女性器映画の米監督が来日し事件に言及

東京のスパイラルホールで開催中の第23回東京国際レズビアン & ゲイ映画祭で、7月19日、女性器をモチーフにした衣装を着て出演する女性を主人公に描いた映画『ヴァギナ・ウルフなんかこわくない』が上映された。上映後、トークショーに登場した同映画のアナ・マルガリータ・アルベロ監督は、先日、自身の女性器の3Dデータを配布したとして、わいせつ電磁的記録頒布の疑いで逮捕されたアーティストのろくでなし子さんについてコメントした。

時代に制度が追いついていない

女性器映画の米監督が来日し事件に言及

半自伝的な同映画の中で、女性器のコスチュームを身に着けた映画監督を演じたアルベロ監督。司会の北原みのりさんから、「女性器のコスチュームは日本に持って来られなかったんですか」と聞かれ、「持ってきませんでした。最近、日本で女性器をモチーフにした作品を作ったアーティストが逮捕されたと聞いて、怖かったから」と答え、会場の笑いを誘った。

ろくでなし子さんの事件についてアルベロ監督は、「このケースはひとつの警告だと思います」と発言。「時代が進んでいるといっても、制度が追いついていない。フランスでは同性婚や、あらゆるセクシュアリティに同等の権利を与えようという動きがあって、それは万端だろうと思われがちですが、実現するまでには時間がかかったし、大きな問題も起きている。私がレズビアンの映画を作り続けているのは、社会に対して、このように真に目指す社会に至るまでには、非常に長い道のりがあるということを伝えていきたいからです」と語った。

それを受けて北原さんも、「本当にヴァギナもレズビアンもまだタブーなんだな、と思い知らされることがとても多い」と述べた。

ろくでなし子さんは18日に釈放され、記者会見で「私のアートはわいせつではない、犯罪でもないという意思は、この先ずっと一生貫き通していきたい」と話している。しかし、今後も捜査は続くとみられ、裁判になる可能性もある。

「ヴァギナ」という言葉はあらゆる世代の女性が避ける言葉

女性器映画の米監督が来日し事件に言及

映画に出てくる女性器のコスチュームは、アルベロ監督が友人からプレゼントされたものが元になっているという。

「それを着てロサンゼルスの街を歩いてみたところ、ポジティブな反応と同じくらいネガティブな反応をもらって、それが非常に面白いと思ったんです。『ヴァギナ』という言葉は、あらゆる世代の女性が避ける言葉なんですね。それは、教育によるものかもしれないし、女性が自由化を目指す上で刺激的なことだと思います」(アルベロ監督)

なお、映画『ヴァギナ・ウルフなんかこわくない』は7月20日(日)18時45分から、スパイラルホールで上映される。上映後には監督のトークイベントも開催される。

(編集部)

第23回東京国際レズビアン ゲイ映画祭公式サイト