこれ?』と考えて、まずはことあるごとにあごの力を抜いてみてください」(江上さん)

聞き手によるまとめ

あごの力を抜いて、前後左右に4回ずつ揺らす……これだけで、たしかに口や肩から背中まで力が抜けてあご周囲が楽になったように感じます。この脱力体験で、日ごろから無意識にあごや肩に力が入ったまま過ごしているのだな、ということに気が付きました。歯を食いしばっているつもりはまったくなかったのですが、もしやそのくせがあるのかも…とも思います。お試しください。

次回・第2回は、さらにあご、首、肩のこりのリンパケア法を紹介します。

(構成・取材・文 品川 緑/ユンブル)

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