米で95度の酒が販売禁止 レイプ防止策

世界最強の酒、スピリタスと並ぶ、アルコール度数95度の酒「エバークリア」。日本では入手できないといわれるこの酒の販売が今月、アメリカのメリーランド州で禁止されるという。

高アルコールの酒の禁止でキャンパスでの性的暴行を抑制

このエバークリアは、すでに、ペンシルベニア州やバージニア州、ウェストバージニア州では禁止されているが、主に大学のパーティーで出される「ジャングルジュース」と呼ばれるフルーツパンチとして飲まれており、このジャングルジュースを飲ませ酩酊させての性的暴行を抑制する狙いがあるというのだ。

しかし、この酒を禁止したからといって、キャンパスでの性的暴行を抑制する効果があるのか、不必要な制約によって、強姦の根本的な原因を無視することになるのではないのか、という議論も起きている。

メリーランド州のバークレー議員は、この酒を販売禁止する法案を擁護している。

「学生や大人があまりにも強い酒を飲んでいる。大学の学長の多くは、穀物アルコールの害を取り除くべきだと合意した。アルコールは大量飲酒から性的暴行に至るまで多くの問題を引き起こした」

バークレー議員や大学の管理者は、強力な穀物アルコールが無味無臭であることが、性的暴行の原因となる危険性を高めていると主張している。しかし、性暴力の被害者のなかには、アルコールを標的とすることは出発点を見失うことだという者もいる。

自分の性的パートナーを尊重すべきと教えていないことが問題

「レイプを終わらせるための学生活動」のトレイシー・ヴィッチャーズ理事長は次のように述べた。

「アルコールは問題ではありません。我々が子供たちに対して、同意ということ、また、自分の性的パートナーをどのように尊重すべきかということを、教えていないことが問題です。我々は酔ったり、気絶したりした人が同意していないということを教えていないのです。学生はより高アルコールの酒を得る手段を見つけるか、またはアルコールの低い酒を大量に飲むだけです」

「性的暴行に対するメリーランド連合」のリセ・ジョーダン理事は言う。

「性的暴力を終わらせるための鍵は、同意や文化をどう扱うかということ。ただ、私はこのような段階を踏む議会を非難したりはしません」

高いアルコールは“肉食動物”が、性的暴力をしやすくするための武器として使われることが可能であり、法案を提出することはひどい考えとは言えないとのことだ。

日本でも、最近、大学生のイベントサークルによる集団昏倒事件で、極端にアルコールの強い酒が話題になったが、相手を泥酔させて、合意の判断ができない状態での性行為は準強姦という「犯罪」だということを、いま一度、改めて認識しておきたい。

(リプトン和子)