「生理痛の治療にも有効」って知ってた? 婦人科医に聞く、ピルのウソ・ホント

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「生理痛の治療にも有効」って知ってた? 婦人科医に聞く、ピルのウソ・ホント

生理のたびに生理痛に悩まされ、つい我慢してしまっている女性は少なくないのでは? 生理痛を和らげるために頭痛薬や漢方を飲んでいる人もいると思いますが、生理痛の治療の目的としての「ピル」はあまり知られていません。

ピルと言えば「避妊のために飲む薬」や副作用が強いといったイメージがあるかもしれませんが、「麻布十番まなみウィメンズクリニック」(東京都港区)の今井愛先生は「今のピルは副作用も改善されており、生理痛の陰に隠れている病気の進行を遅らせるためにもピルは有効」と言います。今井先生にピルについて聞きました。

生理痛は我慢しないで

ーー生理痛というと「我慢するもの」と思っている女性もまだまだ多いです。生理痛を和らげるためにピルを飲むことを知らない人もたくさんいると思います。

今井愛医師(以降、今井医師):ピルにはまだまだ避妊と副作用のイメージもあって特に日本は遅れていますね。性教育も進んでいないですね。

ーーロキソニンも「クセになる」と言って飲みたがらない人もいます。

今井医師:生理痛は1ヶ月に4、5日のことですよね。朝昼晩で飲んでも大量摂取というほどではないし、病院で処方している薬も保険なら安いので痛み止めでコントロールできるのであれば飲んだほうがいいと思います。

ただ、生理痛には病気が隠れている場合もあるので、「たかが生理痛だから」と言って我慢はしないで気軽に婦人科を受診してほしいです。

ーー生理痛に隠れている病気と言うと?

今井医師:「生理痛」は特に病気ではないが痛みがある月経困難症を指すことが多いのですが、そのほかに子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が隠れている場合があります。こういった病気を抱えている場合、ピルは病気の進行を遅らせてくれます。

そもそも生理は、「プロスタグランジン」というホルモンが子宮を収縮させてはがれ落ちた子宮内膜を血液とともに体の外に押し出すというメカニズムです。そして、子宮の収縮の際に感じる痛みが生理痛なのですが、ピルはプロスタグランジンの働き(痛み)を抑えてくれ、内膜を薄くして収縮も和らげてくれます。ピルを飲むと生理も軽くなるのは、はがれ落ちる内膜が薄くなるからです。

ーー生理痛を和らげるための薬として漢方を勧める医師もいますね。

今井医師:当院でも漢方を処方しているのですが、ピルのほうが効果的だと思います。漢方は1日に3回、食前か食間に飲まないといけない。働く女性にとっては大変だと思います。だったら寝る前に1回飲むだけのピルのほうが楽なのかなと思います。

副作用はあるの?

ーーピルの種類について教えてください。

今井医師:現在の日本で処方されているピルは9種類あるんですが、そのうち、避妊目的で使用されるのが6種類、生理痛の治療目的で使用されるのが3種類あります。いずれも含まれているホルモンの量が少ない低用量・超低用量ピルです。

ーー太ったり吐き気がしたりといった副作用が心配です。

今井医師:低用量ピルは日本では1999年に解禁されたんですが、それまでは中用量や高用量のピルが用いられていました。ホルモン量が多いので副作用が強く、むくみや吐き気を伴うことが多かったのですが、低用量ピルはホルモン量が低くなっているので副作用はだいぶ改善されています。

また、生理痛の治療目的で処方されるピルは低用量よりさらにホルモン量が少ない超低用量なので、さらに副作用は改善されたと思います。

「太る」というのは……そうですね。かつて中用量ピルの時はホルモン量が多くてむくむというのがあったんですが、今の低用量ピルでは「太りやすい」ということはあまりないと言われています。診察をしていても体重を毎回チェックするんですが、明らかに太っていく人はいないですね。太るというのは生活習慣もありますしね……。

ーーピルを飲むことで婦人科系のがん(乳がんや子宮頸がんなど)のリスクは高まるのでしょうか?

今井医師:乳がんに関してはあまり変わらないと言われています。子宮頸がんの場合はリスクが高まるといわれているんですが、ピルを飲んでいる人は婦人科に来るので、検診を定期的にしていれば大丈夫だと思います。

ただ、子宮頸がんに関して言えば、避妊を目的にピルを飲んでいる場合、セックスをする機会があるということなので、セックスをする機会が多い人ががんになりやすいというのはあります。ホルモン剤のせいではなくウイルスのせいなので、ピルそのものというよりも状況的に「なりやすい」ということだと思います。

ーーそれでもピルを飲んでむくんだり吐き気があったりして「合わないな」と感じたら、もうピルは無理ということなのでしょうか?

今井医師:ピルはデリケートなのでちょっと成分が違うだけでも「合う」「合わない」が出てきても不思議ではありません。使ってみないとわからないので、1、2ヶ月飲んでみてダメだったら違うものを試してもよいと思います。本当に合わなかったら途中でやめても構いません。

ーーピルを飲んではいけない人は?

今井医師:大きい副作用として頭に置いておかないといけないのが血栓症のリスクです。気をつけないといけないのは、40歳以上の人、ヘビースモーカーや太っている人、血圧が高い人ですね。ピルを処方できるかどうかは問診票や検査の結果を見ながら決めます。

治療で飲むピルの避妊効果は?

ーー治療目的のピルは避妊効果はないのでしょうか?

今井医師:あくまでも生理痛の治療薬として保険適用で処方しているというだけで、避妊効果はあります。

ーー1シート(1か月分)の値段は?

今井医師:避妊目的で処方されるピルは自費診療になるので約3000円、治療目的で処方されるピルは3000円弱と値段はそれほど変わりません。最近はジェネリックのピルもあります。

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