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2013/11/18

高卒女性に脅威?有名大卒女性が狙う職業

この春大学を卒業する学生の就職内定率は、昨年より改善して81.7%となっている(リクルートキャリア社調べ)。喜ばしいことだが、就職支援の現場には、こうした数値からは見えない女性ならではの就職状況の変化がある。大卒女性が、従来は高卒女性が選ぶことの多かった進路を選択し、高卒女性たちの就職活動を圧迫しているというのだ。その背景と現状を見てみよう。

    看護師志願者に有名大卒女性が増えている

これまで大卒女性の選ぶ専門職種というと、医師や薬剤師、弁護士、教師など大学で学んだことを生かした職業が定番であった。しかし、最近ではそれ以外の職種を選ぶ大卒女性も増えてきている。一つは看護師だ。高校で進路指導を行っており、企業や専門学校からの情報が入る神奈川県立田奈高校で進路指導を担当する金澤教諭は「採用担当者からは看護師の養成学校は今や難関。名だたる有名大学を卒業した女性たちが流れ込んで来ているときく。高校生は入学が難しい」と語る。大学を卒業後改めて養成学校に通い直し、看護師になる大卒女性が増えているというのだ。

     倍率の高い自衛隊は大卒女性が占める

公務員も人気だ。就職氷河期に突入してから「安定職」として男性にも女性にも人気が高い。大卒後浪人してまで公務員資格を受験する者や、一度就職した後に受験し直す者も多い。

その中でも女性の選択として意外なのが自衛隊。平成23年度(最も女子で倍率の高かった)陸上自衛隊幹部候補生は87.5倍、さらに前出の金澤教諭は「高卒で応募できる職種まで大卒者が流れ込み、女性にいたってはほぼ大卒者で占められるようだ」と言う。自衛官と言えば、地方の農家の次男・三男がなるもの、と言われたのも今は昔。大卒女性が自衛官になる時代が来たようだ。

    女性は、一般企業では「生涯」働き続けることができない?

こうした変化の理由のひとつとして、「結婚・出産などのライフイベントを経ても、生涯働きたい」大卒女性が、一般企業を避けて専門職や公務員を選択せざるを得ない状況があると言えるだろう。残念ながら、これだけ女性が社会に進出した現在でも、やはり産休・育休を取得しにくい空気が残る企業は多い。出産や家事、育児、介護などの理由でも、一度離職してしまえば、望むような条件の仕事に再就職することは難しいのだ。さらに、未婚率も上昇し、働き続ける女性も増えているという背景がある。そのため、離職後も再就職しやすい手に職系や、産休・育休・介護休暇等が充実した公務員に大卒女性が殺到し、少ないパイを奪い合っている。

    企業は優秀な女性人材を逃している

世界経済フォーラム(WEF)の調査によれば、日本の男女間格差は調査対象の136カ国中105位。女性の社会進出が進み育児も父母共に行うのが当たり前の北欧諸国はおろか、フィリピン、中国等同じアジアの新興国にも負けている状況である。安倍総理は女性の企業活用を謳っているが、どこまで実現するか。それが進まない限り、専門職や公務員に女性たちが殺到する傾向は続くだろう。就労意欲が高く優秀な女性人材を、企業は自ら逃しているとも言える。

鈴木晶子