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2013/12/03

ひろゆき氏の質問状に日本ユニセフが反論

最近、やたら目にする日本ユニセフの「フィリピン台風緊急募金」の広告。2ちゃんねる元管理人・西村博之氏が、日本ユニセフ協会大使アグネス・チャン氏に対し、「募金額の一部をマージンとして取る日本ユニセフではなく、募金額の100%を送ることができるユニセフ親善大使の黒柳徹子さんを募金先として推薦すべきでは?」といった内容の公開質問状を出したことで、ネット上で大きな話題を呼んだ。

果たして実情はどのようになっているのだろうか?

「フィリピン台風緊急募金」は、本当に中間マージンを取っている?

日本ユニセフは日ごろから途上国で貧困にあえぐ子どもたちへの支援活動のために募金を募っており、そのうちの19%を日本ユニセフの運営・活動費とし、残りをユニセフ本部に送っている。日本法人として存続するためには当然諸々の経費がかかるからだ。しかし、それはあくまで通常募金の話で、東日本大震災などの寄付においては、全額事業費に使われる特別会計として別会計を行なっている。つまり、マージンをとるかどうかはケースバイケースなのだ。

では今回の「フィリピン台風緊急募金」はというと、日本ユニセフの告知ページをいくら見てもどちらなのかがよくわからない。実際のところを日本ユニセフ広報にメール取材してみた。

「フィリピン台風緊急募金」は全額支援に使われていた

――今回のフィリピン台風の緊急募金では、通常募金のように、一定割合の金額をひいたものを本部ユニセフに送っているのでしょうか?

日本ユニセフ広報:日本ユニセフ協会では、自然災害や紛争など緊急事態の発生時には、通常募金から積み立てている「臨時拠出積立」から支援金を出し、さらに支援に必要な資金が不足している場合は、「緊急募金」という形で対応します。「緊急募金」については、通常募金と同様に募金の一部を活動費にあてることが認められていますが、今回の緊急募金を含め、ここ数年の実績では、全額をユニセフ本部に拠出しています。

――本部ユニセフでは、フィリピン台風の緊急募金について、一定割合をひいた金額を支援にあてているのでしょうか?

同上:ユニセフ本部でも、フィリピン台風緊急支援のために、各国ユニセフ協会や、各国政府から送金された資金は、全額同目的のために活用しています。

――それは告知HPには書かれているんですか?

同上:現在のところ、「フィリピン台風緊急募金」の募金のよびかけの際に、「全額ユニセフ本部に送金します」ということは、付記しておりません。

――これだけの騒動になったのは、その告知の曖昧さもあったのでは?

同上:ご指摘ありがとうございます。ご支援をいただいている皆さまに、当協会やユニセフの活動をより一層ご理解いただけるよう、引き続き努力してまいります。

ひろゆき氏の質問が喚起したのは、寄付金の使用用途への意識

日本ユニセフは「フィリピン台風緊急募金」の全額をユニセフに送っているので、今回の緊急募金についてはひろゆき氏の質問は的外れということになる。しかし、通常の寄付は活動経費として19%を日本法人の運営に使っており、今回の指摘はあながち無意味だともいえない。なぜなら、今回のお金の使い途が、ユニセフの募金広告からは読み取りづらいからだ。寄付する側は当然お金の使われ方をチェックすべきで、日本ユニセフは「誤解やデマに注意してください」とあいまいなメッセージを出すよりも、平素からよびかけには用途を付記したほうが、未然にトラブルを防げるのではないだろうか。

一刻を争う災害時とはいえ、それを逆手にとった「募金詐欺」も存在する。「寄付金の使い途をちゃんと知りたい」という意識を喚起した今回の騒動は、日本人の寄付文化がより成熟するきっかけとなるのかもしれない。

鈴木晶子