「天使のたまご」代表・藤原亜季さんインタビュー(前編)

“好きなこと”が見つからない時の過ごし方 「他人を見て心を乱されないで」

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“好きなこと”が見つからない時の過ごし方 「他人を見て心を乱されないで」

「しなやかに、生きる。」
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漢方アロマセラピーというオリジナルのメソッドで、妊産婦や妊活中の女性のケアを行う妊婦専門鍼灸アロママッサージ院「天使のたまご」。代表の藤原亜季(ふじわら・あき)さんは、メディアにも取り上げられ、やり手の美人社長というイメージが強くありますが、彼女にも“やりたいことがわからない”時期があったそう。

「大学4年生の時、このまま就職するのは何かが違う気がした」とバックパックの旅に出た大学生の頃の藤原さんに、好きなことの見つけ方について聞きました。

<藤原さんが「好きなこと」を見つけるまで>

就職活動に迷う(21歳)
バックパックの旅に出る(21歳~22歳)

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「誰かが決めてくれる人生」は卒業

「中高はミッション系の女子校で過ごしました。そのまま付属の短大に進むものだと思っていましたが、“女子こそ学を積むべき”という父の教育方針のもと、4年制大学に進学しました。それまで、自分で進路を決めたことがなかったんです」

マタニティケアの第一人者として突き進む彼女から飛び出したのは意外な言葉。就職活動で初めて自ら進路を決めることになり、戸惑ったと言います。それが“普通”だからと、周囲と同様に就活を行ない、ある旅行会社の内定を得ますが、もやもやは広がっていくばかり。

「OG訪問しても、先輩たちの姿と、5年後10年後の自分の姿にギャップがあった。就職以外に選択肢はないのかと、就職活動を止めて、バックパックの旅に出ることにしたのです」

そこで見つけたのは“自分にとっての「普通」が当たり前ではない”という事実。

「学校に通っていない人もいたし、会社勤めをしていない人もいた。自分が今までいかに狭い世界で物事を見ていたかと痛感しました」

他人の行動で心を乱されるのは時間のムダ

就職するのではなく自分で事業を興そう。漠然としていた思いが徐々に固まっていきます。「自分の人生を費やすのだから、好きなことをやりたい」と藤原さんの“好きなこと探し”が始まったのは、ここからでした。

まず気づいたのが価値観に関すること。例えば東南アジアの屋台で、かわいいと思ったアクセサリーが1000円だと言われたらどうするか――。

「まず1000円払う価値があるのか、800円ぐらいなら買いたいのか。自分で物の価値を決めますよね。交渉した結果800円で買えたら、ああ、よかった、と。でも、後から来た人が同じものを500円で買っているのを見たら?」

後から来た人の行動で、自分で決めた価値が揺らぎ、感情まで左右されてしまうのは損なこと。

「だから私は、自分で決めたことには、自分で責任を取ると決めました。日々は意思決定の連続です。その決定を人越しに行っていたら、疲れちゃうし、時間のムダだと思ったんです」

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深い穴の中でひとり過ごした時間

しかし、なかなか好きなことを見つけられず、内心は穏やかではなかったそうです。

「好きなことを仕事にすると言って、就職しないまま卒業したけれど、苦しかったし、焦りもありました。気にしないと言っても、友人の口から、『研修』『初任給』『ボーナス』といった言葉が飛び出すたび、彼女たちが遠い世界に行ってしまったように感じていました。他人は気にしないと言いつつ、私には何もないんだ……と」

もがいても、もがいても抜けられない深い穴。藤原さんは、自分と向き合おうと覚悟します。自分がどんな時に嬉しいと感じるのか、幸せだと感じるのはどんな時か。自問自答の中で気づいたのは、“人が喜ぶ顔見ること”。まだ漠然としているけれど、未来に光が差した瞬間でした。

「旅行中にタイでマッサージを受けた時、従業員同士が笑顔で会話をしながら施術をしてくれて。仕事ってこんなに楽しくやってもいいんだって驚いたんです。お客さんを気持ちよくして、自分も楽しくて。素敵だなと思った。気づいたら私が彼女たちに“ありがとう”と言っていました」

“ありがとう”は従業員がお客さんに対して使う言葉だと思っていた。「私がやりたいことってこういうことか」と気づいた瞬間でした。旅先でも、自然療法や伝統医療、美容に深い関心を持っていた――。

「私は、お客さんに直接触れる仕事をしよう」それは、藤原さんが深い穴から抜け出た瞬間でした。

(安次富陽子)

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会社や組織に縛られることなく、自分ら人生の決断をし、新たな働き方を見つけてきた女性たちのインタビュー連載です。30代女性が、もっとしなやかに、そして軽やかに生きていくためのヒントが、ここにありました。

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