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2014/08/28

パリ中古ブランド品のネット販売が流行

実はパリには観光客に目立たないところに、高級ブランドの中古店がいくつもある。近所のマダムたちがもう使わなくなったブランドものを持ち込み買い取ってもらい、また別の客が破格の値段で中古のブランド製品を買うという形で営業しているのだ。

ところが、最近老舗の中古店の営業を脅かす勢いで成長しているのが、インターネット上での中古ブランド売買なのだ。またこの広がりはパリだけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、アジアで増えているという。

    ネットの中古ブランド市場は約2兆円!

マーケティング専門家デイビッド氏によると、「2000年までは、店頭での中古ブランド販売ビジネスのみが存在していたのが、その後徐々にインターネット上に移っていった」とのこと。

また、コンサルタントのクラウディア氏は「2011年に誕生したアメリカの中古ブランド取引サイト『the RealReal.com』は特に成功をおさめています。中でも盛んに取引されているのが、イギリスとフランス、次いでイタリアです。インターネット上の中古ブランド取引ビジネスは30億ユーロ(約4,000億円)、また時計や宝石類も含むと150億ユーロ(約2兆円)の市場があると見積もっています。 特に中国での成長は著しいものがあります」と語る。

    6か月の間に約2,500万円使った人も

フランスの新聞『LA PARISIENNE』が、パリでインターネット上のブランド品売買サービスを利用するパリジェンヌ、ソフィーさん(48)を取材している。

「元カレがブランドのハイヒールをプレゼントしてくれる趣味があったのです。でも、ハイヒールばかりが積もるように貯まってしまったので、インターネット上で売ろうと決めたのです。以前、一度だけしか履いていないルブタンのハイヒールを220ユーロ(約3万円)で売ったことがありますよ。定価だと600ユーロ(約8万円)の靴でした」

フランスでは一体どんな人がネットでブランド中古品を買うかというと、学生や50代のコレクターだという。

あるインターネットサービスのレポートによると「イギリスで、6か月の間に18万5,000ユーロ(約2,500万円)を使った人がいるという記録が残っている」とのことだ。この客は、自身で売買をしているのだ。

中毒のようにネットショッピングに依存してしまう人も出てきている一方で、中古ブランド品バイヤーとなり、ビジネスチャンスをつかむ人もがいる。

    中古ブランド品の売買で月100万円の利益

ネット上のバイヤーの一人セシルさん(46)は、25年間マーケティングの世界で働いた後、中古ブランド品専門のバイヤーに転身。彼女はネット上だけでなく、競売や、大金持ちから中古品を仕入れる業者などから商品を買い、ネット上で売りにかける。

「私は有名ブランドのだけ売買しています 。特にルイ・ヴィトンは1,000ユーロ(約13万円)のものから取り扱いがあり、簡単に売れていくんですよ」

彼女は月に150点もの商品を売りさばき、商品総額は3万5,000〜4万ユーロ(500万円)にも及ぶという。彼女の手元に利益として残るのは8,000ユーロ(約100万円)とかなりの収入を得ているのだ。

    ブランドは女性の一生の憧れ

パリはブランド本場の地。おかげでこのネット上の中古ブランド品売買を利用する人が多くいるということだろう。

日本では、ブランドものを持っていることが結構当たり前で、身近で本物を見ることも多い。ただ、パリは本場にも関わらず一般の人がブランドものをもつことはまずない。なぜならば、ブルジョワ階級の大金持ちが買うものだと誰もが知っているからだ。

ブランドものは手の届かないもの、身に釣り合わないバッグを持つのはむしろ恥、とすら思われる傾向がある。

ところが、今回のこのニュースにより一般パリジェンヌたちも実はシャネルやヴィトンに憧れていて、手の届きそうになったブランドものを買い求め、お洒落を楽しんでいるという意外な一面があぶりだされた。やはり、ブランドは女性の一生の憧れなのだろう。

中村綾花