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2014/07/08

嫁不足中国にベトナム人女性が売られる

今中国ではベトナムに結婚相手を探しにいく男性が多いという。その理由や、悲しい被害にあうベトナム人女性たちの実情をレポートした記事を紹介しよう。

    一人っ子政策が原因で女性の数が少ない

自然の摂理では男女の出生率はほぼ変わらないはずなのだが、1980年から2010年までの間の中国では男性の方が3,800万人も女性を上回る。その原因は中国政府による一人っ子政策が関わっているというのだ。

子供を授かった両親はまず、こぞって超音波検査を受け、性別を知りたがり、女の子だと分かると中絶する。中国政府によると一人っ子政策が実施された1970年からの中絶が3億件を上回るとの報告もある。

女の子を中絶する理由は、将来、結婚相手の元へと離れて行くだけでなく、家系の血が途絶えてしまうという危惧があるからだ。こうした理由で現在、中国人男性には結婚相手の女性が足りない状況があり、隣国のベトナムで嫁を買うというのだ。

    中国人に売られる女性の価格は5,000ドル

16歳のベトナム人クアンさんは、何も知らぬまま実の兄によって中国人男性に嫁として売られた女性の一人。彼女だけでなく、カンボジアやラオスの女性が多く被害にあっているという。2013年には1,000人の被害者がいると報告されているが、実際の数はこれ以上だとみられる。NGOヒューマン・ライツ・ウォッチのフィル・ロバートソンは「中国政府はこの事実を隠そうとしている」と語っている。

ブルー・ドラゴン・チルドレン財団のマイケル・ブロソウスキによると、中国人に売られる女性の金額は5,000ドル(日本円で約50万円)で、結婚相手としてだけでなく、娼婦としても売られているという。

闇の女性バイヤーは「恋人」や「仕事の紹介人」を装って被害者の若い女性たちに近づく。クアンさんのように家族にだまされて売られてしまうケースもある。

    村の人たちは若い女性がいつ売られてしまうかと恐れています

中国とベトナムの国境近くにある山岳の小さな村、ラオカイは両国の流通経路として利用されている。多くの通行者は無許可で行き来し、鶏や果物、そして女性たちをも中国に送り込むのだ。こうした山岳地帯の孤立した小さな村の若い女性が被害にあうことが多いという。

一人の友人によって中国人に売られてしまった18歳のランさんはこう語る。

「この村の人たちは若い女性たちがいつ売られてしまうかと恐れています」

この村の区長ファンさんは「すでに、何人もの若い女性たちが被害にあっているのを知っているのです」とも。

ベトナム政府はここ数年の間に、ラオカイに避難所を設置するなどの対策を実施しているものの、問題の根は極度の貧困と十分でない教育にあることが明らかだ。中国に売りつける人が家族の一員である場合はさらに解決が難しい。

先述のクアンさんはこう語る。

「私の兄は人間ではありません。なぜなら実の妹を売ったからです」

中国の一人っ子政策が、中絶という悲しい事実だけでなく、他国にまで悲劇を引き起こしている現実をお分かりいただけただろうか。自然の摂理に逆らうということは、人間に悲劇をもたらす結果しか引き起こさないのかもしれない。

中村綾花