人生リセット!“煮詰まり女子”は島生活

日本には6,800もの島があり、有人島は約400程度と言われています。では、本屋があるのは果たしてどれぐらい? それを自分で確かめるべく、私は2005年より島にある本屋を訪ね歩いています。今までに行ったのは23島。うち22島については、『離島の本屋』という書籍にまとめました。

ということで10年近く離島での取材を続けていることもあり、「移住するならどこがオススメ?」という質問を、頂くことが時々あります。確かに、仕事はあるものの先が見えなかったり、非正規雇用で将来が不安で、「いっそのこと人生をリセットしたい!」なんて感じている「煮詰まり女子」の皆さんにとって、ほっこりゆるい(と思われる)離島での生活は、一筋の光のように見えるかもしれません。

    長寿で健康なお年寄りばかりが住む幸せな島が、ギリシャにあった!

そんな「島で生活してみたいの!」という人へのヒントになりそうなのが、『ハッピー・リトル・アイランド』というドキュメンタリー映画。3人に1人は貧しく、若者の半分は無職。希望を失った「ロストジェネレーション」と呼ばれる若者たちは、海外に逃れたいと考えている……、ってこれどこの国の話? 正解は日本ではなくギリシャ。でも思わず、「わかる~」と頷いてしまった人も多いのではないでしょうか? 

不景気すぎる首都アテネを離れ、エーゲ海に浮かぶイカリア島に国内移住する、35歳のトドリスと彼女のアナ。イカリア島は石垣島より少し大きい255.3平方キロメートルあり、人口は約8,300人。血液サラサラで健康なご長寿さん達が、幸せな日々を送っていると言われています。フランスの通信社AFPも2011年、「欧州各地では全体の0.1%程度に過ぎない90歳以上の人口が、イカリア島では10倍の1.1%に上る」ことを取りあげ、「長寿の秘訣は魚とコーヒー、そしてシエスタだ」と伝えています。

自然が豊かでわずかなお金で生活でき、島の人々は集まってはパーティーを開いたり、おしゃべりに興じたり……。都会に疲れた30代にとってはまさに夢のような島だけど、当然現実は甘くなかった。貯金で手に入れた家はまさに廃屋。野菜作りを始めるも、雨不足で枯れてしまった。そして島での生活はゆるいどころか、意外とやることだらけ。それもそのはずで「島にはものが少ない」のだから、必要なら作るかもらうしかない。お金がなくても生活できるのは、買うものがないからだったのだ。そんな日々のなか、トドリスとアナの間にもすれ違いが起きて……。

でも、2人は気付きます。島で暮らすために必要なのは「達観すること」だと。そこからそれぞれに答えを見いだし、周囲の人達と交流しながら、島で生きることを決意します。

    TSUTAYAもスタバもないなかで、生きるために必要なのは「達観」

確かに日本でも、ほとんどの離島にはTSUTAYAもなければスタバもない。ヘタすりゃコンビニすらない環境の中で、「なければしょうがない」と達観するって実はとっても大事なこと。そして自分でできることと、誰かができることを交換するための、相互扶助精神を持つことも不可欠。そのためにはプライバシーを守るよりも、人との関わりを持つことに積極的にならなければ、島での生活は厳しいかもしれません。

とはいえ、無理しなくても大丈夫。できることから始めて、そして途中で投げ出さなければ、深い海の青と濃い緑の木々、そして島の人達はきっと寄り添ってくれるはず。そんなことを教えてくれる『ハッピー・リトル・アイランド』は、10月11日から渋谷アップリンクにて公開予定。オフィスやカフェでの市民上映会もできるそうなので、興味があれば film@unitedpeople.jp まで問い合わせてみて。

朴 順梨

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