9月29日から放送がスタートしたNHK連続テレビ小説『マッサン』。このドラマはニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝とその妻の実話をもとにしたストーリーなのですが、 妻が外国人であるという国際カップルの設定に、今までのNHKドラマにない新しさが感じられます。
その妻とはスコットランド人であり、かつ大正時代の国際結婚とあって当時二人が経験した大変さが想像できるのではないでしょうか。
彼が外国人であるから結婚するのではない
というのも筆者自身、国際結婚をして外国に住んでいるから余計にそう思ってしまうのかもしれません。私は日本で婚活をしたものの相手がいっこうに見つからず「日本を出て世界で相手を探せば選択肢が一気に増えるのでは?」と思い、本当に世界で婚活の旅に出て立ち寄ったパリで今の旦那(フランス人)と出会い結婚しました。
こう話すのは簡単ですが、いざ国際結婚をすると決めた時は将来のことを考えるとぞっとしてしまいました。なぜなら、日本を離れて慣れない海外に一生住むということを初めてそこで想像したからなのです。
不安でパニックになりつつあった私を落ち着かせるために、白いノートにボールペンで線を引き、これからのライフプランをいくつかの可能性を交えて解説してくれたのは旦那でした。そして、彼は「とりあえず結婚までにすべき準備をひとつひとつこなしていくのが不安を解消する方法じゃない?」と、言ってくれたのでした。
この時に思ったのは、彼が外国人であるから私はこの人と結婚するのではないなということ。「彼が彼であるから結婚するのだな」ということでした。
習慣や考え方の違いに戸惑う
実際に外国人と結婚して、最初は戸惑うことももちろんありました。例えば、毎日日本食を食べたい私に反して、彼はなんでも生クリームを足してフレンチ風に料理をしてしまうとか、はっきりとお互いの気持ちを伝えなければ、ただでさえ外国語で話し合うので通じにくいこと。特に私が疲れたときは外国語を話すのは辛くなるし、勘違いも起きやすく、それが原因でケンカも多くなったりすることです。
ヨーロッパ圏内で見かける日本と外国のカップルは圧倒的に日本人女性と各国男性の組み合わせを多く見かけます。話を聞いてみると、やはり私と同じく「日常生活の中で『日本だと普通』のことが普通でない、習慣や考え方の違いに戸惑う」というのはよく聞きます。
一方で、ある仲良し国際カップルに、国際結婚のよさについての興味深い話をしてくれたことがありました。
「お互いに『違い』があることを既に知っている私たちはラッキー」
つまり、お互いが既に違うことを知っているからこそ、分かり合おうという前提で関係を持てるということです。
「分かり合っているつもり」「この人なら私のことを分かってくれる」という勘違いカップルが離婚に至るのは簡単に想像ができます。
日本人カップルの友人から話を聞いていると「そんなことも夫婦で話し合ってないの!?」と驚かされることもありました。
日本人でもフランス人でも「理解できない」ことには変わりがない
日本人、外国人、どちらと結婚するのがいいか? という話にはしたくないのですが、要は、日本人の男性であっても、女性の私が100%理解できることは不可能だということです。それがフランス人になろうと「理解できない」ことには変わりがないと私は思っているのです。
外国人と結婚することのデメリットと思われる点も多くあるけれど、デメリットすらもメリットに捉えるのは自分次第なのです。
これだけインターネットの普及が進み、「グローバル」という言葉が浸透しているにも関わらず、いかに日本人がまだまだ外に出ることを「おおごと」だと思っている人が多いなと、日本の外に出てみると強く感じます。
外国人パートナーと出会い、生活することは色々な大変さもあるけれど、それとまた同じくらい楽しいこと、うれしいこともあるのも事実です。
お互いを理解しようとできる相手、一緒に人生を歩んで行きたいと思える相手を見つけるために、海外に目を向けることは人生の選択肢を一気に広げることにもなるのです。
もし、日本の婚活に疲れたなら、世界に目を向けるのも十分にあり得ると思います。