「転職バージン」座談会(前編)

同期が辞めたら焦るけど…「転職バージン」10年目のリアル【女子座談会】

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同期が辞めたら焦るけど…「転職バージン」10年目のリアル【女子座談会】

大学卒業後に新卒で入社して、一度も転職しないまま10年が過ぎて……。「35歳が転職の壁」と言われるなか、残された猶予はあと数年。私、本当にこのままでいいの? 

そんな迷いを感じている「転職バージン」のみなさんは、意外に少なくないかもしれません。ある調査によると、30代の女性のうち転職を一度も経験したことがない人は約3割、約6割は1〜3回の転職経験があるそうです*。

30代になると少数派となる「転職バージン」。このままでいいのか? 何か行動を起こすべきなのか? 入社10年前後の転職未経験の女性4人を集めて座談会を開いてみました。
*2014年にNTTコムリサーチが一般企業勤務のビジネスマンを対象に実施したインターネットアンケートの結果。

早く「バージン」を捨てたい?

今回、ウートピが開いた座談会に参加してくださったのは、こちらの4人。

長野さん(仮名):大手IT企業勤務/12年目(33歳)/広告担当
角田さん(仮名):中堅IT企業勤務/10年目(32歳)/広報担当
加藤さん(仮名):人材コンサル企業勤務/10年目(32歳)/キャリアコンサルタント
笹川さん(仮名):大手通信系企業勤務/11年目(33歳)/人材開発担当

——みなさん、「転職バージン」のまま10年目ということなんですが、実際のところ焦りは感じているんですか?

角田:うーん、今はそれほどでもないかも。IT業界は3年くらいで転職していく人が多いので、まわりの同期が一人また一人と辞めた時は「私も転職した方がいいのかな」ってちょっと考えた時期もありました。結構イケイケなノリの会社なので、ガツガツしてる同期も多くて、20代で独立した人もいましたし。

長野:そういう時期、ありますよね。私も30手前で同期が辞めていき、「このままでいいのかな?」と不安になりました。で、エージェントを利用して転職活動を始めようと思ったことがあったんです。でも、職場に不満があったわけでもなく、動機が「なんとなく不安」というだけだったので、キャリアアドバイザーと一度面談しただけで満足しちゃって(笑)。

加藤:そういう人、結構いる(笑)。キャリアコンサルタントという仕事柄、いろんな方の転職を見てきたせいか、自分自身が「転職しなきゃ」と焦ることはなかったですね。

まず転職する必要性がないな、って。人材コンサルの業界は、企業の人事部に転職する人が多いんです。人材を紹介する側から、採用する側に移るわけ。自分のまわりにもそういう転職をする人はたくさんいたけれど、関わる人の数は一気に減るので、常にたくさんの人と関わっていたい自分には向いてないな、と早い段階から感じていて。

笹川:私も、実は一度も焦りを感じたことがないんです。大手でみんな「安定」を求めて入社してくるので、誰も転職しないんです。「転職=安定を捨てる」という図式が、たぶんみんなの頭の中にあって。

同期は200人以上いるんですが、10年目でも1割辞めたか辞めていないか。3年離職率が2〜3%しかないんです。だから、転職していく同期を横目で見て焦ることもなくて。しかも辞める1割も20代前半のうちにさっさと辞めて、30代に入るとピタリと誰も辞めなくなります。あとはいっさい辞めずに定年まで勤め続けます。

——さすが、超大手の日本企業。新卒採用・終身雇用が今でも当たり前なんですね。30代では誰も転職しないというのは、かなり特殊かも。

笹川:ですよね(苦笑)。ただ、最近こうやって社外の人と会う機会があると、みんなフツーに転職経験があって「ん?このままでいいのかな?」って考えちゃうことはあります。10年後、20年後も今の会社にいていいの?って。

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福利厚生がよすぎて辞められない

——「転職バージン」というからには、「早くバージン捨てなきゃ!」と焦っていらっしゃるのかと思いきや、みなさん意外にそうじゃないんですね。

角田:なんだかんだ言っても、今の職場は好きなんですよね。居心地がいいから10年もいたわけだし、一緒に働いてる人たちも好きなんです。どんなに福利厚生が充実してたりして環境がよくても、人がよくないと長くはいられない。

笹川:もちろん人間関係が一番大事。でも、そうは言っても福利厚生がよすぎて出るに出れないという問題があるのもホンネ。私、入社8年目で出産したんですけど、子どもがいると、もうこの環境は手放せないですよね。いつか2人目も欲しいし、「このままじゃダメ」というのはわかってるけど、転職という選択肢はないですね。

長野:確かに、出産を考えると今の会社の福利厚生は手放せない

笹川:うち福利厚生が充実しているからか、社内結婚が多いんです。同期同士で結婚した人も結構います。結婚すると、女性は転職したり退職したりすることもなく、出産して出世から外れて「このままでいいや」とのんびり働き続けちゃう。

ママ社員はかなりぬくぬくしてますよ。1人目を産んで、育休が明けてからすぐに2人目を産んで……という感じで計6年休む人とかザラです。このあいだも5年ぶりに復帰したママ社員がいて、産む前と同じランクに戻ってきたんですけど、上司はどう扱っていいものかわからず困ってました。良くも悪くもママに優しすぎる会社なんです。

長野:うちも、ママ社員のための制度は、男性社員が不満に思うくらい充実してます(笑)。働きかたとしては、時短でゆるーく働いているママと、バリバリ成果を残しているママと半々。両方のロールモデルもあるのが魅力。私はバリバリ働く方を選びたいかな。

——「転職しない」「転職できない」理由としては、充実した福利厚生も大きいんですね。確かに社会人10年目を過ぎて30代半ばに差しかかると、産んでも働き続けられる見通しがあるかどうかは、大きいかも。

加藤:その意味では、うちの会社もママになっても仕事で充実感を得られていて、いいな、って思います。みんな、限られた時間の中で確実に成果を上げてます。前は全然そんな感じじゃなかったんですけど。出産を機にほとんどの女性が辞めてた。でも、最近はそういうロールモデルができて、バリキャリじゃなくてもママとして働き続けやすい社風になってきました。

長くいると、人間関係がラク

——「人間関係にそこそこ満足している」「福利厚生が充実していて産んでも働き続けられそう」というのが、転職しない理由のようですが、他にも理由はありますか?

長野:人間関係に不満がないというか、長くいると人間関係がラクになってくるんです。自分のポジションも安定してくるし、まわりとの人間関係もできてくる。だから、ヘンに周囲に気を遣って早く帰りたくても帰れないというような場面が少なくなってきます。

角田:ああ、それはありますね。社内に知り合いも増えるし、信頼関係もできてくる。それで何かとうまく調整できるようになるのは、長年いるメリットかも。

加藤:あと社内のキーマンもわかってくるし。転職すると、そのたびに人間関係をゼロから築かなきゃいけない大変さはありますよね。

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辞めてまで「やりたいこと」がない

——「この会社、辞めたい!」って思うこととか、ないんですか?

笹川:今の会社を辞めてまでやりたいことがないんです。

全員:そうそう! やりたいことがある人は羨ましい。

角田:何かやりたいことがあって、新卒で入社した会社を、独立や転職のための「踏み台」として考えられる人って、ちょっと羨ましいですね。私の場合、次にやりたいことが見つからなくて。3年目で転職しちゃった同期の女の子とか見てると、いいな、って内心思いますよ。

その子はやりたいプロジェクトがいろいろあって企画書を書いては煙たがられていて、そのうちやる気をなくしちゃって。で、毎日ツイッター見て18時に帰宅してみたいな生活をしてたんですけど、さっさと希望の会社に転職して、今は社内起業的なことをやって楽しそうです。そういう彼女を見てると、私もがんばらなきゃ、って励まされます。

笹川:私も、今のところ転職する気はないけど、「やりたいこと」は見つけなきゃ、と思ってるんです。60歳まで今のままじゃ、イヤだから。

うちの会社、定年が一応60歳なんですけど、50代の女性を見ていると2タイプに分かれるんです。どんどん怖くなって周囲が腫れものに触るような感じになっちゃうマネジャーと、仕事はのらりくらりとやってプライベートは超充実という平社員。でも、どっちもイヤなんですよね。でも両極端しかなくて「中間」のロールモデルがない。

「会社に行きたくない」という時期もあったけど

——「転職してまでやりたいことがない」という点は、みなさん共通しているようですね。今の時代、「転職バージン」というと、もっとモヤモヤとした気持ちを抱えていらっしゃるのかと思いましたが、そうでもなかったというちょっと意外なリアルが見えてきました。

笹川:「10年目だから」というのは、あるかも。これが5年目だったら、もっと心も揺れて「こんな会社、今すぐ辞めたい!」って思ってた時期もあったはず。上司とケンカしたりね。でも、10年も経つといろいろ忘れちゃって(笑)。

長野:そうそう、クライアントに対して「あいつ、死ね!」みたいに心の中で怒り狂ってたこともあったし、「会社に行きたくない」って憂うつで仕方ない時もあったよね。

加藤:「辞めたい!」と思うようなこともいろいろあったけど、なんか、全部乗り越えちゃって、今や「勉強になったな」くらいに思えてる。

——「こんな会社、辞めてやる!」と思うこともいろいろあった20代を経ての今の心境なんですね。後編では、「転職バージン」のみなさんが考える「これから」について聞いていきます。

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