『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』西原理恵子さんインタビュー2回

そろそろ「わかり合おう」とかやめませんか? 家族がしんどい女の子たちへ【西原理恵子さん】

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そろそろ「わかり合おう」とかやめませんか? 家族がしんどい女の子たちへ【西原理恵子さん】

マンガ家の西原理恵子さんによるエッセイ『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(角川書店)が先月発売されました。発行部数は3刷り5万部突破(7月7日現在)と順調に版を重ねています。

これから巣立とうとしている16歳の娘に宛てて書いたメッセージという体で、女性が生きていく上で覚えておいてほしいこと、知っておいたほうがいいこと、心に留めておいてほしいことをつづっています。

“女の子”たちが自分の足で立って、誰の顔色もうかがうことなく自由に自分の人生を歩いていくためには——? 西原さんに3回にわたって話を聞きました。

【1回目は…】30歳の女の子たちへ「下の世代のためにわがままになってください」

マンガ家の西原理恵子さん

マンガ家の西原理恵子さん

田舎の親に相談しても根性論しか返ってきません

——前回は、仕事でも「我慢をしてしまう女性が多い」というお話でした。仕事以外でも、我慢をしてしまう女性は多いのかなって思います。

西原理恵子さん(以下、西原):子どものためにって我慢しちゃうお母さんだらけ。でも、まずは自分が幸せになってから子どもを幸せにしようねって提案したい。逃げ出せなくなる前に、知識をちょっとでも入れておけば、転んだ時の立ち上がり方が違ってくるんです。

例えば、「夫がモラハラだから離婚したい」って田舎の親に言っても根性論とか精神論しか返ってこないよ。「あなたにも悪いところがあったんじゃないか」とか「もうちょっと我慢しなさい」とか。そういうこと言うでしょ。

私なんてDVとアル中に苦しめられたけれど、暴力と貧困は専門家しか介入しちゃいけない。“親戚のおばさん”が最も介入しちゃいけない案件なんです。

——私もDVとかアル中ほどではないにしても、実家に帰るたびに「早く子どもを産んだほうがいいわよ」って“アドバイス”してくるおばさんいますね。うちの両親のほうが私に気を遣ってるくらい。

西原:そういうおばさんって平気でガセネタを飛ばしてくるからね。「だから実家に帰りたくないんだよ!」ってなる。でもそんな人たちをいくら教育しても時間とお金の無駄なので、次の世代の子に教えてあげるのが一番効率がいい。若ければ価値観って簡単に変わるから。

私たちの上の最初の世代の自営でバリバリやっていたような女性はおっさんになったつもりで怒鳴って怒鳴って、やっと小さい道を開いてくれたんです。だから、私たちもちょっとずついい方向に知識を伝えられたらなって。

暴力や貧困に陥った時、渦中にいる人たちには知識が届かないんです。洗濯機の中でぐるぐる回っているみたいなもんだから。だから、ちょっとでも先に知っていることが大事なんです。

——確かに。

西原:赤ちゃんが産まれたら責任が生じます。万が一の時に男もさっさと変えられるように人生の舵取りをすることですね。「この男ムリ」って言ったり、離婚したりするのも金がなければ言えないしできない。だから、今は踏ん張って仕事を辞めないで。

——お金がなければ離婚する自由もないってことですね。

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「自分の人生が楽しくないから子どもに介入しちゃう」

——実家の話に戻るんですが、私は両親とあまり仲がよくなくて。1年に1回、3日間だけ帰るくらいがお互いにとってちょうどいい距離かなって思っているんです。私だけではなくてまわりの友人や知り合いにも実家とうまくいっていなかったり、帰省が憂鬱だったりする子が多い。

ウートピでも帰省シーズンに「無理に実家に帰らなくてもいいよ」という記事を掲載するとドーンとアクセスが増えるんです。

西原:「親子仲よくなくてそれでよし」ってね。親子って必ずしも仲よくなくてもいいんですよ。「わかりあおう」とかやめない? 仲よくなくても息子や娘が元気で幸せだったらそれでいいんです。

——みんな西原先生みたいな考えだったらいいのに……。娘さんが羨ましいです。

西原:うちは息子も娘も16歳になったら勝手に自分の世界に出て行っちゃったからね。寂しいけれど喜ばしいことだなって。日本中の子供が引きこもっている時代に、うちの子は外に出てブイブイ言わせているのって誇らしいですよ。まあドアを開けたら外が楽しかったんでしょう。

——そうですね。

西原:だから、話を戻すといつまでも大人になった子どものことが心配ってのは、自分の人生が楽しくないから介入しちゃうんだよね。まずはおばさんが楽しまないと。私は彼氏いるから全然気にならないもんね!

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——西原先生と高須(克弥)先生のカップルを見ていると、こういうふうにいくつになっても恋も人生も楽しめたらいいなって思います。

親もそうですけれど、娘自身も「親のために」「家のために」結婚しなきゃ、親に孫の顔を見せなきゃ、って思っちゃってる。

西原:「家のために」ってどこぞの貴族ですか?(笑)。まあ老人を説得しようなんて思わないことですね。わかりあおうなんて思わないほうがいいです。その分の時間で恋人作るなり、男をあちこちに作るなりして忙しくしたほうがいいです。自分の余暇を親に割かないのが賢明ですね。

——はい、実践します。

次回は7月10日公開です。

(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子、写真:宇高尚弘/HEADS)

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