「角ハイ」CMから考える理想の女性像

井川遥が三代目CMキャラクターを務める「角ハイボール」CMの新バージョン「19時03分」篇が放映中だ。いつものように遥のバー「Lantern」に集まる加瀬亮、ピエール瀧、田中圭の3人。加瀬亮が何か井川遥に話かけようとするとその瞬間、窓の外に大輪の花火が。振り返り、花火を見ようと窓をのぞき込む井川遥の髪が揺れて加瀬亮がドキッとするという展開。30秒の短いCMの中で大人の魅力が詰まっているとも言えるが、それより拭えない違和感。1月放映の「いらっしゃいませ」篇から4バージョン目となる今作だが、この加速する違和感は何なのか? また「角ハイボール」CMから男たちが求める理想のアラサー女子像を考える。

    前職はOLだった?! 希薄な「バーのママ」感

ここでサントリーのHPより設定をおさらいしよう。3年前に前のオーナーから譲り受ける形で始めたバー「Bar Lantern」。窓際の古いランタンと壁際にずらりと並ぶ角瓶が目印。料理はノンジャンルで「ハイボールがよりおいしくなるもの」ならなんでもありとのことだが、設定の段階ですでに疑問が。30代の女性が一人で始めた店で、壁際にずらりと角瓶が? ワインなど様々なお酒がある中でイチオシは角ハイボール、というならまだ理解ができるが、推しは角ハイボールの一本とはこれいかに。

また3年前から一人でバーを切り盛りしてる割りには「不慣れ」感も強調。第2弾の「も、いいね」篇ではアジフライを揚げている最中に油ハネで「あつッ!」。「おい、何年やってるんだ!」と言いたくなる初々しいリアクションだ。たびたび登場する「エッ」と戸惑う表情も、客商売ではまず見かけない。花火を見ようと髪が客の手元に揺れる無防備さ。「Bar Lantern」の前、遥ママは何の仕事をしていた設定なのか。

    ついに女神化? 新橋サラリーマンはハイボール女優に何を求める?

初代角ハイボール女優の小雪は1976年生まれ。二代目の菅野美穂は1977年、三代目井川遥は1976年と、歴代ハイボール女優は、実はほぼ同級生。小雪が33歳でCMキャラクターを務めてからおよそ2年ごとに交代、3人の女優で30代女性の魅力を表現している。

初代小雪はお客の「いつもの」注文を暗記、テキパキと客の注文をさばく一方、男性としっぽり門司港に旅行したり、「ほんとは年下が好きだったのにな」という色っぽいセリフも登場。そこはかとなく銀座の香りが。

二代目菅野美穂は、仕事に疲れた元OLが父親のバーを手伝って5年目に父が急逝。遺志を引き継ぐという感動のサイドストーリーを設定。不慣れながら、一生懸命の彼女をほっしゃんが陰ながら応援。明るく飾らない性格を慕って、男女問わず若い会社員たちが集う。CMソングにもハナレグミを起用し、庶民的な角瓶のイメージを損なうことなく若年層にスライドさせることに成功した。

そして前出の三代目。CMソングは田島貴男。ピエール瀧も出演していることから40代がターゲットと予想される。現在、サラリーマンの聖地・新橋では、巨大ポスターが掲示され、そこかしこでキャンペーンが展開中だ。設定がやや不明ゆえに、にっこり微笑む井川遥はただの「飲み屋の姉ちゃん」ではなく、ウイスキーの女神のよう。ついに偶像化?

ともかく、ツッコミどころ満載の三代目。気になる加瀬亮との寸止め恋愛の行方など、ぜひ今後の展開に期待したい。

松田美保