新しい恋人と付き合い始めたばかりの厄介事といえば、互いの『恋愛常識』の擦り合わせではないでしょうか。20歳そこそこの若い頃ならまだしも、社会の中で生きてきて、30歳を回れば、自分なりの価値観が出来あがり、その中で自らが作り上げた『常識』も固まってきます。ある程度の距離を置いた付き合いが求められる友人や会社の同僚が相手ならば、その『常識』に従い、時に折り合いをつけて付き合っていけばいいのですが、プライベートを分け合うことになる恋人が相手では、なかなかそうもいきません。
週末の過ごし方や、一晩共に過ごした翌日の起きる時間に始まり、一回の食事に幾らを費やすか、はたまたイベント事は何をしてどう過ごすか……今まで築いてきた互いの『恋愛常識』を擦り合わせていく中で、不本意ながらもどちらかが妥協したり、譲ったりしていかなくてはなりません。では、30代独身男性の『恋愛常識』とはどんな程度のものなのか。連載最終回になる今回は30代独身男性の『恋愛常識』をリサーチしてみました。
LINEの既読スルーには寛大に
今やスマホ持ちの中では、メインの連絡ツールといっても過言ではないLINEのメッセージ。可愛さをアピールしたい時はもちろん、忙しい時にもさっと送れて便利なスタンプ機能は働く女性にとっても重宝ですが、メッセージを読むと付く既読マークは、便利である反面、仕事など忙しくて返事が出来ない時には、正直、余計ともいえる機能だったりもします。もちろん、反対に「既読になってるのに、なんで返信をくれないの?」とモヤモヤしてしまう女性もいるでしょう。では、アラサー男性の意見はというと――。
「おはようからおやすみまでLINEでやりとりなんて、絶対に無理。そもそも、挨拶に対価を求められるのって変じゃない? 逆に既読スルーされてもこっちは気にしない」(34歳・出版)
「挨拶LINEそのものをあんまりしないからな。求めてきたら返してもいいけど、返せないことがあることもわかって欲しいし、そんなことで怒られたくない(笑)」(38歳・流通)
と、チャットのようなやり取りは、基本、30代男性には好まれない様子。
「好き嫌いはともかく、実際問題、仕事が忙しくて付き合えない……」(31歳・情報サービス)
というのが現実もあるようなので、付き合いたてで舞い上がってしまう気持ちはわかりますが、『既読スルー』は優しい心でスルーしてあげたいものです。
頻繁な電話はあまり歓迎されない
では、もはや旧式コミュニケーションツールの代表、電話についてはどうでしょうか。
「『声が聞きたかった』とか言われても『あっ、わかった』って思って、すぐに切りたい。もう聞いたからいいじゃん、って思う(笑)。業務連絡以外の電話って無駄だよね」(39歳・アパレル)
「一緒に住んでないのに、『帰る時は連絡して』とか、『今どこにいるの?』とか所在の確認だけのやりとりは、信用されてないって思って嫌だなって思うかな」(35歳・代理店)
とこれまた、あまり歓迎されない様子。
「互いにそれぞれの世界があるわけで、会ってない時間は自由に過ごしたい」(38歳・自営業)
というのが、30代独身男性の『恋愛常識』のようです。
誕生日プレゼントにはこだわりが……
クリスマスにバレンタイン、ホワイトディと、カップルには1年通して様々なイベントが訪れますが、なんといっても、一番特別感のあるお祝い事と言えば誕生日。しかし本当に欲しいものや必要なものは自分でも買えるし、無難な貴金属や鞄も年相応のものとなると、人から貰うにはちょっぴり高価で腰が引ける……。そんな悩ましいプレゼント問題について、30代独身男性はどう考えているのでしょうか。
「5万円とかなら……まぁ頑張れるけど、でも、基本的にプレゼントはこれ欲しいって言われたくない」(38歳・派遣)
「プレゼントに掛ける金額は、その時幾ら持っているかによるけど、そもそも『これが欲しい』とねだられたら、ちょっと嫌だなって思う。それが安いものとかだったら『じゃあ、俺が考えていたプレゼントにプラスで』ってなるけど、こっちの気持ちであげたいものもあるし」(37歳・飲食)
「『自分があげたい』と思ったものだったら値段関係なくあげたいなって思う。ちなみに装飾品や鞄よりも実用品のほうがあげたいな」(36歳・販売)
と、こだわりは値段よりも品物にあるという結果に。『何をあげたらいいのかわからなくて、悩ませても可哀想だから』と先回りに深読みしてプレゼントのリクエストをする必要はまったくないようです。
誕生日のディナーには太っ腹!
では、誕生日のディナーはどうでしょうか。
「年に1回のことだから、リクエストがあれば頑張る。例え10万のフレンチって言われてもなんとかする。やっぱりそこは記念だから」(35歳・企画制作)
「基本的には予算は1万から2万だけど、『大好きな小説のモデルになった店に行ってみたい!』とかなら、その夢は叶えてあげたいなって思う」(34歳・営業)
と、これまた太っ腹な意見が。しかも、こちらはリクエストも可能なようなので、恋人と行ってみたいお店があれば、おねだりしてみるのもいいかもしれません。
それにしても、プレゼントにしろ、ディナーにしろ、『ひょっとして男性のほうがロマンチックなのでは』という印象。どうやら、やはり働き盛りゆえにマメにLINEや電話をするのはシンドく、平日につい「冷たい」と言われても仕方のない行動を取ってしまうようですが、だからといって、貴女を大切に思っていないわけではない、という30代男性の『恋愛常識』を知っておくと、見当違いのことで悩んだりしなくて済むようです。