著述家・湯山玲子さん

最近、美しい中高年に注目が集まっている。若々しさと凜としたボディを保ち、年を感じさせない“美魔女”“美熟女”たちは、メディアでも大きく扱われ幅広い世代から驚きと憧れの視線を注がれている。「母」「妻」としてだけではなく、一人の女性として輝き続けている彼女たちの年の重ね方を目指そうとする、20代30代の女性たちも多い。

その一方で、「美容とかダイエットだけでいいのか」「内面の充実の方が大切」と考える人たちも少なからず存在する。圧倒的な知識と経験、ユーモアを携え、男女問わず様々なカテゴリに属する人から愛され続ける女性は“美魔女”“美熟女”たちとは違う「面白さ」で周囲の人を魅了している。そんな女性のひとりである著述家の湯山玲子さんに、私たちが目指したい「面白いオンナ」になるためのヒントを伺った。

どんな話題でもその場を盛り上げようとするのが「面白いオンナ」

――湯山さんが考える「面白いオンナ」とはどんな人でしょうか?

湯山玲子さん(以下、湯山):やはり会話が面白いということですね。年齢ならではの深み、もしくは幅があって、この人がいると会が知的に盛り上がる、という感じかな。女子会に参加しまくっているのとは別で、「落語好きの会」とか「ガンダムの会」に同時に呼ばれているイメージです。全然違うシマに自由に出入りして、違和感なく溶け込んでいることがポイントです。

――自分の意思で参加するんじゃなくて、呼びたいと思われるって難しいですよね。

湯山:そうそう。義理とか人情の関係で呼ぼうっていうのとは違って、単純に「あの人面白いから呼んでみよう」っていうノリです。あと、勘違いしがちですが、男グループの紅一点として呼ばれるということでもないです。いわゆる気が配れるオンナは、一見、女らしい美徳のように思われがちですが、実のところ「俺たちのムードを乱さない」ことが前提の差し障りのない酌婦、なんですよ。

――ひとつの個性として認められて、呼ばれることが大切ということでしょうか?

湯山:そのとおりです。とくに女性は会話で受け身になりがちなんですよね。聞き上手はモテる、ということが、単に頷き女になってしまっていて、それが女のお得なコミュニケーションと思っている場合が多い。男女とも、楽しませるより、私を楽しませてくれっていう欲求の方が強いです。会話レベルでのサービス精神が乏しいんですね。人間関係がセコすぎます(笑)。どんな話題でも自分の引き出しをフルに使って、その場を楽しい時間にしようと盛り上げようとすることが、「面白いオンナ」ブレークスルーの入り口です。存在するだけで価値がある、という考えはやめましょう。

20代30代はどんなに疲れていても飲み会に顔を出すべき

――そのためには、色々な人との会話量を増やすことが欠かせないですよね。

湯山:まあ、飲み会は断らないことですね。なぜかというと、飲み会は、最初からこのメンツだからたいしたことない、なんて予測しちゃダメ。本当は行ってみなければ何が起きるか分からない、というリアルな現場です。そこでは、予測誤差が頻発して、思いも寄らなかったボールが飛んでくるし出会いがある。それをどうキャッチしてさばけるか。まさに訓練の場としてはぴったりです。20代30代はどんなに疲れていても飲み会に顔を出すべきです。

――確かに、面倒だなと思っても参加すると思いがけず楽しい飲み会で、勉強になったなということがありますよね。

湯山:気持ちのなかで「疲れた」「面倒」という言葉が出てきたら、逆を振りましょう。あと、嘘だと思って試して欲しいのが、サシ飲みでもコンパ系でもいいから、1年間毎週末飲み会を入れること。これを実行すると、非常に人間関係のツウになれます。あんなこと言わなきゃ良かった、とか失敗や後悔も出てくると思いますが、それを次で活かしましょう。あとは、自分が食い込めないレベルの会話でも、中心となっている人の話し方とかを学ぶだけでも価値があります。

――その行動力が40代に活きるということでしょうか?

湯山:20代30代は競馬のダービーと同じです。最初は必ず可愛い子が先行馬として走り出し、得をするように出来ています。ただ、「ゴールはもっと先にある」んですよね。もし40代以降も仕事や恋愛で輝きたいと思った場合、先行馬の勢いだけじゃ乗り切れない。若さと見た目の勢いに甘んじて内面の充実を怠ると、脚力のある馬にあっさり抜かれますからね。

後編に続く……

>>【後編】「悪口はダメ」なんて正論が女をダメにする 湯山玲子さんが語る、40代以降に輝くためにやっておくべきこと

●湯山玲子
著述家。出版、広告の分野でクリエイティブ・ディレクター、プランナー、プロデューサーとして活動。同時に評論、エッセイストとしても著作活動を行う。現場主義をモットーに、クラブカルチャー、映画、音楽、食、ファッション等、文化全般を広くそしてディープに横断する独特の視点には、ファンが多い。 メディア、アート、表現文化ジャンルにおける、幅広いネットワークを生かして、近年は、PR、企業のコンサルティングも多く手がけている。著作に『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)、『クラブカルチャー!』(毎日新聞出版局)、『女装する女』(新潮新書)、『四十路越え!』(ワニブックス)など。自らが寿司を握るユニット「美人寿司」を主催し世界を回る。(有)ホウ71取締役。日本大学藝術学部文藝学科非常勤講師。『文化系女子という生き方~「ポスト恋愛時代宣言」!』では、腐女子とリア充の両立方法を説いている。

末吉陽子