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2014/05/20

life_00269

アラサーくらいになれば、友人間や職場などでも既婚女性の比率があがってくるのが普通。必然的に夫や結婚についてのトークも増えることになるが、「(結婚の)ノロケよりも、愚痴のほうが聞きたくない」という独身女性の声は意外と多い。この点について、既婚女性と独身女性、両者の立場から考えてみた。

「あなたが選んだ人生でしょ?」と言われた既婚女性

ある女性(30歳)は育児休暇中、大学の頃の独身の先輩が遊びに来てくれた際に、夫が育児を手伝わないことや給料が少ないことについて愚痴をこぼした。すると、その先輩は「あなたが選んだ人生でしょ?」と冷たく言い放ったという。後に彼女は「自分で選んだ人生だったら、愚痴っちゃいけないわけ?」と憤慨していたが、皆さんはこのケース、どう感じるだろうか?

先輩女性側に立つならば、結婚も出産もし、女として十分に満たされていそうな後輩女性に、「大きな目で見れば“幸せ”でしょ? そのくらい我慢すれば?」と思ったのかもしれない。結婚や夫の愚痴と違って、独身であることの愚痴や辛さは、既婚者相手には口にしにくい。「私のほうが辛いわよ!」という気持ちもあったのかもしれない。

既婚女性側に立つならば、結婚を後悔しているわけではないが、思っていたより大変なことが色々とある。その上、乳児と2人きりの“孤育て”中だったため、会いに来てくれた大人の女性にその辛さを受け止めてほしくなり、つい本音を吐露してしまったのではないだろうか。

「家庭の事情をあけっぴろげにしすぎ」と困惑した独身女性

また別のケースでは、あるアラサー独身女性2人が、知人の集まる場で“愚痴の止まらない”既婚女性に出会ったという。彼女は自己紹介を終えるや否や、「私、旦那を選び間違えちゃって」と語り始めた。子供はまだ4歳だが最近夫が無職になってしまったそうで、別の既婚女性たちには「あなたの夫はすごいわ〜ちゃんと仕事してて!」と言って歩いていたそうだ。

笑い飛ばせる内容でもなく、初対面の独身女性たちは正直、困惑したという。「今後も彼女と付き合っていきたいとは思えなかった」「こんな所で家庭の事情を言いふらされて、旦那さんも気の毒」。親しい仲間内ならさておき、公に旦那を悪く言えば自分も損をするし、誰彼問わず愚痴の矛先にしていれば、自分に跳ね返ってくるのが人付き合いの常でもある。2人は「周囲を気遣う余裕もないほど、行き詰まっていたのかな……」と配慮も見せつつも、「何があっても乗り越えていこう、というのが結婚ではないのかなあ」と、やはり内心複雑には感じてしまったそうだ。

世の中には、愚痴らない既婚女性もいる。夫や結婚に恵まれた、という見方もできるが、おそらく彼女らにも「辛いな」と思う瞬間はあるはずだ。しかし、“言霊”は強い。思うままに愚痴を口にしていると、「私は今幸せなのか」「この結婚は正しかったのか」といった自問自答に繋がり、迷いや不満が膨らみ始めることもある。その悪循環を知っていて、簡単には愚痴らない既婚女性もいるのかもしれない。

「結婚の愚痴」は話す相手を選ぶべし

「愚痴るなと言われても、独身者にはこの気持ち、わからないでしょう?」という意見もあるだろう。それも正論だが、そう結論づけてしまえば、両者の関係に明るい未来はなくなってしまうだろう。結局、立場の違いを超えてもお互いの感情をやさしく受け止め合えるのは、本当に仲のいい友人だけなのかもしれない。愚痴をひとつも言わない“完璧な女性”になる必要は全くないが、結婚や夫についての愚痴は、よほど親しい友人か、同じく愚痴を言いたい既婚女性か、もしくは全くの第三者であるカウンセラーなどを相手に話したほうが、自分も損をしないし、無用な波風も立ちにくいのではないかと感じた。

このように、既婚女性と独身女性の間には時折“見えない隔たり”も生まれるが、いつなんどき、立場が入れ替わる可能性だってあるのが女性の人生。理想論かもしれないが、ドラマ『最後から二番目の恋』の千明(小泉今日子)と典子(飯島直子)のように、「(悩みの種類は違うけど)お互い辛いこともあるわよね!」くらいに寛容に付き合っていけたらなと願う。

外山ゆひら