遠野なぎこ離婚後の真相を独占告白

わずか55日間の結婚生活――遠野なぎこさんのスピード離婚が報じられてから1か月あまりが経ちました。恋愛ぶっちゃけトークでバラエティ番組にひっぱりだこの女優という面しか知らない人にとっては、「らしい」行動として映ったかもしれません。実際、さまざまなメディアで、「プッツン女優」「元夫が経営するバーに入り浸り」「会見時の号泣はオーバーリアクション」などと書きたてられたことについても、さもありなん、という感想でしょう。

しかし、遠野なぎこさんが自身の手でつづられているブログを読んだことのある人は、違った感想を持つはずです。そこで遠野さんは現在進行形で摂食障害や強迫性障害に苦しんでいることも、背景にある母親との確執もつつみかくさず告白しています。さらに、同じ病に苦しむ人たちの悩みに耳を傾け、真摯に応えています。離婚についてもマスコミ向けの文面とは別に、「ブログ仲間の皆様へ」として日ごろから応援してくれる読者に、自らの言葉で経緯と想いを伝えました。

ブログの遠野さんと、メディアの遠野さん。なんでこんなに違うんだろう? その疑問を遠野さん本人に直接ぶつけてみました。

    離婚後のほうが彼ときょうだいみたいに仲がいい

――離婚、大変な騒ぎになりましたね。ご自身でもこれは予想外の展開だったのでしょうか?

遠野なぎこさん(以下、遠野):結婚したからといってふたりの関係が永遠に続くとは、最初から思っていませんでした。それは彼にも伝えていたし、「それでも大丈夫」って言ってくれました。でも彼は心身ともに健やかで、とてもフツウの人。私とは対極の世界にいる人だから、少しずつほころびが出てきてしまったというところです。同時に、私が妻という形に縛られてしまったのも大きいですね。

――遠野さんにとっての「妻」とはどういうものなのでしょう?

遠野:それが……よくわからないんですよ。妻とは何かを知らないまま、ここまで来てしまいましたから。最も身近な例である母も〈妻〉という枠からは大きくはみ出した人でしたし、友人や知人の話も耳に入れないようにしてきました。わからないから、やりすぎちゃう。やってもやっても満足できなくて、まだ足りない、これじゃ彼に恥をかかせちゃう……って。彼にも〈夫〉であることを押しつけました。バーの経営に口を出すなど、自分色に染めようとしたんです。でも、この先もずっとずっとこうして私ががんばらなきゃいけないんだって思うと、どんどん不安になって、耐えられなくなりました。

――ブログでは、「離婚後のほうが彼といい関係を築けている」と書かれていましたね。〈こうしなきゃ〉というのがなくなったからでしょうか?

遠野:まさにそのとおりです。いまは、きょうだいみたいに仲がいいんです。たとえば、私は自分の容姿が嫌いで、人前でメイクできません。以前はメイクをするとき、彼に部屋から出ていってもらっていました。でも、いまはそれができちゃう。そのあいだに彼がイヌみたいにまとわりついてくるから、「もう!」って言って押しのけたり(笑)。

先日もふたりで出かけてから一緒に彼のバーへ行く予定だったのに、私、暑さでまいっちゃって途中でふいっと帰っちゃった。前だったら彼も「俺の気持ちも考えてくれ!」となって衝突していたけど、いまはしばらく放っておいてくれます。で、しばらくしてから「何やってんの? お店に来ないの?」ってメールが来る。彼も私の扱いを心得てきたんでしょうね。

    私は本当のことしかしゃべっていないのに、記事にはデタラメを書かれる

――「入り浸っている」と書かれていましたが、仲がいい恋人ならお店にいくのは当然のように思えますが……。

遠野:ですよね。あとひとつ、彼を守りたいというのもあります。離婚後は毎日のように、どこかの記者がお店に張り込んでいたんですよ。しかも一般客を装ってくるし、カップルのふりをしてくる人もいる。彼のことも心配だったし、ほかのお客さまにも迷惑がかかるし、私がいなきゃと思っていました。でも、ずっと監視されているというのもつらいものですね。「ああ、私って芸能人なんだ」って初めて感じました。

いままでは、自覚がなかったんです。親が敷いたレールの上をずっと走ってきたという感覚でしかなかった。だからこそ、ちゃんと自分の言葉で伝えなきゃと考えて記者会見を設けてもらい、ブログにも書きました。私は本当のことしかしゃべっていないのに、記事には「彼が鬱寸前」とか「30分に1度電話している」とかデタラメを書かれるんだからびっくりしますね。

――離婚して恋人同士に戻るというスタイルが、やっぱり世間的には受け入れづらいということでしょうか? 自由に見えるから、叩きたくなる。

遠野:私は離婚を恥だと思っていません。家族になりたいから結婚した、でもしたらうまくいかなかった、以上! って感じです。彼とはいまも、「いずれ子どもを作りたいね」って話しているんですよ。籍は入れずに。……この考えも、またバッシングされそうですね(苦笑)。独身の女性のなかには応援してくれる人も少なくないけど、多くの人には〈いいとこ取り〉に見えちゃうみたいです。だったら私も「いいでしょ~」っていうぐらいになりたいんだけど、いかんせん気持ちが強くない。子どもがほしいなら、バッシングに負けないぐらい強くならなきゃですね。

かつて、遠野なぎこさんは「生涯、子どもは持たない」と公言していました。「子どもがほしい」とは、とても大きな変化であり、希望だと感じます。

後編はいまも苦しんでいる摂食障害と、その一部始終から離婚の経緯まですべてをつづっているブログへの想いに迫ります。

>>【後編】“私は病気”遠野なぎこが伝えたい正直な気持ち 「悩みを抱えた人たちが少しでも生き延びてくれればいい」

●遠野なぎこ
1999年連続ドラマ小説『すずらん』でヒロインに起用。2001年には映画『日本の黒い夏ー冤罪ー』で日本映画批評家協会新人賞を受賞する。その後、連続ドラマ『冬の輪舞』や舞台『黒革の手帖』に出演し、映画・TV・舞台等あらゆるジャンルで活動を行っている。2011年以降はバラエティ番組にも多数出演している。著書に、『一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ』『摂食障害。食べて、吐いて、死にたくて。』(ともにブックマン社)

三浦ゆえ