なぜ今、女性管理職ターゲットの雑誌を? 編集長にその狙いを聞いてみた

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なぜ今、女性管理職ターゲットの雑誌を?  編集長にその狙いを聞いてみた

みなさんは、上司から「管理職になってみないか?」と打診されたら、どうしますか?

「キャリアアップできそう」
「大きな仕事にどんどん挑戦できて楽しそう」

など、働くうえでやりがいアップにもつながりそうですが、正直、「負担が増えるだけでメリットはそんなにないのでは……?」という不安もありますよね。

政府は、「2020年までに女性管理職の割合を30%以上」にすると目標を掲げていますが、企業の女性管理職比率は平均6.6%*にとどまっています。

*帝国データバンクの「女性登用に対する企業の意識調査」による。調査期間:2016年7月15日~7月31日、調査対象:全国2万3639社、有効回答企業数:1万285社(回答率43.5%)。

管理職になりたくない、興味がないという声も多い中、管理職の女性をターゲットにした『OWN』という女性誌が『MEN’S EX』の臨時増刊号として世界文化社から刊行されました。

波多和久(はた・かずひさ)編集長に、なぜ今、この雑誌を立ち上げたのか話を聞きました。

小さいけど濃い悩みが見えた

——なぜ今、女性管理職をターゲットにした雑誌を? 市場としてはかなり少ないですよね。

波多和久編集長(以下、波多):そうですね。僕たちがメインターゲットにしているアラフォーの女性管理職は、まだ少ない。ただ、これからの可能性をとても感じていて。

——確かにこれから、社会で活躍する女性は増えるだろうし、スーツやジャケットが必要になる機会も増えるだろうと思います。パートナーとの家事分担の割合も変わって、自分のために使える時間が増えるだろう、とも。でもやっぱり「おそらく」ですよね。

波多:そうですね。おそらく、です。でも、立ち上げの時に、実際のアラ管世代の人たちにヒアリングを行う中で気づいたことがあって。彼女たちはバリバリ仕事をするし、高収入なのですが、ファッションに関しては、わからないことずくめだったんです。「どのブランドのスーツを買えばいいかわからない」とか「どこで買えばいいのかわからない」と。決してターゲットが多い人数でなくても、濃い悩みがそこにありました。

僕らはずっと男性用のスーツを紹介する雑誌を作っていたので、その悩みがとても理解できたんです。それで、今こそ、『MEN’S EX』で伝えてきたことを女性に向けて発信するときだろうと思ったんです。そこで第一弾としてジャケットの特集を組みました。

——目の前の困っている人たちに向けて、実用的な情報を。

波多:はい。でもある意味では、SF雑誌だと思っていて。

——SFですか?

波多:近未来のリアルというか。今でも十分リアルに使えることにこだわりましたが、ジャケットよりカーディガンを着ている方がラクだし、職場でもそれが認められていますよね。そういう意味ではまだ遠いかな、と。

「憧れ」より「リアル」にこだわった

——確かに、アラサーの私に今すぐジャケットが必要かと言われると……。誌面を見ていても正直、ピンとこなかったです。写真に派手さがないというか、全体的に落ち着いていますよね。「肝っ玉」とか「貫禄」とか言葉選びも。普段目にする女性誌っぽくないなって思いました。

波多:そうでしょう。実は作る時に、ファッション誌グセをいかに抑えるかをかなり意識しましたから。カメラワークやモデルに頼った写真のカッコよさって、読者を置きざりにしてしまうんですよ。素足にスーツとか、あまりに流行色が濃すぎるデザインだと、オフィスでは着られないですよね。

言葉選びも同じです。ここに、エグゼクティブとかキャリアといった、とんがったキリキリするような言葉は使いたくなかった。

——独身女性やワーママといった言葉もあまり使われていませんね。

波多:そうですね。結婚している、していないとか、そこにこだわりたくなかったんです。これまでは、「何歳までにこれをして、何歳でこうなる」と年齢でライフステージがある程度決まっていたけれど、それがもう崩れてきた。自分を取り囲む環境はさらに多様化するはずです。その時に、女性だからこうするべきだろうと思い込むのではなく、「自分の基準」を持つことが大事だと思っていて。それがあれば、いくらでも可能性とか自分が変化するきっかけはあると思うんです。

——「これから」を見ているんですね。誌面では理想の女性像として“ジェントルウーマン”が目指されていますが、“ジェントルウーマン”ってどんな人のことなんですか?

波多:当たり前のよさをわかっているのがジェントルウーマンかな。消費にしても、自分に還元されるものを選べるとか。それって、“知っていることを覚えている”というのが大事で。僕らはリマインドもキーワードにしている。例えば、外出先で手土産を持っていかなきゃいけなくなった時、瞬間的に相手にふさわしいものが何で、どこにあるか思い出せる人って素敵ですよね。

——そんな女性になりたいです!

波多:ジャケット選びもそうで、仕事着としてのジャケットって、選ぶのも着るのも楽しいことではないと思うんですよ。でも、自分のためになるツールとして、自分に還元されていくのを感じながら、気楽にポジティブ楽しめたらいいですよね。そういう人を増やすのが僕らのミッションだと思っています。

(ウートピ編集部・安次富陽子)

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