「生涯独身かも…」と不安な貴女へ。老後資金は意外に少なくてOK

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「生涯独身かも…」と不安な貴女へ。老後資金は意外に少なくてOK

「このまま生涯独身かも……」そんな予想がふと、頭をよぎることがあります。

今、一生結婚しないまま過ごす女性は、10人に1人*。「10人に1人」といえば、少数派という感じがしますが、実は2030年には「4人に1人」まで増えます**。「4人に1人」なら、もはや少数派とは呼べません。

そう、現在アラサーの皆さんが40歳を過ぎる頃には、「生涯独身」がかなり当たり前の世の中になっているんです。

そこで今回は、現在30歳の女性が「一生おひとりさま」で平均寿命の90歳***まで生きた場合、どのくらいお金が必要か、ファイナンシャル・プランナーの中村芳子(なかむら・よしこ)さんにシミュレーションしていただきました。
*2015年の国勢調査でわかった女性の生涯未婚率(13.32%)から計算。生涯未婚率は50歳の時点の未婚率なので、厳密には「生涯未婚」とはいえない。
**国立社会保障・人口問題研究所の予測による。
***2015年時点で女性の平均寿命は87.05歳。

とりみんんぐ

65歳で貯金が○○万あればOK

中村先生、今日はよろしくお願いします。実はこの企画、私の切実な不安から生まれた企画なんです。現在30歳なんですが、「このまま独身かも……」とふと思うことがあって。ただ不安がってるだけじゃバカみたいだから、この際、企画にしちゃいました(笑)。

中村:あら、どうして不安なの? そんなに不安がることなんてないですよ。

えっ? そうなんですか……? いろいろ不安はありますけど、やっぱりお金のことが一番不安ですね。老後とか、大丈夫かなって。

中村:みなさん、「老後が不安、不安……」おっしゃるけど、何も知らないから不安になってるだけと思うんです。何歳までにいくらあればいいか、金額だけでもちゃんと頭に入れておけば、精神的にずいぶんラクになるはずですよ。

はい!ラクにしてください(笑)。

ということで、今回のシミュレーション内容はこんな感じでお願いします(っていうか、これ、私のことです!)。

【プロフィール】女性、30歳、大学入学を機に上京
【職業】IT 企業勤務の正社員
【年収】額面450万円(手取り約370万円)
【住まい】中野区の家賃10万円のマンションでひとり暮らし
【貯金】300万円

中村:じゃあ、今回はちょっと厳しめに、つまり「このまま給料が上がらない」という前提でシミュレーションしてみましょう。今の時代、そういうこともありえますからね。途中で転職してお給料下がっちゃうこともあるし。

最初に「ゴール」の話からしますね。今の会社に定年の65歳まで勤め続けるとして、その時、いくら貯金があれば安心して「老後」に入れると思いますか?

えーっと……全然わかんないんですけど、おひとり様だと5000万円くらい?

中村:どうして5000万円だと思います?

適当に言っちゃいました。そういう本とか雑誌とかいっぱい出てるし。とりあえず不安だから多いに越したことないかなって。

中村:正解をいうと、あなたの場合だと、まあ2000万円くらいあれば大丈夫かな。

2000万でいいんですか!?

中村:そう。2000万円でいいんです。ちなみに、この数字はあなたが生涯独身でも結婚してもそんなに変わりません。では「65歳までに2000万円の貯金をつくり、90歳で幸せに最期を迎える」ためには、どうすればいいか説明していきましょう。

中村先生

「月収の15%を貯め続ける」が基本のき

中村:まず、どんな時も必ず、ずーーーっと毎月「お給料の15%」を貯金し続けてください。今月から定年までひと月も欠かさず、ずーーーっと、ね。今回のシミュレーションだと、ボーナスからも15%貯金して年間で約55万円ですね。

はい! 友達の結婚式が続いても、海外旅行しても、どんな月も絶対やります!

中村:これを30歳から65歳まで35年間ずーーーっと続けると、

55万円×35年=1925万円

現在の貯金が300万円あるので、これを足すと2225万円。あっさり2000万円できちゃったでしょ。

本当だー! 続けるだけで2000万貯金できちゃった。

中村:ただし、貯金は「出し入れ」のない口座に別に貯めること。旅行、賃貸の敷金・礼金、引っ越し費用などの「大きな出費」をここから捻出してはいけません。

よかった……この話だけでもだいぶ救われます。

中村:ちなみに、退職金は年収の2倍と見積もって900万円としておきましょう。これを足すと、約3100万円になります。

「終の住みか」は買えるの?

でも、先生、おひとり様だと、やっぱりマンションとか「終(つい)の住みか」が欲しくなります。マンションは買えないんですか? ずっと死ぬまで賃貸なんですか?

中村:大丈夫、ちゃんとマンションも買えますよ。

2000万貯めながら買えるんですか? よかったー。

中村:ただし、40歳を超えてから買いましょうね。30代で買わないこと。

どうして?

中村:30代で買いたいと思う物件も買える物件も、中途半端なものになってしまうから。頭金もそれほど貯まってないし、まだ転職する可能性もあるからライフスタイルが変化するかもしれない。資金もないし、自分がどこでどんなふうに生きていくか明確に思い描けないため、立地も、広さも、クオリティも、全部中途半端な物件を選びがちなんです。

それに人生の経験値が低いからか、すぐに新築マンションに飛びついちゃう傾向も(笑)。新築マンションは販売促進費が上乗せされているので、同程度の中古マンションに比べるとかなり割高になります。

だから、頭金も貯まり、ライフスタイルもそこそこ固まった40代がいいんですね。

中村:40歳で25年ローン、もしくは45歳で20年ローンで購入しましょう。要は「65歳で完済できるようローンを組む」ことです。これが最大のポイント。40歳で35年ローンだと完済時は75歳、45歳で25年ローンでも70歳になっちゃうからNG。

実は最近、「家賃もったいないから、分譲もありかな」ってふと考えることがあったんです。「30代で35年ローン」とか最悪なんですね……。

中村:マンションのセールスは必ず「35年ローンにして繰り上げ返済すればいいんですよ」と勧めてきますが、これに乗っちゃ絶対にダメ。繰上げ返済しなくちゃ、とずーっと続くプレッッシャーは大変なものだし、繰り上げ返済できないと、定年後もローンを抱えるハメになります。ちなみに、購入するマンションの総額は年収の5倍までが目安ですから、その点も注意しましょう。

私の場合だと、450万円×5=2250万円までなんですね。*

中村:そうです。この場合、マンションの頭金は900万円と見積もりましょう。頭金以外に「諸費用」を最低5%見積もっておくのも大切。これを約150万円としましょう。これは先ほどのコツコツ貯めた貯金から出しますから、65歳時点で手元にある貯金は、

3100万円−(900万円+150万円)=2050万円

となります。ローン返済分は、当たり前ですが貯金には手をつけずに月々のお給料から払いましょう。

*現在はマイナス金利政策と、2020年の東京オリンピックの影響で一時的にマンション価格が高騰しているので、購入は急がない方がいい。これを考慮すると2500万円までは検討範囲。また中古マンションは交渉で、提示価格よりも安く買えることは少なくない。

では、ここからどんなふうに90歳まで生きていけばいいのか?

次はそれを説明していきましょう。

老後は年間100万円だけ稼げばOK

65歳からの第2の人生ですね。貯金が2050万円あって、マンションのローンも完済していて、さて、これからどんなふうに生きていくか。だんだん気分が明るくなってきました。  

中村:でしょ。具体的な数字がわかれば、楽しい将来が描けてくるんですよ。

会社を辞めて通勤からも解放されて、あなたは自由の身。さて、どこに住みましょうか?

えっ、ローンを完済したマンションが「終の住みか」になるんじゃないんですか?

中村:そうとは限りませんよ? せっかく完済したんだから、売り払って、それを元手に好きな場所に引っ越すのもありですよ。もう通勤しなくていいわけだし、海辺の街とか、湖や山の近くで眺めのいいところとか。おひとり様仲間と一緒に暮らしてもいいし。どこに行くのも、あなたの自由。身軽なのはおひとり様の特権なんだから。

あ、確かに(笑)。

中村:では、好きな場所で第2の人生をスタートさせたとして、生活費がどうなるか見ていきましょう。

今の年金制度が維持されるとして、年金支給が始まるのは65歳であなたが月々もらえる年金は約12万円*。毎月の生活費はローンを完済したあとなら15万円程度**で済みますから、月々稼ぐ必要があるお金は、

15万円−12万円=3万円

となります。

つまり、毎月3万円、年間で36万円以上稼げば、2050万円の貯金を減らさずに生活を続けることができるんです。旅行や趣味などにも多少お金を使いたいので、年間100万円稼げばOKと考えておきましょう。
*年金支給額は現役時代の年収(手取り)の平均の約40%と見積もり、370万円×40%÷12ヵ月=12.3万円と算出。
**65歳(ローン返済終了)までのの月々の生活費のうち、ローン返済7万円、貯金4万円、生命保険料5000円、仕事関係費5000円、合計12万円 とした場合。これらは退職後なくなる支出。27万円−12万円=15万円。

一番美しい死に方

65歳から90歳まで年間100万円だけ稼げばいいんですね。ちょっとバイトすれば大丈夫そう。でも、途中で寝たきりになっちゃうかもしれないし。

中村:いえいえ、90歳まで頑張らなくても、75歳まで年50〜100万円稼げれば十分。そうしたら75歳までは貯金を崩さなくてすむでしょ。75歳からは、せっかく貯めた貯金を使えばいいんです。75歳から90歳まで毎年100万円使えますよ。万一介護が必要になっても、これだけあれば大丈夫。お金を貯めるのは使うため。特におひとり様なら遺すことを考えなくていいわけだから。

ところで、「一番美しい死に方」ってどんな死に方だと思いますか?

一番美しい死に方、ですか……。

中村:お葬式代だけ残して亡くなること、だと私は思うんです。お葬式もピンからキリまでいろいろあるけれど、諸々やってくれる方へのお礼も含めて最後に200万円だけ残ればいい。それが「一番美しい死に方」じゃないかしら。余計なものは遺さないで。

なるほどー! それ、カッコいいかも(笑)。

「今回の企画、本当にやってよかった」って心から思いました! 中村先生、ありがとうございます。「このまま、おひとり様だったらどうしよう……」という不安が軽くなって、「なんか、おひとり様って楽しそう」思えてきました。とにかく今月から「お給料の15%」の貯金始めます♡

(ウートピ編集部)

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