「子育て政策」について現役官僚と議論

東京都議会のセクハラ野次問題をきっかけに、「女性の活用」「少子化対策」など、現政権が掲げている政策方針に対する政治の姿勢が問われている。「女性」と「政治」をめぐる議論が再び注目を集める中、現役官僚と有権者らが「子育て政策」について話し合うイベントが先月末開催された。

官僚vs有権者20人 「子育て政策」をめぐって大議論

6月26日、東京都千代田区の3x3Laboにて、若者と政治をつなぐ活動をするNPO法人YouthCreate主催の「第3回Youth THINK官僚と話そう 若手社会人・学生が知っておきたい『子育て政策』」が開催された。

イベントは、「社会保障と税の一体改革」の一環で新たに実施される「子育て政策」について、有権者が現役官僚らとざっくばらんに話し合うという内容のもの。「社会保障と税の一体改革」とは、平成24年8月に関連法が制定された社会保障の全体改革を指し、今年の4月から始まった消費税増税もこの改革の重要な柱を担っている。

今回のイベントの参加者は、有権者が約20名と現役官僚が約10名。有権者側は、「子育て」が身近なテーマだと思われる30代が比較的多く、男女比率はほぼ1対1。「子育て政策」が男女ともに関心度の高いイシューになりつつあることをうかがわせた。

イベントは、自己紹介と子育て支援予算のクイズに始まり、官僚の方からのプレゼンテーション、子育て支援政策についてのワールドカフェ(リラックスした場で対話を行い、話し合いを発展させていくアクティビティ)と続いた。

独身参加者から圧倒的に聞かれた、「今の社会では子育てが不安」

イベントでは、政府が重点的に取り組もうとしている「保育所待機児童問題」を始め、「子育て」にまつわる様々な議論が白熱した。

独身の参加者や、既婚の子育て未経験者から特に多く聞かれたのは「今の社会で子どもを持つことに不安がある」という意見。前述の待機児童の問題や、仕事と家庭の両立の難しさなどを考えると、子育て未経験者がこういった不安を抱えがちになるのも無理もない。

それに対し、「実際に産んでみないとわからないこともある」と熱弁する既婚・子持ち参加者も。イベントに参加していた、NPO法人ファザーリング・ジャパン前代表の吉田大樹さんは、「両親学級の指導などをしているが、これからお父さん・お母さんになる人でも、子育てを支援する行政サービスのことを案外知らない」と指摘。他の参加者からは、「(子育て支援サービスを提供する)行政と、私たちの間のコミュニケーションがうまくいっていないのかもしれない」(30代・独身男性)という意見も出た。

これらの発言が示唆する通り、「子育て経験者」と「未経験者」や、政治と有権者の間のコミュニケーションが、今後の子育て支援の課題となってくるのだろうか。

「子育て政策」について現役官僚と議論

気軽に参加できるイベントから、政治に関心を

上記のほかにも、「子育て政策への予算の割き方に納得がいかない。消費税増税分でまかなっているが、まるで取ってつけたようだ」(30代・独身女性)「このままでは、女性だけが仕事も家庭もがんばる世の中になってしまう。本当に必要なのは、男性も含めた日本社会全体の“働き方”を変えることでは」(30代・男性)など、有権者のもつリアルな問題意識も多く浮かび上がった。

イベント主催者であるNPO法人YouthCreate代表の原田謙介さんに今回のイベントの感想を伺ったところ、「今まさに関わっていたり、近い将来に関わるであろうテーマだったからか、若い人が積極的に発言していたのが印象的だった」とのこと。

政治のことは、ややもすると難しく、遠く感じてしまいがち。しかし、「子育て」や「女性活用」など、私たちの生活に直接影響する政策に対してなら、思うことがある女性も多いのではないだろうか。こういった身近な問題や、気軽に参加できるイベントから、私たちの生きる社会の制度設計をしている政治や政策に関心を持ってみるのもよいかもしれない。

NPO法人YouthCreate

ケイヒルエミ

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