YouTubeにアップされて3日で200万回以上再生されている動画が米国で話題になっています。29歳の女性ブリタニー・メイナードさんと、その夫や母親が語る6分半の映像です。
悪性の脳腫瘍で余命6か月宣告
ブリタニーさんは、結婚して1年しかたっていない今年1月、ひどい頭痛をきっかけに悪性の脳腫瘍と診断されました。手術を受けたものの、3か月後に腫瘍はさらに大きくなっており、余命6か月と宣告されました。そして彼女は、夫の誕生日の2日後の11月1日に自ら死を選択することにしました。
米国ではオレゴン、ワシントン、モンタナ、ヴァーモント、ニューメキシコの5つの州で安楽死、すなわち「医師による自殺ほう助」が合法化されています。
彼女は残された時間を安楽死の合法化拡大の運動のために捧げています。そのメッセージがこの映像に込められているのです。
安楽死のためスイスに渡航する外国人が急増
米国の5州以外で安楽死が認められている国は、スイスやオランダ、ベルギーなどがあります。なかでも古く1942年から合法化されているスイスは、いわゆる“自殺ツーリズム”の場所になっており、安楽死を遂げるために渡航する外国人が急増しているそうです。2008年は123人だったのに対し、2012年は172人と4年間で1.4倍になっていると報じられました。
日本では安楽死は認められていません。ブリタニーさんは、痛みに苦しむことなく、自分の生き方を選びたいという意志を貫いています。映像のなかで自らの考えを述べる表情は堂々としていて、とても冷静です。自分の生き方を自分で選ぶ、その究極が自分の最期を自分で選ぶということなのかもしれません。
(リプトン和子)