&Flower Romantica正井京都さんインタビュー(第3回)

会社員では手に入らなかったライフスタイル。小さなネット花屋を始めて

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会社員では手に入らなかったライフスタイル。小さなネット花屋を始めて

「しなやかに、生きる。」
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8年間の会社員生活で身につけたITスキルを活かして「店舗を持たない花屋」&Flower Romantica(アンド・フラワーロマンティカ)を立ち上げた正井京都(まさい・みやこ)さん。

品川区にある自宅を仕事場にして、そこから毎日季節の花を届けています。

会社を辞めて独立してからもうすぐ2年。「今の生活は会社員時代とは、もうびっくりするくらい違います」と話す正井さんに、ライフスタイルの変化を詳しく聞いてみました。

第1回はこちら:「会社、辞めてもいいんだ」“店舗のない花屋”開店ヒストリー
第2回はこちら:「深夜ひとりで帰宅する女性に花を届けたい」

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仕入れのある日は4時起床

最初に正井さんの典型的な1日の過ごしかたを教えてもらいました。

早朝4時に起床。車で大田市場に向かう。
5時から8時くらいまで市場で花の仕入れ。
9時前に帰宅して花の水あげ処理などをする。
10時頃にオフィスの花生けに向かう。
昼すぎに帰宅して軽くブランチをとる。
レッスンや配達が済めば、15時には仕事が終わる。
あとは友人と食事をしたり、趣味の美術館めぐりをしたり。
翌日に仕入れがある日は21〜22時に就寝。

「朝4時に起床!」には驚いてしまいましたが、お花屋さんをやる以上、それは「普通」とのこと。冬場は週に1、2回仕入れをするそう。夏場など花が傷みやすい時期は、花を使うその日の朝に仕入れるようにしています。

アートが大好き。展覧会のチラシはこまめにファイリングしている。

アートが大好き。展覧会のチラシはこまめにファイリングしている。

結構ハードな1日に見えますが、実際のところ正井さんはどう感じているのでしょうか?

「1年の売上の3割ほどを占める母の日の前は本当にハードですが、そんな時期でもストレスはないですね。忙しくても、スケジュールは全部自分で組めるから。それは会社員時代にはありえなかったメリットです」

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服装からメイクまでガラリと変わった

独立してから、ライフスタイルが変化した部分は「説明できないくらい、いっぱいある」そうですが、一番の変化は「おうちの時間」を心地よくするようになったこと。

リビングに並ぶアロマグッズ

リビングに並ぶアロマグッズ

確かに、見わたすと、正井さんの自宅には、いたるところにアロマグッズが。キャンドル、オイルランプ、アロマスティック……と玄関から階段、リビングまであちこちに置かれています。

「昼夜関係なく、香りを焚くようになりました。仕入れや納品から戻ると、すぐにキャンドルに火を灯します。会社員時代には考えられないマメさが自分にあったんだなあ、と(笑)」

メイクも、服も、雰囲気全体が会社員時代とはガラリと変わりました。きなり色のゆるっとしたセーターに黒のガウチョパンツという今日のナチュラル系ファッションからは想像もできませんが、何でも、IT企業で働いていた頃は、典型的な「イケイケIT女子」のルックスだったそう。

「キラキラしたネイルをして、花柄のワンピを着て、髪もしっかり巻いて(笑)。でも、今は汚れるので服は“ユニクロでいいや”ってなっちゃいました。花の仕事は手を酷使するのでネイルもしないし。自分でも驚くくらい見た目は変わりましたね」

お花屋さんの服装は、花の色が映えるように「白」「黒」「グレー」のモノトーンが基本。安くて着心地のいいもの買って、着古したらすぐに捨ててしまうそうです。

今日のファッション

今日のファッション

パートナーとは離れて暮らしているけれど

「生活のいろんなところが自然体になってきた」と感じている正井さんですが、独立してから、意外すぎる小さな変化があったと言います。

「それまで使っていた歯磨き粉が使えなくなったんです。ドラッグストアで普通に売っているものだと、化学物質のせいか、オエッとなってしまって。オーガニックのものを試したら大丈夫だったので、ちょっと値は張るんですが、これを使っています」

歯磨き粉

愛用している塩味。「これからどんどん体に合わないものは増えていきそうな予感がする」と正井さん。

生活の変化に合わせて体も、ヘルシーなもの、ナチュラルなもの、を求めるようになったのかもしれません。

4年前に結婚した正井さんですが、実は今はパートナーとは離れて暮らしているんだそう。

「夫もちょっと前に独立して今は淡路島(兵庫県)でホテル兼レストランを立ち上げました。だから3週間に1回くらいしか会えません」

「でも、今年中にひと月のうち3週間は東京、1週間は淡路島という生活にしたいな、と彼と話しています。昨年は花が傷みやすい夏は休業して、淡路島で彼の仕事を手伝いました。今年の夏も手伝いにいく予定です。あくまで自由に働いていたくて」

仕事をする場所、生活をする場所を自由に選べるのも、独立したメリット。2年前に「好きなことをやったら」と応援してくれた彼の挑戦を、今度は正井さんが応援することにしました。

パートナーが仕事をする淡路島の海

パートナーが仕事をする淡路島の海

独立して一番よかったこと

最後に「独立して一番よかったことは何ですか?」という質問を正井さんにぶつけてみました。

正井さんはうーんとしばらく考え込んだのち、

「『好きなことを仕事にしています』と胸を張って生きていけることです。うまくいかないことはたくさんあるけど、この2年は本当にやってよかったと思えます」

と答えてくれました。

歩き始めたばかりで、まだまだ「途上」にあるという正井さんの&Flower Romantica。最近では、育児で家を離れられない女性のために出張のフラワーレッスンを提供したり、フラワーエッセンスやアロマの勉強を始めたりしているそう。

「何年後かには、&Flower Romanticaは今と全然違うカタチになっているかもしれません。そのうち子どもを持ちたいし、自分の生活が変わるのにあわせて、仕事のスタイルも変わっていくはず」

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「○○と花」を提供したいから&Flower Romantica。○○に当たる「何か」を独立してから2年を過ぎた今も探し続けている正井さん。そのマイペースなワークスタイルは、フツーに会社員をやっている私にも、手が届きそうなほど身近に感じられました。

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会社や組織に縛られることなく、自分ら人生の決断をし、新たな働き方を見つけてきた女性たちのインタビュー連載です。30代女性が、もっとしなやかに、そして軽やかに生きていくためのヒントが、ここにありました。

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