「30代、生きかた未定!」からのお金のキホン 第5回

親の介護と自分の老化 ふと胸をよぎる「10年後の不安」を解消するには?

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親の介護と自分の老化 ふと胸をよぎる「10年後の不安」を解消するには?

「だんだん親が老けてきた……」年末年始に帰省して、そう感じた人も少なくないかもしれません。今すぐどうこうしなきゃいけないわけじゃないけれど、果たして10年後は? 親は要介護で、40代に突入した自分はカラダを壊していたらどうしよう? その時、仕事やお金はどうなるの?

「『30代、生きかた未定!』からのお金のキホン」最終回のテーマはずばり「将来の健康と親の介護」です。ファイナンシャル・プランナーの中村芳子(なかむら・よしこ)さんが、30代女性の胸にふとよぎる不安に答えてくれました。

保険は「単品加入」がマスト

――最近、私のまわりで病気になる人が増えてきました。万が一のために保険は必要だと思いますが、30代独身女性はどんな保険に入っておいたらいいですか?

中村芳子さん(以下、中村):30代シングル女性だったら、「生きるための保険」である医療保険。これは病気やケガで入院した場合、 手術をした時にお金がもらえます。ここはしっかりと入っておいた方がいいですね。といっても毎月払う保険料は2000〜3000円代の掛け捨てで十分! 逆に、「死んだ時にお金がもらえる保険」死亡保障はいりません。自分が死んでも誰かにお金を残す必要はないでしょ? 必要はないのに勧誘されるままに入っている独身者は意外と多いですよ。

ここで気をつけるべきことは、医療保険は単品で加入すること。

――どういうことですか?

中村:保険ショップの人に相談すると、「医療保障つきの○○保険」を勧められることがあります。たとえば、終身保険に医療保障がついていたり、60歳から75歳まで年金を受け取る年金保険の特約で医療保障がついていたりしたら、年金が終わる75歳で医療保障も終わっちゃいます。

――「終身」だったら問題ない気がするのですが。

中村:終身の場合は、保険料が高いんです。また、老後資金にするために途中解約することになったら、医療保険もそこで解約。新たに入り直すとさらに保険料が高くなります。

――確かにそうですね。「○○保険に医療保障もついていて、なんだかお得!」と思っていたけど、そこは要注意ですね!

中村:そうなんですよ。いざという時の保険は必要ですが、必要のない保険の保険料を払い続けるのは、お金をドブに捨てているようなもの。一度、チェックしてみてください。もし月2万円ムダな保険料を払っていたら、1年で24万円、10年で240万円、30年で720万円ですからね!!

親の介護が必要になっても、仕事は絶対に辞めないで

――もう一つ心配なのが、親の介護問題。親もそろそろ歳だし、近い将来、介護が必要になった時、仕事は続けられるのか、介護にかかるお金はどうしたらいいか、いろいろ気になります。

中村:まず、仕事は絶対に辞めないこと。それを前提にして、どういうふうに親を介護していくかを考えましょう。

――よく介護離職の話を聞くのですが、仕事は続けられるでしょうか?

中村:一番に介護休業制度を確認してください。これは「勤務先に申し出ると、要介護状態の家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回の介護休業を取得することができる。期間は合計93日まで」という国の制度です。

それでも足りない場合は、有給を利用します。有休を使い切ったら無給になりますが、それでも絶対に仕事は辞めないこと。有給が終わったら仕事を辞めなきゃ、とまじめな人は思いがちですが、しがみつけるだけしがみつけばいいんです。もしくは、働き方を変える手もありますよ。

――どういうことですか?

中村:たとえば、他の部署に異動させてもらうとか。転職や独立に踏み切るのもありです。

――会社を辞めても仕事は辞めない、ということですね。

中村:そうです。30代の今のうちから情報収集しておくこと。介護が必要になった時、親はどこに住んでどんなふうに暮らしたいと考えているのか。どこの病院や施設が頼りになりそうか。それから公的介護保険の基本的な仕組みは、知っておきたいですね。

10年先のことを想定して少しずつ情報を集めておくだけで、いざという時にパニックにならずに済みますよ。そして、いよいよ心配になったら、親が住んでいる地方自治体や、地域包括支援センターに足を運んだり、電話で相談したりすればいいんです。

――まだ大丈夫と思っていましたが、準備は「今から」なんですね。

中村:そうですよ。情報武装しておくことで精神的に余裕が持てるんです。

介護費用は親のお金でまかなう

――介護費用についてはどうしたらいいですか?

中村:退職後も経済的に自立している親なら、親自身の貯金や年金から支払うことができるはずです。介護費用もそうですが、親が遠方に住んでいる場合は、交通費などもかかりますから、それもなるべく親本人に出してもらいましょう。

――確かに、経済的に自立しているのであれば、そんなに心配する必要はないんですね。

中村:自分が仕事を辞めてまで親の介護に専念すると、経済的にも精神的にも共倒れしちゃいますからね。そうならないためにも、働き続けること。働き続けるためにあらゆる作戦を考えて、実行していきましょう。それから、自分自身の心と体の健康を維持することにも、心を配ってくださいね。

このシリーズ全体を通して「とにかく働き続けること」を強調してきましたが、やっぱり最後にもう一度言います。

みなさん、何があっても仕事だけは辞めないで!明るく元気に働き続けましょう!

中村芳子さんの新刊書籍はこちら。

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