「逃げ恥」が羨ましい高学歴女子 理解されなくても“ゆるキャリ”“専業主婦”になりたい

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「逃げ恥」が羨ましい高学歴女子 理解されなくても“ゆるキャリ”“専業主婦”になりたい

新しい恋愛ドラマとしてブームを巻き起こした「逃げるは恥だが役に立つ(TBS系、火曜午後10時)。ヒロインは大学で心理学を専攻し、大学院まで出たのに就職先がない、25歳のみくり(新垣結衣)。

そんな彼女が、システムエンジニア・津崎平匡(星野源)のマンションで家事代行をするようになり、彼と契約結婚をする。その実態は、みくりが掃除・洗濯・料理をする代わりにお給料をもらうという割り切った雇用関係だったが、やがて2人の間に恋愛感情が芽生え……という展開で、単純にラブストーリーとして楽しんでいた人が多い中、“みくり”の言動に共感する女性も少なからずいたようだ。

みくりには正社員としての職はなく、派遣で働いていた会社からも首を切られてしまって、大学で学んだことを活かしているとは言えないハウスキーパーの仕事に。ただ、それが本人にとって不満だったり不幸だったりするわけではない。そんな人生の選択は、まるで2年前、話題になった「ハウスワイフ2.0」の生き方のようだ。

「ハウスワイフ2.0」の著者エミリー・マッチャーは、ハーバード大卒のエリートながら専業主婦の道を選んだことで話題になったが、就職難という外的要因はあるものの、みくりもそれに近い生き方と言える。

実際に高学歴だがバリキャリではない女性は、このドラマをどう見たのか? 「逃げ恥」にハマっているという20代独身女性・サキさんに聞いた。

「資格があるのにもったいない」はおかしい

「大学は横浜国立大学の教育人間科学部に入りました。卒業して関東の学校に臨時的職員として就職、その後、正規職員に。しかし、今は学校を退職し、児童館や学童クラブなどの施設で1年更新の契約社員として働きつつ、趣味に関する勉強をしたりアルバイトをしたりしています」

サキさんが国立大学卒という肩書と教員資格を持ちながら正職員として働かないことは、なかなか周囲に理解されづらいという。

「国立大卒だということが分かると、仕事の割り振りが変わったり変にプレッシャーを与えられることがあります。男性からしてもやはり少し近寄りがたい印象を与えるようです。大学名を知った途端にやけに褒めちぎられたり、ことある毎に大学名を出されりすることは、相手が男女どちらでもありますね。

私は、資格があるから、能力があるからといってその職業に就かなくてはいけないという見方には反対です。自分のやりたいことをやっていて、充実感を得られることが一番の幸せだと思うので……。

私は教員免許を数種類持っているのですが、児童館でも同僚から『こんなところで働いているのはもったいない』と言われることも。『私が好きでやっている仕事なのに』と悲しく思います。だから、『逃げ恥』のみくりのように自分の好きなこと、満足感を得られることで生計を立てられるのはとてもうらやましいです」

これまで通りの「結婚」に重きを置かない

みくりは「家事を好きな女と家事をしてほしい男のマッチング」として平匡に契約結婚を提案。熱烈な恋をしてプロポーズされるという恋愛結婚を夢見ていないからこそできるこの行動も、バブル経済崩壊後に生まれ育ってきた現在の20代ならでは?

「最近は、これまで通りの『結婚』という形に重きを置かない人も増えてきているのでは。みくりの考え方は、私たち同世代の思考を上手く反映していると思います。伯母の百合ちゃん(石田ゆり子)がしきりに結婚にこだわっていて、みくりの考え方に疑問を抱いているあたりも、世代間の違いがとてもよく描かれていて共感できます。

百合ちゃんみたいな人は、私の周りにもよくいます。仕事をバリバリしつつも決して女を捨てているわけではなく、意外と中身は『女の子』だったりするんですよね」

40代後半の百合はバリキャリ派。その妹であるみくりの母・桜(富田靖子)は専業主婦。サキさんのような20代には、どちらの生き方が望ましく見えるのだろう?

「今の仕事柄、フルタイムで働いているママさんとお話しする機会も多くありますが、やはり女性が仕事・家事・育児の全てを担うのは大変だと思いますね。今は旦那さんも育児に参加し、男性でも育休を取る方が増えていると聞きますが、現実問題はまだまだ簡単ではないのだと感じます。

私自身はもともと結婚したら専業主婦になりたいと思っているのですが、配偶者控除のニュースなどを見ると、まったく働かないわけにもいかないのかな?と……。今のご時世、そう簡単なものでもないようです」

バリキャリではなく“ゆるキャリ”。結婚したらできれば外では働かず主婦になりたい。ドラマではこれまであまり描かれてこなかった20代の一定層の本音をすくいとったことが、「逃げ恥」がヒットした理由のひとつと言えそうだ。

(小田慶子)

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