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吉祥寺だけが住みたい街じゃない「いつの間にか三宿が居心地いい場所になっていた」

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吉祥寺だけが住みたい街じゃない「いつの間にか三宿が居心地いい場所になっていた」

マキヒロチさんの人気コミックをドラマ化した「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」(テレビ東京・金曜深夜0時42分)が好評放送中です。

「住みたい街ナンバーワン」に何度も輝く吉祥寺を舞台に、双子の姉妹が営む重田不動産にやってくる客たちの事情に応じて、吉祥寺以外の街と物件を紹介し、「自分に合った街」を見つけていく様子が描かれています。

ドラマのように「自分に合う」街を見つけられるのは羨ましい限り。そこで実際に「自分が本当に住みたい街」を見つけた女性に話を聞きます。今回、紹介するのは東京都世田谷区の三宿に住む女性です。

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バスでどこにでも行ける街

東急田園都市線の池尻大橋駅と三軒茶屋駅の中間地点に位置する「三宿」。この街に暮らして25年になるのは、三軒茶屋で飲食店を営む関根みどりさん(46)。

関根さん

三宿の魅力を尋ねたところ、まっさきに「どこに行くにも便利なところ」という返答が。いやいや、ちょっと待って! 三宿からは池尻大橋にも三軒茶屋にも徒歩10分以上かかるし、田園都市線は通勤ラッシュ時の混雑がかなりハードなことで知られる路線。決して便利じゃない気がします。

「ずっと飲食業界で働いてきたので、通勤ラッシュの時間帯に電車に乗らずに生活ができていたのは大きいかもしれません。三宿は、バスに乗ってしまえば渋谷駅まではすぐ。帰宅時も、渋谷駅から国道246号沿いを走るバスはすべて三宿の停留所に停まるので、ものすごく便利ですよ」

現在の仕事場がある三軒茶屋までは、自転車、オートバイ、路線バスを、時間帯やその日の予定に応じて使い分けているそう。

上京して最初に住んだのは…

大学進学を機に上京したという関根さん。最初に住んだ街は、東武東上線東松山駅(埼玉県)と東武練馬駅だったと言います。理由はどちらもキャンパスの近くだったから。大学4年生のときに大家さんの事情で立ち退きすることになり「4年だからもう大学にはそんなに通わなくてもいい」という理由で、かなりエリアを広げて物件探しをすることに。そこで池尻大橋が最寄り駅の、三宿の物件を不動産会社に紹介されました。

「三宿? どこそこ? 渋谷の隣? 今と同じ家賃(7万円くらい)で渋谷の隣に住めるなんてすごい! 都会! 楽しみ!」という軽い気持ちで、見知らぬ街に引っ越しを決めたそうです。

人生が停滞していても街を変えたいとは思わない

2年後に上京してきた妹さんとシェアした物件も三宿でした。その時、関根さんは24歳。

「三宿に特別な愛着があったわけではないんです。でも、住み心地がよかったので、違う街に越したいと思わなかったというか。三宿で大きなトラブルに一度も遭わなかったことも大きいかもしれません」

大きなトラブルに遭うと運気を変えたくなり、引っ越しを考える人も少なくないのではないでしょうか。『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』に登場する人たちも、行き詰った人生をポジティブな方向に変化させたくて、重田不動産を訪れます。

「もちろん私の人生も、いいことばかりではなかったですよ。でも、性格的に、その問題を解決するために自分がどうしたらいいかと考えつつ、流れが変わるのを待つタイプ。だから、人生が停滞している時期も、住む街を変えたいと思ったことはありません」

三宿に破格の家賃で住む

4年後、妹さんが出て行くことになった関根さんは、当時働いていた、地元の有名飲食店Aのオーナーの好意で、店が所有する一軒家の2階に、光熱費込5万円という破格の家賃で住まわせてもらうことに。

「ご縁ですよね。その頃には、自分で飲食店を開業できたらいいな〜と思っていたので、節約するためにもその家賃は魅力的だったので、ありがたく住まわせてもらいました」

破格の家賃の“社宅”に7年間住んだ関根さんは、37歳の時にとうとうその家を出る決意をします。「作業スペースの広いキッチンのある部屋に住んで、料理の腕を磨きたい」「あわよくば料理教室も!」というのがその理由。特に住む街を決めてなかったという関根さんですが、またしても不動産会社から紹介されたのは、三宿の物件でした。

オシャレなイメージの三宿だけれど…

「三宿」と言うと、世間では小洒落ていて芸能人がいるイメージがありますが、関根さんとしては特にいいイメージも悪いイメージもなかったそうです。

「芸能人が行き交う街というのは多分、一昔前の話だと思うんです。住んでみると、庶民的なスーパーが2つあって、落ち着いていて、生活しやすい街だと思いました。ファミリーも多いですし。世田谷公園があるのもいいですよね……なんて言いつつ、めったに行かないんですけど(笑)。ただ、その街に緑や公園があるだけで、気分は違う気がします。あと、有名な飲食店もいくつかありますが、私はたまに香港料理の新記に行く程度です。基本、自宅でお酒を飲みながら、あれこれ料理をしながら過ごしています」

三茶の三角地帯でお店をオープン

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その後、飲食店を開くという目標が確固たるものになった関根さんは、飲食店Aのほかに、三軒茶屋の小さな飲食店が密集している通称「三角地帯」のスナックでも掛け持ちで働き始めます。あるお客さんが偶然にも飲食店Aのオーナーと親しい不動産業者だったため、かつてアルバイトをしていた下北沢あたりまで範囲を広げて「何かいい物件があったら教えてください」と伝えておいたところ、「三角地帯」で居抜き物件を紹介されました。

「このエリアはなかなか空きがないし、家賃も高いので、まさか条件に合う物件が出てくるなんて思ってもいませんでした。これも縁としか言いようがないですよね」

そして関根さんは2016年の夏、軒下の緑のライトが目印の飲み屋さんを三角地帯にオープンしました。関根さんはこれまでの経緯を「何の計画もなく、行き当たりばったりで恥ずかしい(苦笑)。でも、自分を偽らず、人の親切に甘えつつ、流れに身を任せていたら、三宿が自分にとって居心地いい場所になっていた気がします」と振り返ります。

縁あって紹介された街に、前情報を入れすぎず、期待しすぎず、まずは住んでみる。人に対しても偏見を持たず、フラットに接する関根さんだからこそ、街と人が彼女を受け入れて、ご縁がつながっていったのかもしれないですね。

(須永貴子)

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