口臭の原因をつきとめてセルフケア・第1回

口臭の原因はアレだった! 自分で確認する方法は?【歯科医に聞く】

口臭の原因はアレだった! 自分で確認する方法は?【歯科医に聞く】

マスクをすると口元からなにやら異臭が……、自分の口臭を感じてがく然としたことはありませんか。「口臭は口内ケアの中でも、世代に関わらず興味関心を持たれる分野です」と話すのは、『すべての不調は口から始まる』(集英社新書)の著書が話題で、口腔衛生や口臭に詳しい江上歯科の江上一郎院長。この機会に口臭の原因をつきとめてどうにか自分でケアをしたく、連載で詳しくお尋ねします。

江上歯科の江上一郎院長

江上歯科の江上一郎院長

口臭の発生源の多くは「舌苔(ぜったい)」

——口臭に医学的な定義はあるのでしょうか。

江上医師:日本口臭学会は「本人、あるいは第三者が不快と感じる呼気の総称」、厚生労働省は「口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭」と定めています。

——口臭の原因は何なのでしょうか。だ液が関わると聞きましたが……。

江上医師:口臭の直接の原因となるのは、口の中にいる細菌の一部です。口の中には、約500種類、1000億個もの細菌がいると言われています。その中に、口臭の原因となる細菌が存在するわけです。

なぜにおいが強くなるのかというと、だ液が減って口の中が乾いていることが挙げられます。だ液は口の中を清潔に保つ自浄作用や抗菌作用がありますが、疲れているとき、風邪や胃痛など病気のとき、また緊張しているときや精神的ストレスがあるときは、自律神経のバランスが乱れてだ液の分泌が減ります。すると口の中で細菌が増えていきます。

そして医学的な研究で、口臭の原因は、細菌が発する気体の揮発性硫黄化合物(きはつせいいおうかごうぶつ)が87パーセントであることがわかっています。その主要成分は、口の中に何らかの原因がある場合に発生する硫化(りゅうか)水素、歯周病が原因で発生するメチルメルカプタン、歯周病がある場合に発生するジメチルサルファイドの3種類です。

硫化水素は卵が腐ったようなにおい、メチルメルカプタンは魚や野菜などが腐ったようなにおい、ジメチルスルフィドは生ごみのようなにおいがします。口臭は、これらが混じり合ったにおいなので臭く感じるわけです。

——自分の口の中でそれらの気体が混じり合っているということですね。そう聞くだけでにおってきそうですが、それらはどのようにして口の中で発生するのでしょうか。
江上医師:口の中の常在細菌のうち、酸素を嫌う嫌気性菌(けんきせいきん)は、口内のはがれた粘膜や血球の成分、死んだ細菌、食べかすを分解や腐敗させてエサにしています。その過程で発生します。そのため、口内の嫌気性菌をにおい菌と呼ぶことがあります。

その大半は、歯周病がある部位と、舌苔(ぜったい)から発生します。舌苔は、舌の表面を覆うように生えている白や黄色の苔状のものです。そして、口臭の発生源の多くは舌苔であることが明らかになっています。

舌苔はにおい菌のエサとなって口臭の原因に

——舌苔とは具体的にどういったものなのでしょうか。

江上医師:舌の表面は、ざらざらとしていて小さなでこぼこがあるでしょう。それは乳頭と呼ばれる突起状の組織に覆われているためです。舌苔とは、その部分に食べかすや細菌、口内の粘膜がはがれたものが白や淡黄色の苔状の物質になって付着し、溜まったものを指します。舌苔はにおい菌のエサになるので、悪臭を放ちます。

とくに起床時や、胃腸の調子が悪い、風邪をひいている、熱があるなど体調不良の際には舌苔の付着が増加する、また黄色みや赤みを帯びた色などに変化します。

舌

毎日、舌苔の様子を鏡で観察しよう

——そういえば、自分でも舌に何かついているなと思うことがあります。

江上医師:マスクをして口臭が気になったなどの自覚があれば、鏡で自分の舌をチェックしてみましょう。舌がピンク色で、少し薄く白い苔が付いている場合は健康でにおいもしないでしょう。

わかりにくい場合は、ガーゼや白いハンカチ、コットンを少し水で濡らして、舌の表面をそっと拭ってください。ただし、舌はデリケートで味覚を感じる部位ですから強くこすってはいけません。

薄い黄色が付着していたら、舌苔があります。厚みのある白色、黄色みを帯びている場合は、口臭の有無とともに体調不良ではないかを考えてください。

舌苔の変化にもっとも気づきやすい方法は、毎日舌の状態を確認しておくことです。体がしんどいとき、口が乾いているときには舌苔が目立つので、健康管理にもなります。朝と夜で付着の様子が違うこともよくあります。起床時と就寝前の歯磨きタイムのついでに毎回確認していると、いずれ変化と体調不良に気づくといった発見があるでしょう。

聞き手によるまとめ

口臭の原因は、口の中の常在菌が口内の粘膜や食べかすをエサにするときに発する3種の気体が混ざったにおいだということです。その発生源は舌苔であり、体調によって舌苔の色や付き方は変化するので毎日観察しておこうというお話しでした。

舌苔の観察は、口臭の状態をはじめ、自分の口の中で起こっていることを反映するようです。口臭の原因が分かったところで、次回は自分でできる舌苔のケア法などについてご紹介しましょう。

(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)

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