自立できるように勉強を続けた30代、ミゾイキクコさんの生き方【30歳だった私へ】

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自立できるように勉強を続けた30代、ミゾイキクコさんの生き方【30歳だった私へ】

Twitterのフォロワーが8万人以上、自身の戦争体験や嫁姑問題、子育てや女性の生き方についてのつぶやきが多くの人の心をつかみ、支持を得ているミゾイキクコさん(82)。昨年には著書『何がいいかなんて終わってみないとわかりません。』(KADOKAWA)も出版され、話題を呼びました。豊かな、そして長い人生経験から紡がれたミゾイさんの言葉に多くの人が勇気をもらっています。

ミゾイさんは26歳の時に結婚し、それを機に職場を退職。29歳で1人目のお子さん、32歳で2人目のお子さんに恵まれます。女性は結婚したら専業主婦になるのが当たり前の時代。しかしミゾイさんは周りと少し違った考えを持っていたそう。

ちょうどウートピ世代でもある30歳の頃を中心に振り返ってもらいながら、ミゾイさんの生き方に迫ります。

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もし夫が死んだら?  自立できるように勉強を続けた30代

「私は専業主婦だったんだけれど、専業主婦で一番心配なことというのは夫に何かあったらということなんですよね。ケガで働けなくなっちゃうとか、最悪死んじゃうとか。だから、何かがあった時に、きちんと自立して生活できるようになりたいと思ったのね。だから税理士の資格を取ろうと思って、勉強を始めたの」

結婚するまでは高校で教鞭をとっていたミゾイさん。しかし当時は、教師でも子育て後に職場復帰するということは難しかったそうです。そこで、何か技能や知識を持つべきだと考え税理士の勉強を始め、31歳の時に、まず財務諸表論の試験に合格、38歳の時には簿記論の試験に挑戦し、合格します。

「税理士の試験って1科目ずつでも受験できるの。子どもを育てながら税理士として働くことは難しくても、例えば会計事務所で働くとか、事務員になろうとしたら有利だと思ったんですね。とにかく何かの仕事にありつけると思って。31歳の頃は、長男がまだ2歳でよちよちして危なかったから、おんぶして本を読んだり計算したり。子供をあやしながら、家事の合間を縫って勉強していました。二宮金次郎さんみたいね(笑)」

経済的にも精神的にも「貧しい」ことが嫌

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当時は結婚すれば親と同居をする人が多く、「家」が成り立っていれば夫が亡くなっても生活できた。万が一、夫がいなくなっても自分が働きに出ようと考える女性も多くはなかったそう。そんな中、ミゾイさんが勉強を続けた理由は?

「勉強がしたいというより、自分の思うような暮らしがしたかったのね。人には自分の人生の目標やこういうふうに生きたいという理想、それにこうはなりたくないという思いなんかがありますよね。私は子どもの頃から『こうはなりたくない!』というのがあったの。それは近所の家に嫁いできたお嫁さんたち。彼女たちを見ていて経済的にも精神的にも『貧しい』と思ったのね。特に知識については決定的に貧しかった。それから舅姑の愚痴ね。子ども心にそういう仲間にはなりたくないというのがあったんです」

ずっと「自立したい」と思っていた

その頃はまだ女性が勉強することや大学へ進学することに否定的な男性が多かった時代。特に地方では女性も自然と男尊女卑の価値観を刷り込まれていたそう。

「田舎で近所のお嫁さんたちを見ているとお舅や姑や小姑やうるさい人の中で苦労していたんですよね。結局、生活力がないから嫌でもそこから抜け出せないわけ。そういうのが嫌だった。『どうせ女には判断力がないから男の言うことを聞いていればいい』って言うおじいさんなんかいると『無知なじいさんがいるな』と思っていた(笑)。それに従っているほうも従っているほうだと思ったの。今の言葉で言えば、自立したかったのね」

若い頃の自分に声をかけるなら…

もしタイムマシンで30代の頃の自分の元へ行って声をかけるなら……?

「幸せだったねって、ことね。もちろん当時はそんなこと何もわかってなかったけれど。うちは夫がしっかり稼いでくれたから全然お金に困らなかったのね。お金があると心の余裕につながりますよね。やりたいことが自由にできるわけ。主人も私のやることを何でもやらせてくれて、勉強もできた。自分ではそれがみんな当たり前って思っていたけれど、不自由なく暮らせてたということよね。だから、振り返ればそれが幸せなんだなと思います」

家庭と仕事、両方がんばっている女性が多くいます。彼女たちにメッセージをお願いします。

「無理しないで、ということかな。我々の時代というのは高度経済成長でどんどん右肩上がりで、毎年お給料もどんどん上がっていったんです。所得倍増ですね。今の働く女性たちは不景気の中で仕事して家事やって育児して、おまけに介護問題もある。すごく大変よね。そういう意味では夫や社会全体がもっと稼げるような状況になって、女の人が経済的にも時間的にももうちょっと豊かな状態で子育てできればいいなと思いますね。女性たちはできる限りの力でがんばっているんだから」

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