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2014/07/07

トンデモ地方議員が生まれる理由とは?

最近、地方議員が注目を集めています。女性都議への「自分が早く結婚したほうがいいんじゃないか」「産めないのか」という男性都議の発言や、兵庫県議の常軌を逸した号泣会見。ほかにも万引きの疑いで逮捕された山口市議会議員が覚醒剤反応を示したとして再逮捕される事件まで起きています。これだけ揃えば世間から注目されるのも当然のことですが、地方議員に注目が集まること自体は実は珍しいことなのです。

    注目度が国会議員ほど高くない

地方議員とは、都道府県や市区町村の議員たちのことをいいます(首都であっても東京都議はここに含まれます)。彼ら地方議員は、国会議員のように不逮捕特権(原則として議会の会期中には逮捕されない)などはありませんが、多額の議員報酬や政務活動費を支給され、地域の運営に大きな影響力を持っています。にもかかわらず、注目度は国会議員ほど高くありません。それが女性議員への暴挙ともいえる発言や、その後のゴリ押しとしかいえないようなもみ消し戦略に繋がっているのです。

「以前ある地方県議の企業との癒着ともとれる密接な交際について記事にしようとしたんですが、編集部に『県議だと知名度ないから……もっとインパクトないと無理かな』と言われてボツにされたことがあります」

筆者の知人のジャーナリストは、地方議員に対するメディアの注目度の現状をこのように指摘しています。実際、不倫や売春などのスキャンダラスなネタだったり、刑事事件に発展するようなネタでもない限りは、自分の選挙区の議員でもなければ注目を集めないでしょう。

こうした第三者の目が届きにくい環境にあるため、原則として4年の任期を何回も務める議員が多い。しかも特定の支持基盤がある議員はめったに落選しません。ここでいう支持基盤とは、選挙区にある業界団体や中小企業の従業員などの身近な人たち。投票する人たちにとっても、当選させるのがお付き合いとして当然という意識になっていることは珍しくありません。

    地元に影響力を持ち続け、浮世離れした存在に

筆者はある地方のヤクザを取材した時、その親戚には県議会議員がいました。さらにその一族には地元企業(建設系)や不動産業者、公務員などが揃っており、組織的に票を動員しやすいポジションにあることが浮き彫りになったのです。

取材したヤクザは「県議がいちばん力を振るえる。一族にいればこっちもいろいろ便利だしな。国政に行くなんてリスク大きいだけだ」と語ってくれました。

国会議員ともなれば、国政に関する仕事が中心で、選挙区に目に見える形でメリットをもたらすことはできません。それに対して、県議は公共事業や補助金などに便宜を図りやすいし、地元の国会議員に対しても影響力を持っています。しかも落選する危険が限りなく低いわけですから、こんな状態が何年も続けば、地域住民のために奉仕するという議員の基本である理念すら薄れていき、自然と謙虚さが失われ自分の発言が他人からどう見られようと関係ないという尊大な態度になる。そんな浮世離れした存在となってしまうのも無理ないのです。

冒頭の地方議員たちのトンデモな事件は、たまたま全国区のニュースになったに過ぎませんが、今後もこのようなことはどこの議会でも起きるでしょう。我々市民の政治参加とは、そうした状態を作り出さないように関心を持つところから始めるべきなのかもしれません。

丸山ゴンザレス