プレミアムフライデーイベントレポート(後半)

「輝けって求められすぎて、毎日必死です!」お坊さんに悩みを打ち明けてみたら…

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「輝けって求められすぎて、毎日必死です!」お坊さんに悩みを打ち明けてみたら…

6月末、東京・恵比寿にある「寺子屋ブッダ」で東京のキャリアウーマンたちがお坊さんと108の煩悩に向き合うというイベントが開催されると聞きつけ、参加してきたウートピ編集部。

仏教に興味がわいてきたので、イベント終了後に、登壇した僧侶の大來尚順(おおぎ・しょうじゅん)さんに話を聞くことに。「輝けって求められすぎて、毎日必死です!」と、悩みを打ち明けてみました。

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前半はこちら:プレ金にお坊さんに煩悩を聞いてもらったら…

二足のわらじをはいたお坊さん

――初めから失礼なことを伺いますが、本当にお坊さんなんですか? なんかフツーのイケメ……あ。すみません。つい煩悩が。お坊さんというと、坊主頭のイメージがあるのですが、ずいぶん感じが違うなって。

大來:ああ、髪ですか(笑)。浄土真宗は「出家」ではなく「在家」の仏教で、男性の場合は「得度」という僧侶になる時の儀式以外では剃髪が義務化されていないんです。肉食妻帯(にくじきさいたい)も固く禁じられているわけではないので、生活は一般の方とほぼ変わらないんですよ。

——生活と言えば、大來さんは、僧侶でありながら会社員として働かれているとか。

大來:はい。平日は都内でサラリーマンをして、土日に山口県にある実家のお寺に帰るという、二足のわらじ生活をしています。実際に会社員の苦しみは経験しているので、働く女性のお悩みにも、同調できることがあるし、自信を持ってお話しできるのかな、と。

――イベントの中で、大來さんがムカついたという上司の話もありましたね。神も仏もないなって状況をまさに体験されているなと思いました。そんな大來さんに教えていただいた、ブッダメガネ。嫌なことがあったらやってみよう。

大來:赤裸々に話してしまいました(苦笑)。ブッダメガネは、ひとつのスイッチ。メガネをかけたら、相手の立場になりきって考える。つまり、違う見方をするということが大事です。

――真面目で一生懸命だからこそ、レールを外れちゃいけないとか、絶対に成功させなきゃいけないと、視野が狭くなってしまう人って多いと思うんです。そんな人に持ってもらいたいですね。

大來:そうですね。

輝くどころかすり減る毎日

――次々に悩んでしまうのは、多くを求められているからではないかと思うんです。結婚、出産、仕事、家事、美しくあれ……。ちゃんとやらなきゃとか、他の人は余裕でできているように見えて苦しい。「輝くどころか、すり減らされてしんどいよ」って思っちゃうんですよね。

大來:しんどいですね。ただ置かれた状況で一生懸命になることで、人の輝きは発せられるものです。人と比較するのではなくて、自分の置かれた状況には何かしらの理由があるのだと思うこと。生きるうえではむしろ足りているわけですから。周りの人が輝いて見えるというのは、その人がその人の置かれた状況で頑張っているから。自分自身も置かれている状況、与えられているものをもう一度見つめたうえでその中でできることをやっていく。その中で自然と輝きが増すのではないでしょうか。最初から輝きを求めて何かするというのはおかしなことです。

――逆なんですね。

大來:そう。一生懸命やっていれば自然と輝く。これって、“自業自得”なんですよ。

――ん? 自業自得ってネガティブなやつでは?

大來:みなさん悪い意味で使いがちですけど、そうじゃなくて、自分の未来は自分で切り開くというもの。自らの業(行い)で得た結果を自ら得るで「自業自得」なんです。一生懸命やったことは必ず返ってきますよ。

今すぐ悩みを解決してほしい!と何かにすがるのは仏教的にNG

――新しい視点を得るために、仏教や昔からの教えを知ることも大事ですね。

大來:そうですね。仏教って実生活に身近なものなので、たくさんのヒントを得られると思います。僧侶が伝えているのは、苦しみを背負ってどうやって生きていくかということ。だけれども、仏教って聞くとみなさん宗教だとお思いになる。でもね、基本的にお伝えしていることは考え方なので、どちらかというと哲学なんですよ。何かにすがるというものではなくて、自分の考え方にどう取り込むかというものなんです。

――どうしても「簡単に今ある苦しみから解放してほしい!」って思ってしまいます。

大來:解放してほしいというのは、誰かになんとかしてほしいということですよね。仏教ではそれはNG。というのも、自分の責任は自分でとるのがベストですよっていう考え方なので。救いってどこか遠いところから来るとみなさん思っているでしょう。

――はい。スーパーマンとか。ピンチの時に駆けつけてくれるイメージがあります。

大來:違うんですよ。それは内側にあるんです。欲を少なくしていって、自分の中にあるものに気づくことが本当の救いであり、幸せ。だから、外側から降ってくるものや、与えられるものではなくて、自分の中に見つけていくというのが仏教のベクトルの方向なんです。基本的には自己探求に苦しみからの解放があるのです。

逃げたくなる時は、心を静かに

――すごく……耳が……痛いです。すぐ周りの環境のせいにしたくなっちゃうので。

大來:とはいえ、他人のせいにしたくなることって多いですからね。私もそうですから(苦笑)。ああ、はじめから自分でやっていればよかったなと思うこともありますよ。でも、その人を信頼したのは自分だし、逆に言うと、もっと説明を丁寧にしていればよかったのかもしれない。全部自分なんですよね。

――でもそうやって、自分を責めて元気が出なくなったら、どうしたらいいですか?

大來:そんな時こそお寺に行ってみるとか、写経をしてみるとか。自分と向き合う時間を持ったらいいと思います。今は気軽にお坊さんと話せる場所も増えているので、そこに来ていただければ、自分のことを振り返る機会になるのかなと思います。

■イベント情報
共催:アイクリエイト・寺子屋ブッダ(まちのお寺の学校ナビ
グッズ協力:仏像ステーショナリー

(取材・文:ウートピ編集部 安次富陽子)

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