パリジェンヌのオシャレやライフスタイルをつづったイラストエッセイが人気を博しているイラストレーターの米澤よう子さん。4年間、パリに滞在してパリジェンヌを観察し続けたからこそ見えてきた彼女たちの恋愛観をつづります。何かに縛られることをもっとも嫌う彼女たちの生き方から恋愛や人生のヒントが見つかるかも?
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前回はパリジェンヌをパリジェンヌたらしめるのは、食事中の男性の振る舞い……というお話をしました。男性の役割はそれだけではありません。今回は、パリジェンヌのファッションと男性との深い関係についてお伝えします。

パリジェンヌのおしゃれコンサルタントは?

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パリジェンヌは自他共に認めるおしゃれリーダー。しかし、そのスタイルは決して個性的というわけではありません。ファッショニスタのようなひと目でわかる人は少数派で、大多数が、街に「埋もれている」ほど普通の格好。ご存知、パリジェンヌのアイテムはトレンチコート、デニム、バレエシューズです。

ごく普通な服装なのにパリジェンヌはなぜおしゃれに見えるのか? 私はその「舞台裏」を試着室に見ました。パリジェンヌが服を買うときは数枚着て比べ、360度の確認でようやく決断。一見普通のアイテムでも、それはパリジェンヌの試着に試着を重ねた厳しい“審査”を経て厳選されたアイテムだったのです。

男性が試着室に同行する理由

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驚いたのは、彼同伴で試着室に入ること。初めて見たときは、まるで女性トイレに入ってくる男性を見るように、目を見開いたものです。ですが、パリで過ごすうちにその光景にも慣れてきました。

というのは、彼女たちは、うまく彼の「意見」を取り入れているとわかったから。そう、実は「普通なのにおしゃれ」の影の立役者は男性陣。華美にならず、かつ地味すぎずの絶妙スタイルは異性に好感度が高いスタイル。もしかして究極の「モテ服」なのでは? と私は思っています。よい意味で、男性からの客観的視線を理解した上でのファッションというわけです。

彼におねだりするのは、モノでなく「意見」

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私の友人を含め、周囲の人々のパリジャンの彼やだんなさんが発する言葉に聞き耳をたてると、彼らがその場その時で褒めているのがわかります。彼らにとっては、ただ単に思ったことを口に出して言っているだけなのでしょうが、私にとっては新鮮な光景でした。

そして、彼らが発する言葉は雰囲気で流すあいまいな言葉でなく、ズバリ直球。「今日の服いいね」「髪の色とマッチしてる」。とはいえ、褒めるだけではありません。ちゃんと否定もします。「メガネはしないほうがいい」など。

日本語の表現では、へりくだりや照れがあるので、人前での直球の褒め言葉は難しいかも。

彼がもし言わないタイプだったらぜひ「催促」してみましょう! 会ったらすぐに、「今日の格好、どう?」と、その都度聞いてください。恋人同士ゆえスルーしてしまう、ちっぽけな事柄の意見交換こそ、パリの男女の忘れてはならない「シェア」の精神です。親よりも一緒にいるほどの一番身近な人に、今の自分の印象をどんどん聞いてみるべきです。

たかが服、でも外から美しくなる道もある

彼が答えてくれたならば、あなたをきちんと見ている愛情の証です。もし答えてくれなかったら、あなたから目をそらしていないかどうかを見極めてくださいね。

たかが外見、されど外見。客観的視点から磨かれていくことは、すてきに年を重ねていくことにもつながるはずです。

(米澤よう子)

米澤よう子(よねざわ・ようこ)
東京生まれ。女子美術短期大学卒業。大手企業広告のグラフィックデザイナーとして勤務したのち、イラストレーターとして独立。化粧品パッケージや広告キャンペーン、女性ファッション誌、CMなどで多数の女性イラストレーションを手がけたのち渡仏。パリの高級百貨店、LE BON MARCHÉでの個展を開催するなど、パリでの4年間の活動を経て現在に至る。新刊「パリジェンヌのように少ないモノでスッキリ暮らす」(SBクリエイティブ)が好評発売中。 公式ブログ:パリ流ダイアリー(Petit journal de YOKO)